高層住宅のはざまのプチ田舎 Rue de Mouzaïa

高層住宅のはざまのプチ田舎 Rue de Mouzaïa

19区というと、どうも味気のないコンクリートの四角い集合住宅が建ち並ぶ風景を想像してしまいがちだが、そんな中にひっそりと、まるで時が止まったかのような、田舎風の一軒家が集まる一角がある。ちょうどビュット・ショーモン公園ビュット・デュ・シャポー・ルージュ公園の間くらいに位置する、ムーザイア通りRue de Mouzaïa界隈である。この通りには、何本もヴィラVillaと呼ばれる狭い小路が並んでいる。そこに思い切って足を踏み入れれば、果たしてここはパリですか?といった感じの、静かな空間が待っているのだ。
あまりにも可愛らしい小路ばかりなので、つい、どんどん奥へ奥へと進みたくなってしまう。しかしすべて個人宅なので、泥棒と間違えられない程度にほどほどにしておこう。

高層住宅のはざまのプチ田舎 Rue de Mouzaïa

もともと19区は、1860年にパリ市に併合されるまで、郊外の町ラ・ヴィレットLa VilletteおよびベルヴィルBellevilleの北半分であった(ちなみにベルヴィルの南半分は、シャロンヌCharonneとあわせて20区になった)。要は、正真正銘の片田舎だったのである。現在ビュット・ショーモン公園がある場所は、1867年までは採石場であったくらいなのだから。この採石場の名前、Carrière d’Amériqueの名残で、今でもこの地域には『アメリック』という行政区分上の名前が残っている。
ムーザイア通りができたのは1879年のこと。ヴィラはそれを追うように、主に1880年代に順次生まれたようだ。ヴィラ・デュ・プログレVilla du Progrès(発展小路)、Villa de la Renaissance(再生小路)などといったネーミングからは、新しい地区としてスタートする気概を感じることができる。

高層住宅のはざまのプチ田舎 Rue de Mouzaïa

第二次世界大戦中のドイツ軍の空襲で、この界隈は半壊状態になってしまう。戦後、人口の爆発的な増加に伴ってあたりが高層住宅に姿を変えてゆく中で、しぶとくも一軒家造りを守り続けたのは、まことにご立派としか言いようがない。のんびりと平和な空気が流れるこの通りでは、住民たちもなんだか誇らしそうだ。
また、ムーザイア通りの北に位置するジェネラル・ブリュネ通りRue du Général Brunet沿いや、メトロのダニューブ駅のあるラン・エ・ダニューブ広場Place de Rhin et Danube界隈にも、田舎風の建物が点在する。
ビュット・ショーモン公園でワイルドな自然と触れあった後は、ちょっとパリの田舎探しに寄り道してみては!

高層住宅のはざまのプチ田舎 Rue de Mouzaïa 高層住宅のはざまのプチ田舎 Rue de Mouzaïa

Rue de Mouzaïa【ムーザイア通り】
メトロ : 7bis線 Botzaris, Pré-Saint-Gervais, Danube(2007年12月18日まで閉鎖中)

by mayu on 2007-11-28 [お散歩]
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