メシアンの即興が魅了した聖トリニテ Église de la Sainte-Trinité

オリヴィエ・メシアンが約60年間という長期の勤務を果たしたサン・トリニテ教会百貨店でのショッピングの合間に訪れたいのは、ギャラリー・ラファイエットの裏、ショウセ・ダンタン通りを登ったところにあるサン・トリニテ教会Église de la Sainte-Trinité。オペラ座から見える位置に、と第二帝政下、ジョルジュ・オスマンGeorges Haussmannが取り組んだパリ改造の一貫として、1861年に建築家テオドール・バリュThéodore Balluによって建造が始まった。工事には6年余りを費やしたが、豪華な装飾に比例せず、当時では非常に経済的な建築物であった。

現在、一部の修復作業が行われているファサードは、イタリアのルネッサンスとゴシック様式にインスパイヤーされた豪華な装飾が施され、鐘楼まで高さは65mもある。三位一体、つまり父と子と聖霊を表すサン・トリニテ。3つのアーケードのポーチにある3つの水盤を持つ3つの噴水を装飾する信、望、愛の3つの対神徳を表す彫像に、トリニテのシンボルともなる数字、『3』が反復されている。

内部に足を踏み入れた瞬間に、心が開ける、といった感情に駆られるのは、目の前に広がる広大な空間だ。表面的には見られないが、バリュは構造内部に鋳鉄や鉄を採用し、柱の数を極力押さえたのだ。これによって、柱に視界が妨げられることなく、全長90mに幅34mというヴォールト(丸天井)の広がりが見られるのだ。この建築的作用に併せて、パステル調のカラーに金のアクセントを取り入れた内装が、空間をさらに引き立てている。

バリューによって柱の数を押さえた構造のサン・トリニテ教会 オスマンの下、豪華な装飾のわりに経済的に建てられたサン・トリニテ教会

建築物と併せて、この教会で注目したいのはパイプオルガン。中心部の心廊と入口上部の楽楼とオルガン2台ある。後者の大オルガンは1869年に設置され、パリ・コミューンの際に被害を受け、全体的に修復されたものである。そして、現代音楽の話題で必ずと言っても出てくる巨匠、オリヴィエ・メシアンOlivier Messiaenが演奏したものとしても有名である。

オリヴィエ・メシアンの即興演奏をしたサン・トリニテ教会のオルガン鳥のさえずりを採譜したり、色彩をハーモニーと音色にメタファーしたことでも知られるメシアン。20世紀を代表するフランスの作曲家であり、オルガン奏者、ピアニストとしても名声がある。そして、22才の若さでサン・トリニテ教会のオルガニストに就任し、オルガンのための作曲を多く残し、彼の即興を聞こうと多くの人が教会につめかけたのだ。1992年に他界するまでの約60年間という長期の勤務を果たしたメシアンを偲んで、入口付近に彼のCDなどが陳列されている。

もう、メシアンの音色を聞くことはできないが、彼を引き継いだのはナジ・ハキムNaji Hakimだ。ハキムのサン・トリニテ教会の前には、サクレ・クール寺院でオルガニストとして努めた、注目のオルガン奏者であるとともに、作曲家、即興家である。

また、毎週木曜日のお昼には無料のコンサートが催されている。オルガン演奏はもちろん、ギターやコーラス等、企画は多様なので、サイトのプログラムを要チェックだ。サンドイッチやコーヒーのサービスもあり、オフィス街からリフレッシュなお昼休みに詰めかけるサラリーマンや観光客でにぎわう。

Église de la Sainte-Trinité【サン・トリニテ教会】
3, rue Trinite 75009 Paris
メトロ : 12番線Trinite-d’Estienne d’Orves
開会時間 : 7:15〜20:00、土9:00〜20:30、日8:30〜20:30
ミサ : 7:30〜、12:10〜、19:00〜、土12:10〜、19:00〜、日9:00〜
木曜のコンサート : 12:45〜13:30
http://www.latriniteparis.com/

by aki on 2007-11-09 [観光名所]
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