心にしみる優しいランチを Zoo
庶民的な15区界隈。道行く人は地元のご近所さんばかり。静かな路地に何やらワインボトルがずらり並ぶBar、と思いきやテラスのはり出たカフェ・レストランZoo。入口にはカウンターバーが備われ常連さん達のお楽しみの一杯で賑わう。店内はメインのsalleとバーカウンターに続く少し小さめの空間とテラス。これぞフランスのカフェレストラン!と感じるそのレトロさに心地良い愛着感。お昼時はほぼ満席になってしまう、そんなパリジャン達を虜にしているのは日本人女性のHarumiさん。ご主人のダニエルさんがバーを担当、そして彼女がお料理担当。夫婦二人三脚できり盛りされる活気溢れる毎日。1980年からパリのバーやブラッスリーで働かれておられたダニエルさん。その後2004年にここ15区にZooを開店。まさに動物園のように、色々な人が集まる場所であって欲しい、そして様々な個性とオリジナル性、キャラクター溢れるお店にとの希望を込めて命名されたZoo。
だからこそお料理だってフランス料理だけに拘らず色々な要素を取り入れアレンジされたものをお皿に乗せていく。ご自慢のバーに並ぶカクテル達。ワインはナチュレルビオディナミック(Vin Naturel Biodynamique)に拘りを。片やHarumiさんは別なる本業をお持ちでありながらもキッチンに情熱を傾ける。パリのレストランで2年間修行を積まれ現在に至ります。お料理に関しては素人なのでと謙虚におっしゃられておられましたがなんのなんの。素人だからこそ一つ一つ丁寧に扱い、一生懸命美味しいものを作ろう、と思いを込めて日々現場と向き合う毎日とおっしゃいます。とっても印象的だったのはそんなHarumiさんの目の輝きと瞳の奥にキラリと光る誠実で前向きな温かい心。その時はまだお話をうかがっているだけだったけれど、早く彼女の作ったものが食べたい、そう素直に思える心に響く彼女の人柄。何とキッチンは彼女を含めたった二人。オープンと共に怒涛の時が流れる。でも、お料理はといえばどれも繊細!
ムニュはFormule midi 13.5ユーロ(前菜+メイン+カフェ又はメイン+デセール+カフェ)とFormule 18.5ユーロ(前菜+メイン+デセール+カフェ)。これだけついてこの値段!パリではなかなか探せませんよ、こんなにお得なお値段は。最後のカフェまでついているのが嬉しい。
前菜メニューには常時定番もの3品と日替わり2品の5種から選べ単品(5ユーロ)としても注文できます。田舎風テリーヌ「Terrine de Campagne」やシェーブルチーズのフィユ・ド・ブリック包み焼きのハチミツがけ「Croustillant de Chèvre au miel」、季節のスープ「Gaspacho」などが楽しめます。又メイン(単品注文なら9.5ユーロ)には本日のパスタ料理「Penne du Jour」やアルティショーにスモークチーズなどをベシャメルソースとペストでまとめたヴェジタリエンヌ・ラザーニャ「Lasagne Végétarienne」は夏場を除いてのお店の人気メニュー。ヘルシーなラザニアともありフランス人にも大人気なのだそう。又、バスク出身の前キッチンスタッフから伝授してもらったという本場仕込みのパエリア「Paella」も本格的。常時日替わりで5-7品は用意されています。
時に中華風ピリ辛な味付けだったり、カレー風味だったり、はたまたコリアンダーが入ったオリエンタルなものであったりと正にお料理もZooのよう。
この日私が頂いたのは前菜から日替わりのサーモンのタルタル「Tartare de Saumon」。驚いたのはこれがこの値段で食べれるメニューの前菜?と思うほどのプレゼンテーション。綺麗にセルクルで抜きあげられたサーモン、フレッシュなオリーブオイルと共にちりばめられたお野菜のアクセント。色合いも鮮やかでしかも野菜を口に運べばどれも丁寧にカットされ、きちんと仕込まれた味わいをきっちりと感じられる。添えられたロケットの葉にシトロン・ヴェール。食べていて思わずHarumiさんの顔が浮かびます。
ボリュームもある前菜に続き出てきたメインは鯛のソテー・お野菜のグラチネ・サフランライス添え「Dorade sauce Vierge」皮目はパリっとしていて脂ののった白身は期待を裏切らないふんわりしっとり。優しくかけられたお野菜とオリーブオイルに酸味がプラスされた爽やかなソース。スパイスアクセントもあってとっても美味しい。そして付添えのグラチネ。細長く交互に並べられた野菜達。その食感は食べやすく味が全体に馴染んでいてとても上品。どれも一からご自分で仕込まれ別々に用意されているのだそう。思わず「これも手作りですか!?」と聞いてしまいました。
街中のカフェではフリット!サラダ!じゃがいものピュレ!などといったシンプルな付添えが多い中、なんと手の込んだ。。。と驚きを感じた私。目立たないところほど気を抜きたくないからと素材選びも妥協せずご自分の目で見極め選ばれるのだそう。
そしてサフランライスもパプリカとタマネギのみじん切りが混ぜ込まれており、これまたひと手間ありの美味しさ引き立つ一品。どれも一つづつがきちんと料理を確立している。「やっぱり自分が食べたいと思うもの、食べて美味しいと思うものを食べてもらいたいじゃない?」とHarumiさん。その笑顔はプロのまなざし。優しい微笑みの背筋がピンとするような彼女の強いエスプリを感じました。
そして気になるデセール。ティラミス「Tiramisu」や温かいガトーショコラ「Mi-Cuit Chocolat 」は単品7ユーロでも注文可能な人気商品。ガトーショコラはオーダーが入ってから準備される為お時間も少々いただきますが出来たての美味しさが味わえます。それも拘り。タルト・メゾンは洋梨、リンゴ、シトロンなど日替わりのお楽しみ(単品6.5ユーロ)。常時5-6種は用意されているデセールメニュー。冬場にはクレープなんかもあり、何とオーダーが入ってから生地を焼き始めるという素晴らしさ。「作り置きはしないんですか!?」とまたまた思わず聞いてしまう私に「はじめからたくさん用意しないで、なくなったら終わり、そう言う気まぐれさも楽しいでしょ?」と笑顔。
美味しさの極限をキープしたい、と彼女。どれだけ忙しくてもコツコツと頑張ればできる!と持ち前の明るさで笑い飛ばします。そんなこの日のデセールはエモーション・エキゾチック「Emotion Exotiqueバナナのパンナコッタ・エキゾチックフルーツのクーリとフレッシュフルーツ添え(単品7.5ユーロ)」。優しく滑らかな口当たりでちょうどよい柔らかさ加減。酸味のきいたソースと絡まり絶妙。添えられたフルーツは苺、キウィ、メロンなど盛り沢山。どれもフレッシュです。しかも驚いたのはこれまたオーダーが入ってからカットして飾るのだそう。この手間!忙しいキッチンの中でここまで追及してやってのけるその拘りは愛を感じますね。「デザートも仕上げてしまっておいておけばいいのだろうけど、フルーツも乾燥してしまうし、美味しさが落ちてしまうしね」。ごもっとも。どうりでみずみずしいはずです。
そして他にもダントツ人気メニューがあるのです。Harumiさん特製えびギョウザ!「Gioza(8.5ユーロ/5個)」すぐに売り切れてしまうほど。常連さんにも「今日はある?」と聞かれるぐらいなのだそうです。まずギョウザを前菜に、そしてメインにも又2皿とギョウザづくしで食べられる方もいるのだとか。通常は夜メニューですが、声をかけていただければお昼で食べさせてもらえるそう。又夜のメニューはフランスらしい「Côte de Boeuf (46ユーロ/2人前~)」もある他、ごま油とトウガラシのきいた甘めのソースが食欲をそそる「Gambas au SAKE (17.5ユーロ)」ものもあります。
夜は貸し切りパーティやバースデーなど、又お子様メニューでの団体様も要予約で可能。様々なニーズに応じて相談しながらコーディネイトして下さいます。心のこもった優しい味がお客さんの心に響き、一つ又一つと定番人気メニューになっていく。
全てにおいて細やかな心遣いが配られたHarumiさんのお料理。そしてZooの空間。スタッフの方々もとても親切でアットホーム。人柄からそして料理からにじみ出る優しさと誠実さの味。普段着のままで気軽に訪れたいパリのランチタイム。
「是非ともHarumiさんのお写真を!」とお願いしましたが、ご遠慮なさってOKがでませんでした。ので、皆さん是非直接Harumiさんに会いに行って下さい。優しい笑顔と共にとっておきのお料理で迎えてくれるはずです。15区にお越しの際は是非。
昼間は店頭のネオンは消えているので少しわかりにくいかもしれません。
Zoo【ゾー】
12 rue de l’Amiral Roussin 75015 Paris
Tel : 01 42 73 66 66
営業時間 12:00~15:00 / 20:00~23:00 (~1:30まではBarタイム)
定休日 : 土曜昼・日曜(夏期休暇8月14日〜28日)
メトロ : 10番線Emile-Zola
by junko on 2008-08-01 [普段着のレストラン]
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カフェ&バーなのに、料理がとても丁寧に作られてて、それでいて温かみがある。
グループで予約して行ったのですが、HARUMIさんが厨房から出てきてくださって、
メニューをひとつひとつ説明。どれも食べたくて、みんなでお裾分けしあいました(笑)
19.5ユーロのムニュを注文しましたが、量的にも大満足!
「行きつけの隠れ家」的存在にしたいお店となりました。
コメント by ゆず - 2008-11-05 @ 4:38 pm
*ゆずさん
遅くなりましたが、コメントありがとうございます。
早速に行っていただき、とても嬉しく思っております。
HARUMIさんもとっても素敵な方でご本人からも、そしてお料理からもお人柄がにじみ出ていらっしゃいますよね。
そう、「行きつけの隠れ家」的存在!
是非、また訪れてみてくださいね。
コメント by junko - 2008-11-19 @ 8:53 am