前回お伝えしましたセーヌ川を挟んでパリを一望できるグランドテラスが広がるサン・ジェル・マン・アン・レー庭園のお散歩道。その側に佇む由緒あるホテルレストラン、パヴィヨン・アンリ・キャトル(Pavillon Henri Ⅳ)からの続きをご紹介致しましょう。
このホテルはアンリ4世によって再建築され、又ルイ13世の住居でもあった建物。そしてルイ14世が生まれた部屋が残されていることで有名でもありましたが、もう一つ、後の歴史に名を残すこととなる、ある1人の料理人によって大きく飛躍することになるというお話から。その料理人の名前はコリネ(Collinet)。料理人の方ならばきっとご存知のお方でしょう。
時は1837年8月24日。サン・ジェルマン・アン・レー~パリ間開通の鉄道開会式に腕を振るう事になったシェフ・コリネ(Collinet)。この時彼が偶然にも考案することとなったルセットこそが今やフランス料理に於いて、クラッシックな付け合わせと称されるポム・スフレ(Pommes Soufflées)なのです。ジャガイモを薄くスライスし、2度揚げすることでジャガイモがぷっくりと膨らむもの。当時開会式に合わせ料理を用意していたコリネは、当初予定していたジャガイモの付け合わせを油で揚げ始めていたのですが、到着するはずの列車が遅れてしまい、揚げかけたジャガイモをいったん引き揚げることに。その後もう一度揚げ直さなければいけなくなったのが運命の偶然。中に空気をたっぷり含み膨らんでしまったジャガイモははかないながらにもパリパリとした歯ごたえで思いのほか列席者を喜ばせるものとなりました。このことがきっかけでレストランと共にこのホテルは一躍脚光を浴びることになるのです。又、今やステック・フリットに欠かせないベアルネーズソースも実は彼の考案したもの。バターをエシャロットやエストランゴンなどと共に酸味を利かせ濃度をつけたこのソースはベアルン生まれであるアンリ4世の為に捧げられたもの。1847年に誕生以来、今でもフランス料理の中では欠かせぬソースとなっています。
その後もホテルの評判はパリ中に広がり、美食家としても有名な小説家アレクサンドル・デュマ(Alexandre Dumas 1802-1870)によって名作「三銃士」や「モンテ・クリスト伯(巌窟王)」においても書かれた程。又数々のオペレッタ楽譜を書き上げたことでも知られるオッフェンバッハ(Jacques Offenbach 1819-1880)にも取り上げられているのだそうです。
時を経、今も尚セーヌ川越しにパリを見渡せる素晴らしいレストランとしてお食事を頂くことが出来ます。勿論メニューにはポム・スフレもしっかり明記されてありますので、お時間にゆとりのある方は発祥のレストランで是非リュクスなお食事をお楽しみ下さい。お食事までとはいきませんが、ちょっとサロンで休憩なんてのはいかがでしょう?エントランスと共に広がるテラス席も魅力的ですが、正に舞踏会が催されそうな広々と突き抜けるサロンも素敵です。すぐ横がレストランとなっています。お茶だけならばこのサロンでソファにかけて。(お食事タイムの時はサロンのみのご利用は出来かねる場合もありますのでご注意下さい。)奥にはピアノもあって優雅な気分に浸れます。
先ずはゆったり腰掛けて窓越しを眺めましょう。カフェ(4,5ユーロ)とセイロンティー(6ユーロ)を頼んでちょっと一息。グランドテラスからの景色とはまた違った楽しみを味わうことができます。お値段は少々お高めですがリュクスな癒し時間込みですのであしからず。
ゆっくり体を休めたら、今度は来た方とは逆の門から外へ出てみましょう。左には小さな坂道階段が。下りればまだ尚テラスが果てしなく続いています。違った角度も眺めたら、また階段を上り静かな住宅街を散策。お城のような一軒家、赤い煉瓦の建物など、のどかな風景に小鳥のさえずりが聞こえます。数分も歩けばお城をぐるりと1周したことになる、つまりお城(博物館)の入り口に戻ってきます。美しい外堀を眺めながらスタート地点にたどり着いたら、今度はお城を背中に向けて町の中心地へぶらりウィンドーショッピングに(日曜日はお店が早めに閉まってしまうので先にこちらへ行った方がいいかもしれません)。可愛い雑貨店や紅茶屋さん、タルト専門店やカフェなどが連なっています。広場ではマルシェも開催されているので早朝の楽しみもありそうです。
Rue au Painなる「パン通り」には1822年創業、老舗パティスリー・グランディン(Pâtisserie GRANDIN)。ルレ・デセール協会員でもあるミッシェル・ポティエ(Michel Pottier)シェフのお店。パンにお惣菜、プティフールにケーキ、ショコラと何でも揃っており、美しく仕上げられています。伝統的なお菓子も見られ老舗の底力を感じます。
その先を少し歩くと又もや行列が出来ているのがフィリップ・グレイ(Philippe GOULEY)シェフのラ・ジェルブ・ドール(La Gerbe d’Or)。ノルマンディー出身のフィリップシェフが作るのは新鮮素材を厳選したパンやケーキの数々。どちらかというとグランディンに比べ家庭的な素朴なお菓子ですが、実は2007年パン・ド・カンパーニュ・コンクール金賞だったり、2008年イル・ド・フランス、タルト・オ・ポムコンクール第二位だったり、2008年イル・ド・フランス、ガレットコンクール第二位だったり。はたまたクロワッサンでも賞をお持ちなのです。クロワッサン(0.95ユーロ)はバターが満点というわけではなく、ふわりと優しく香る中に粉の香ばしさも感じるビヤン・キュイ。又、ノルマンディーご出身ならではのオリジナルのル・ノルマンド(4.5 ユーロ)はブリオッシュにリンゴを練り込み上にたっぷりメレンゲを乗せて焼いたもの。リンゴの果汁を吸いこみ、しっとりとしたブリオッシュにふんわりと甘いメレンゲ部分が相まって優しい味わいに。小腹を満たしながらアチコチ回ればあっという間に時は過ぎてしまいます。だんだん陽も長くなってきた今日この頃。歴史街道、ちょっと近場で違ったお散歩も乙なものです。
Hôtel Restaurant Pavillon Henri Ⅳ【パヴィヨン・アンリ・キャトル】
19-21 rue Thiers 78100 Saint-Germain-en-Laye
Tel : 01 39 10 15 15
Fax : 01 39 73 93 73
レストラン ムニュ 35ユーロ(前菜+メイン又はメイン+デセール)
44ユーロ(前菜+メイン+デセール)
*月~金のお昼のみ
ムニュ・シャトーヌフ 53ユーロ(前菜+メイン+フロマージュ+デセール)
*ディナーと日曜のお昼のみ
その他アラカルトメニュー有り
レストラン定休日 土曜のランチ、日曜のディナー
宿泊 Tradition 100~180ユーロ
Supérieuse 130~210ユーロ
Luxe 190~270ユーロ
Suite 390ユーロ *HPサイトをご参照下さい
http://www.pavillon-henri-4.com/
Pâtisserie GRANDIN【グランディン】
13 rue au Pain 78100 Saint-Germain-en-Laye
Tel : 01 34 51 00 56
営業時間 8:30~19:30(月-土) / 7:00~17:00(日)
定休日 月
La Gerbe d’Or【ラ・ジェルブ・ドール】
8 rue de Poissy 78100 Saint-Germain-en-Laye
Tel : 01 34 51 04 46
営業時間 7:00~20:00
定休日 月
http://www.lagerbedor78.com























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