賢く生きる二人の女性の物語 Sage Femme

一人の中年女性を通して、女性の生き方を考えさせられる映画「サージュ・ファムSage Femme」。サージュ・ファムとは助産師のことだ。

パリ郊外、モント=ラ=ジョリーに住むクレールは、地域の病院にベテラン助産師として、長年勤めてきた。しかし、近々、産婦人科が閉められることになり、この先のことを考えなくてはならなくなった。
夜勤明けから帰宅すると、ベアトリスから留守電にメッセージが残されていた。ベアトリスは、父の元恋人だ。もう何十年も会っていない。自由奔放に生きていたベアトリスは、現在、脳に腫瘍を患っているという。大事な父を捨てた彼女のことは許せなかった。父はその後、自殺してしまったのだ。
子供のいないベアトリスは、クレールのことを我が娘のように思っているという。だから、自分の財産を自分が死んだ後に全部渡したいと言い出した。憎んでいる相手からのそんな恩恵は受けたくないし、そんなに生活に困っていないと言い強く拒否するクレールだが…。

Sageとは賢いという意味もある。クレールは社会的にも安定した助産師、人間がこの世に生れ出る助けをする天職についている。そして、女手ひとつで、一人息子シモンを育て上げてきた。とても正しい人生を送っている常識人だ。その反対の人生を送る、酒とタバコ、賭け事が楽しみの不良老女ベアトリスなのだが、やりたい事をやり、食べたいものを食べ、人生を謳歌している彼女と、その反対に人生に対抗しているように見えるクレール。食べるものも今流行りの健康的で質素な食事だ。そんな肩に力が入ったクレールの肩の力を抜いてくれるように、彼女の全てを受け入れようとする男ポールの出現。
彼は自由な心を持っている。いろんな直面での対応を見ていると、Sage-Femmeの心を支えるSage-homme(賢い男性)なのではないかと思えてくる。
また、人生の最初に関わる助産師が、義理の母の人生の最期に関わるという話になっているのも興味深い。実力派俳優、三つ巴の演技でさらに心にしみる作品になった。

Sage Femme 【サージュ・ファム】
2017年 フランス作品 117分
監督 :マルタン・プロヴォスト Martin Provost
出演 :カトリーヌ・フロ Catherine Frot、カトリーヌ・ドヌーヴ Catherine Deneuve、オリヴィエ・グルメ Olivier Gourmetほか

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