塩田職人さんと学ぶ「ゲランドの塩」 Terre de sel
パリから電車で約3時間。ラ・ボール(La Baule)という海岸の美しい町に降り立ちます。ここの町もとても美しく魅力的なんですが、そこから車で走る事約20分。今や日本でもお馴染みの「ゲランドの塩」の産地で有名な、ブルターニュ地方は南西部のゲランド(Guerande)の町に到着。ここではその塩そのものが収穫されるべく、塩田(マレ・サラン marais salants)が広がる地域。今回私が訪れたのはゲランド市のプラデル地区(Pradel)という所。中心地・ゲランドはレストランやお土産店が並ぶ可愛い町並みなんですが、そこから2.5km離れた位置にこの塩田地帯・プラデルがあります。そのすぐ側に塩田を見学させてくれる「テール・ドゥ・セル Terre de Sel」があります。
黒くて細長い建物に大きな文字で「Terre de Sel」。その周りを塩田が取り囲んでいます。テール・ドゥ・セルでは塩田は勿論、館内の小さな博物館も見学できます。塩の歴史や収穫方法、季節によって移り変わる塩田の風景、実際使われている器具などが展示されており、奥にはちょっとしたスクリーン上映で塩が収穫されるまでの行程を見る事ができます。入口にはお土産売場になっており、可愛らしいグッズやゲランドの塩を使ったキャラメルやクッキーを始め、塩入れなどの小物も豊富。
さて、事前に予約をし、いざ見学へ。今回私が参加したのは「De la saline à la salorge (塩田から倉庫まで)」という45分のコース。時間になると入口付近で待機していたその日の見学客(この日は私達を含め8名)が集められ名前を確認。案内してくれるのは、パリュディエ(Paludier)と呼ばれる塩田職人の男性。館内前を出発し、塩田の前でまず紙に書かれた塩田図で説明。度々私達に質問を投げかけ、まるで課外授業のよう。みんなが一体となってゲランドの塩を理解しようとする雰囲気はとてもアットホームでした。
大西洋の河口である土地、ミネラルを多く含む土壌ならではの特質を活かし、海の満潮を利用して取り込んだ海塩水をまず貯め込み、そこから迷路の様に小さく区画された塩田を太陽と風の力でゆっくり流れていくことで海水中の濃度が高まり、最終的に区画中央部に細かく仕切られた貯め地に最も濃い塩水が溜まります。更に太陽の光にさらされた塩水は次第に結晶化し水面に塩の膜が最初に姿をあらわします。これが、フルール・ド・セル(Fleur de Sel)。その色は真っ白でとても繊細な粒。対して、その底に現われるのがもっと目の粗いグロ・セル(粗塩 Gros Sel)。こちらはほんのりくすみを帯びています。灰色がかったその粒はミネラルの証そのもの。そっと水をかき除けながら職人さんが熟練の技でかき集め、毎日少しずつ一定の場所に集めるのだそうです。フルール・ド・セルはグロ・セルが1トン収穫されるのに対し、わずか40kgしか獲れないのだとか。なるほどフルール・ド・セルがお高いのも納得ですね。
ゲランドで良い塩を獲る為には、太陽、風、土、ミネラルなど、自然の力が大きく関わるのだそうです。自然が作り出したその塩は、食べても丸みある甘さが感じられる塩分。自然の味です。
夏に結晶化し始め収穫が始まり、秋頃にはトラックに何台分もの塩がこの塩田に見られるそうです。見学に来たこの日は季節も春先とあり、塩はまだ結晶化されておらず、塩田にかき集められた塩そのものは見る事ができず残念でしたが、その後、建物後方にある倉庫へ回り、大きなシャッター倉庫の向こうには・・・何と各年毎にとれた塩の山!!年によって色も微妙に違うのにビックリ。こちらの倉庫へはキチンと網ネット帽を被って入室します。ここでは収穫された塩を自然乾燥させている場所。あまりの量に驚き、正にここから私達の食卓に上るゲランドの塩が送られているんだ!と実感しました。
倉庫を後に、今度は館内に戻り、博物館に展示された塩田職人さんが塩をかき集める際使う、取り扱い器具などの軽い説明があり、ここで終了。最後はゲランドの塩で作られた塩バターキャラメル(Caramel Beurre-Salé)を頂き早速みんな食べながら、その後も館内の博物館をゆっくり見学。
フランスに来てゲランドの塩を普通に使っていましたが、改めて、職人さんの手による日々の作業の偉大さを知り、又一粒が収穫されるまでの長い時間の重要性を感じ、もっと大切に使わなければいけないな、と思いました。今や料理ばかりではなく、デザートにも使われるようになったゲランドの塩。昔と変わらぬ方法で収穫された宝石のような粒は、私達の食卓を豊かにしてくれる自然の恵み。機会があれば是非ゲランドまで足を伸ばしてみて下さい。
ラ・ボール(La Baule)迄の行き方
パリ・モンパルナス駅からフランス国鉄(SNCF)で約3時間、ラ・ボール・エスクブラック(La Baule Escoublac)駅下車。
Terre de Sel【テール・ドゥ・セル】
Route des marais salants Pradel 44350 Guerande
http://www.terredesel.fr
http://www.seldeguerande.com
Tel : 02 40 62 08 80
営業時間 :
1 - 3月 : 10:00 – 12:30 / 14:00 – 17:00
4 - 5月 : 10:00 – 12:30 / 14:00 – 18:00
6月 : 10:00 – 18:00
7 - 8月 : 9:30 – 20:00
9月 : 10:00 – 18:00
10 - 12月 : 10:00 – 12:30 / 14:00 – 17:00
休日 : 無休
≪行き方≫
ラ・ボール・エスクブラック駅からタクシーで約20分。駅からはバスも出ているようですが、タクシーを予約し、帰りも予定時間を告げておき、同じタクシーの方に戻って来てもらえるように頼んでおいた方が確実です。現地では流しのタクシーは拾えませんのでご注意下さい。
≪見学コース≫
10:30 - 11:15 : De la saline à la salorge (塩田から倉庫まで・45分)
11:30 - 12:15 : Aperçu salé (塩の概要・45分)
上記2コースは、大人6ユーロ、子供4ユーロ
15:00 - 16:30 : Sel et Nature (塩と自然・90分)又は Profession Paludier (塩田職人という仕事・90分)
大人7.5ユーロ、子供5ユーロ
*毎日開催・要予約です。
*見学の開始時間は変更の可能性がありますので、ご予約の前に上記ウェブサイトでご確認ください。
by junko on 2007-05-29 [バカンスへ行こう]
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