アラン・デュカスのプロデュースで海の幸を RECH
ポンスレーのマルシェが賑わう17区はTerne広場の少し先、青いテントの上に大きなロゴ『RECH』。
ここは1925年にオーギュスト・レッシュ氏が創業した、かつて魚介専門レストランであったお店。当時、店頭では新鮮な魚や牡蠣等がびっしり並べられ、その場で購入可能でもあったレストラン。そんな歴史の詰まったこのお店を三ツ星シェフ・アラン・デュカス氏が今年3月にプロデュース、魚専門レストランとしてリニューアル。当時のままの店名、そして当時のままの意向を尊重し、そのままの良さを最大限に継続する心はデュカス氏のモットー。アールデコ調に仕上げられた店内1F。全て丸テーブルでゆったりと配置されたフロアは照明もトーンを少しおとし、コックリした雰囲気の中にカジュアルさも。鏡張りの壁には向い側の丁度品が目に入りレトロなムードも味わえます。創業当時の写真が飾られているのもこの1F。
ステンドグラスをあしらった階段を上ると、奥へ向かうその途中に綺麗なオープンキッチンが。活気溢れる姿が眺められる内装もリニューアルのポイントなのだとか。その奥、2F席は日差しが降り注ぐゴージャスなフロア。高級感溢れるテーブルセッティングはデュカス氏プロデュースならでは。魚介専門である事を感じられる魚の絵画があちこちに飾られ、又鏡には魚のモチーフ装飾が。とても素敵な雰囲気です。
彼の厚い信頼を受け送りこまれたのがシェフ、バティスト・プピオン(Baptiste PEUPION)氏。実は彼とは古い親友でもあり、彼の更なる飛躍をお祝いに、そして魅力満点のご馳走を頂きに行って来ました。
彼はモナコの『ル・ルイ・キャーンズ Le Louis XV』にて活躍後、パリの『オー・リヨネ Aux Lyonnais』、『ブノワ Benoît』などで腕を振い、今回ここRECHのシェフに就任。その間にもニューヨークやオーストラリアなど各地で経験を積み、常に最先端と刺激を追い求める日々なのだとか。いつも陽気でバイタリティ溢れるバティストシェフ。でもその中に冷静さと料理に対する深い情熱を感じる穏やかな目を持つ彼。
さて、気になるお料理。今回は全てシェフのお勧めを頂きました。
タップリサーブされるパンはバゲットに加え、魚に合うべくコンプレや、海草パン。バターは海をイメージしたサンゴ石のお皿で。フォークレストは地中海をイメージし、石!というのもちょっとしたサービス。
まずはアミューズ。『鯖のリエット Rillettes de maquereau』。海藻類が閉じ込められたリエットは鯖の脂が絶妙にねっとりしていて、イクラとワカメの和え物が。ほんのりごま油が感じられども全く「和」を感じさせない「洋」な一品。こんがり焼かれたフィセルパンと共にぐんぐん進んでしまいます。
そして前菜には『鰯のマリネ・シトロンコンフィとトマト風味。フィセルパン添え Sardines crues en filets marines aux citrons confits et tomates, ficelle toastée (14ユーロ)』。レモンの酸味が爽やかな鰯は肉厚でトマトの甘味がほんのり。上質なオリーブオイルにタップリ絡め頂く脂ののった鰯はキリッと冷えたシャンパン『LAURENT PERRIER-Ultra Brut (19ユーロ/グラス)』と相性抜群。 続いて何とタコのカルパッチョ!『PULPE en Carpaccio, ’’Pesto alla Genovese’’ (16ユーロ)』。薄く薄くスライスされたタコはとても柔らかく、ジェノヴェーゼソースにパルメザンチーズでタコの概念を覆す美味しさ。
そしてラングスティーヌの一皿。『Langoustines cuites à la vapeur, vinaigrette d’agrumes (26ユーロ)』。絶妙な火の入れ具合がラングスティーヌの甘さを引出し、ほんのり酸味をおびた海草ソースが余韻を残します。専用のフォークとハサミで足先の身までしっかり堪能。
そしてメインは『まとう鯛の片側焼き・ロケット菜のポワレとトマトコンフィ添え ST-PIERRE cuit à l’unilatérale, roquette poêlée, tomates confites (32ユーロ)』。皮がカリカリに焼かれた身はふわふわで、じゅわっと染み出るエキスが口に広がります。食感を感じるポワレしたロケット菜の風味とトマトの甘味が白身のまとう鯛に非常に良く合います。お魚を満喫している!と感じる一皿。
そしてフローマージュも頂きました。アラン・デュカス氏により厳選されたというカマンベール『Le fameux CAMEMBERT de Rech (8ユーロ)』。この一種のみ。ここにも拘りが伺えます。『とびきり美味しいRECHのカマンベール』と名を残すそのカマンベールは、4-6ヶ月熟成。柔らかさが絶妙で且つぎりぎりの塩みを帯びて非常に美味でした。切口はとても黄色く濃厚な風味。食べる価値ありです。
そしてお楽しみのデザート。まずはシンプルに苺のデザート『FRAISES GARIGUETTE (12ユーロ)』。上質なガリゲット種の苺とフランボワーズをお好みのソースをチョイスして頂く、素材を味わう一品。シェフお勧めはクリーム添え。『Crème peu fouette』。ヴァニラが利いたメレンゲの入った特製濃厚クリームをぽってりつけて食べると、苺とフランボワーズの美味しさが倍増。これこそ素材の旨みを最大限に引き出したデザート。他にもヴァニラアイス、お砂糖、苺ソースなどを選ぶ事ができます。
季節のブランマンジェ 『BLANC-MANGER fruits saison et sirops de fruits, glace saison (12ユーロ)』は喉越しのいいフルフルのブランマンジェ。ハーブの香りがほんのりアクセントになった今日のブランマンジェは桃。付添えのフレッシュ・アブリコのソルベを落して食べれば又格別なお味。
そしてこの店お勧めのスペシャルは、パン・ペルデュ(フレンチ・トースト)。『PAIN PERDU de Pastis d’Amelie, glace caramel au beurre salé (12ユーロ)』。風味豊かなアメリーのパスティスでフランベされたパン・ペルデュは、外はカリッ、中はふわふわ。そのままで十分美味しいけれど、付添えの塩バターキャラメルアイスをつけて食べれば言う事なしの美味しさ!問題なくペロリと平らげてしまいました。
若き頃よりデュカス氏の下で過ごして来た日々、彼のエスプリも技量も氏ならでは。素材の持ち味をシンプルに活かしながらもその中に驚きと時代の新化を表現。そして全てが一体化し美味しくある事。余計なものが入っていない、素材そのものの美味しさの安心感。すべてのお皿に感じられました。
お料理に対し、それぞれに合うワインを料理毎に飲んでもらいたい、と全てグラスで頼めるワインリストも拘りの一つ。又シャンパンの『PAUL DROUET (13ユーロ/グラス)』はデュカス氏の特別Cuvée。是非お験しあれ。ワインにはグラスの他に375mlのカラフサイズでオーダー可能なものもあります。
尚、お肉料理も1品のみですがあります、お肉が食べたい方もご安心を。
今日はお魚、と思われたならば是非々お勧めのレストラン。季節には牡蠣やフリュイドメールも頂けます。店頭を守るエカイエさん(牡蠣職人)が温かく迎えてくれるRECH。バチストシェフによるデュカスワールド、是非足を運んでみて下さいね。
RECH【レッシュ】
62 Avenue des Ternes 75017 Paris
Tel : 01 45 72 29 47
fax : 01 45 72 41 60
メトロ : 2番線 Ternes
営業 : 12:00 – 14:00 / 18:30 – 22:00
定休日 :日・月
コース :
昼(前菜、メイン、デザート) 34ユーロ
夜(前菜、メイン、フロマージュ、デザート) 53ユーロ
http://www.rech.fr
by junko on 2007-09-05 [余所行きのレストラン]
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