パリの北40kmに位置するサンリス(Senlis)は、今でも、中世の姿をそのまま留める、内、外の2つの城壁に囲まれた街で、かつては、カロリング、メロヴィング朝時代のフランク王たちの滞在地でもあった。
パリ北駅より、SNCF(フランス国鉄)郊外線クレイユ(Creil)行きで、シャンティイ・グヴィユー(Chantilly-Gouvieux)まで、30分。続いて、駅の左にあるバスターミナルより、SNCFのバス、サンリス行きに乗る。バスは、1時間に1本程度しかないので、あらかじめ調べておくのが無難。
シャンティイの街中、庭園を通過し、木々の緑の中を突っ切ること、およそ30分。サンリスの、今は使用されていない可愛らしい駅舎前の広場に到着。そこから600m程、街の中心にある大聖堂の尖塔を目指して歩きましょう。観光案内所は大聖堂前にあるので、まず、無料のパンフレット(日本語版あり)をもらっておくと便利。
まずは、この街のシンボルでもあるノートル・ダム大聖堂(Cathédrale Notre-Dame)へ。この聖堂が着工されたのは、12世紀。13世紀には、高さ78mの尖塔が付け加えられた。資金不足や、天災等により、延べ4世紀もかかって完成したため、年代を追って、ゴシック様式の変化を見ることが出来る。正面(西側)入り口の「聖母の被昇天」(L’assomption de la Vierge)の浮き彫りや、旧約聖書の8聖人の彫刻、また、馬車の発着場所でもあるノートル・ダム広場(Place Notre-Dame)に面した、16世紀のフランボワイヤン様式の南側入り口の装飾は、それぞれ、教会芸術に興味のある方には一見の価値のあるもの。
内陣は、高さに比べ、非常に幅が狭く、高揚感に溢れる。右側の礼拝堂を見上げてみよう。美しい垂下要石付きヴォールトを目にすることが出来る。また、ここのステンドグラスは、この聖堂内で唯一の16世紀のもの。他の時代のものと見比べてみるのも面白い。
その正面にあるのが、12~18世紀の宮殿跡(Ancien château royal)と、その庭園。入り口すぐのドンジョン(城砦の塔)が、ここの案内所となっている。ガリア・ローマ時代の城壁に囲まれた、12世紀のこの朽ち果てた教会、台所、王の住居、カーヴ、小修道院の庭園などを目の当たりにすると、青く澄み切った空が、妙に虚しく感じられてくる。
また、大聖堂から、さほど、距離を置かないサン・ピエール広場(Place Saint-Pierre)には、11世紀建立の旧サン・ピエール教会(Ancienne église Saint-Pierre)がある。
向かって左側の小塔は、ロマネスク様式。16世紀になって、右側のルネッサンス様式の塔が付け加えられたため、全体的に、アンバランスな印象を受ける。現在は、教会としての機能は廃止され、サンリス市民の文化活動の場として使用されている。
サンリスの街自体は、それほど大きくはないので、徒歩で廻ることができる。どの通りを歩いても素晴らしく、はずれはないのだが、特に、お薦めの通りは、トレイユ通り(rue de la Treille)。この付近には、内側の城壁部分にある門、通称「にせの門」(Fausse porte)、「木組みの家」(Maison à colombage)、2つの塔を持つ邸宅「尚書院館」(Hôtel de la chancellerie)などがあり、充分に中世気分を味わえる。
また、ここサンリスには、大聖堂周辺に、4つの博物館がある。チケットは4館共通券となっており、4.20ユーロ と、とても良心的。どの博物館でも購入出来る。
まず、ノートル・ダム広場(Place Notre-Dame)に面した、美術・考古学博物館(Musée d’art et d’archéologie)。旧司教館の建物を利用している。地下には、ガリア・ローマ時代の城壁の基礎、ラファットの森で発掘された、同じくガリア時代の石像(Ex-Voto)等が展示されている。石像達の何ともとぼけた表情が最高である。なお、1階では、17~20世紀の絵画や、サンリス出身の画家、トーマス・クチュール(Thomas Couture, 1815-1879)の作品を鑑賞できる。
大聖堂右前のヴェルマンドワ博物館(Musée de l’hôtel de Vermandois)は、邸宅自体も12~16世紀の面影をそのまま留めるもの。館内には、中世時代の出土品、王朝時代の食卓用品、銀製品、それに加えて、大聖堂の彫刻や、小修道院長の身まわり品などが展示されている。オーディオガイドでは、サンリスの歴史や、生活、そして、大聖堂正面入り口のレリーフについての説明がより深くされている
後の2つは、宮殿跡の敷地内にある。
案内所内にあるのが、スパイ博物館(Musée des Spahis)。スパイとは、北アフリカ(アルジェリア)の駐屯兵の事を言い、1927~ 62年にかけて、サンリス近郊に駐屯していた彼らを偲ぶ為に開館されたもの。写真、制服、武器、勲章などが展示されている。
4つ目は、宮殿跡の奥に位置する狩猟博物館(Musée de la véneire)。ここは、かつて、小修道院長の館であった(見学はガイド付き:所要時間1時間)。その名の通り、狩猟に関する品々が展示されている。地上階から3階までは、狩猟をテーマにした数々の絵画、所狭しと飾られた(なんと天井部分まで!)鹿の角、4,5階は、狩猟用コスチューム、猟銃等が展示されている。特に、5階のコスチュームに使われたボタンのコレクションは必見。
バス停への帰途、旧サン・ヴァンサン修道院(Abbaye Saint-Vincent)にも足を運んでみるとよい。ここは、1060年、アンリ1世の妃により創設されたもので、現在は、リセ(高等学校)として使用されている。
最後に、ベルヴュの城壁(Rempart de Bellevue)より、サン・ヴァンサンを望む眺めと、美しいノネット川の流れを楽しんでみよう!
奇数年の9月最終ウィークエンドには、「9月のランデヴー」(Les rendez-vous de septembre)というお祭りが開催される。市内は、歩行者天国となり、ローマ時代の遺跡が残る幾つかの個人宅が一般公開される。
週末に、シャンティイと併せての1泊旅行も良いのでは!
Senlis【サンリス】
パリ北駅(Gare du nord)より、フランス国鉄(SNCF)郊外線Creil行きで、Chantilly-Gouvieux下車(30分)。
駅左のバスターミナルより、SNCFバスSenlis行きに乗車し、終点で下車(30分)。
チケットは、Gare du nord-Senlisまでダイレクトで購入できる。
電車・バスの時刻検索および予約はこちらで
*シャルル・ド・ゴール空港内ロワシーポール(Roissypole)からも、ノンストップでサンリスに向かうPicardie Roissyバス が出ているが、パリ出発の場合、トータルするとこちらの方が料金は高めになる(所要時間25分)。
Office de tourisme de Senlis【サンリス観光局】
Place du Parvis Notre-Dame 60300 Senlis
観光局のサイト : http://www.senlis-tourisme.fr
サンリス市のサイト : http://www.ville-senlis.fr
Tel : 03 44 53 06 40
開館 :
[3月1日~10月31日]
月曜~土曜 10:00~12:30, 14:00~18:15
日曜 10:30~13:00, 14:00~18:15
[11月1日~2月28日]
月曜~土曜 10:00~12:30, 14:00~17:00
日曜 10:30~12:30, 14:00~17:00
休館日 : 1月1日、5月1日、12月25日
Musée d’art et d’archéologie【美術・考古学博物館】
Place Notre-Dame
Tel : 03 44 32 00 83
Musée de la vénerie et Musée des spahis【狩猟博物館およびスパイ博物館】
Place du Parvis du Notre-Dame
Tel : 03 44 32 00 81
Musée de l’hôtel de Vermandois【ヴェルマンドワ博物館】
Place du Parvis Notre-Dame
Tel : 03 44 32 00 82
入場料(4館共通券) : 一般4.20ユーロ、割引2.10ユーロ、サンリス市民・芸術家・考古学者・16歳以下は無料
開館 :
月・木・金曜 10:00~12:00. 14:00~18:00
水曜 14:00~18:00
土・日・祝日 11:00~13:00, 14:00~18:00 (12月1日~1月31日は、17:00まで)
休館日 : 火曜









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