フランス全土の修道院から集まった逸品 Produits des Monastères
趣ある石畳の階段を上った小さな一角に静かに営まれている修道女達のブティック。以前ご紹介したサン・ジェルヴェ教会の裏入口の真向いに位置し、この教会の修道女(スール)達が働いています。スール達には1日に4時間のミ・タン(mi-temps)という労働が与えられておりこのブティックの仕事もその一つ。担当はスール・セリオ・アンナ。こちらではフランス各地の修道院でスールや修道士(フレール)達が作ったお菓子や食品が販売されており、店内は歴史で一杯。
広大な土地を持つ田舎の修道院ではお菓子を作る工房が隣接されていますが、残念ながらここパリでは工房を構える程の土地がなく製造はしておられませんが、フランスの中心都市なので、様々な人が足を運びやすい事から1990年にブティックとしてオープンし、各地のものを販売するようになさったのだそうです。古くから伝わるレシピのままに再現され作り継がれるそれらは、修道院によって味も全く違います。例えば酪農が盛んなノルマンディーの修道院のサブレ(4.95ユーロ~)は可愛い扇型で、マグダラ(Magdala)の文字にサブレを持った少女がデザインされた可愛い袋に入っています。パリンと歯ごたえのあるビスケットとサブレの中間のような食感。噛めばシャクシャクと崩れ、芳香なバターとバニラの香りが。とても懐かしいバターミルクのような味わいと言えば解かりやすいでしょうか。ベネディクト修道会のサブレ(Biscuits des Bénédictines)と標されたこのサブレはルーアン(ROUEN)の修道院から届いたもの。他にも丸型のプレーンやレーズン入りなどがあります。
対照的にブルターニュのカンペネアック村(Campeneac)にあるラ・ジョワ・ノートルダム修道院(Abbaye La Joie Notre-Dame)のガレット『Galettes Sablées(4.4ユーロ)』は現地ならではのバターと塩がしっかり効いたもの。噛むとバターがジュワッとにじみサクサク・ソリソリとした食感。ほんのりしょっぱいけれど噛み締めていくうちにバターの甘味が混じり合ってこれぞ塩バターの元祖!ずっと昔からこのような配合があったんだと改めて思わされます。ずっしり重みのある分厚い波丸型にブルターニュの象徴アーミン(白テン)のマークと修道院名が入っていてお土産にも最適。この修道院からは他にもオレンジ風味のサブレ『Croque-Thé à l’orange』やバタータップリのガトー・ブルトン『Gâteau Breton』やパウンドケーキ『Quatre-Quart』、アーモンドやナッツを散りばめたチョコレートなどと種類も豊富。
同じくブルターニュはケルゴナン(KERGONAN)のサン・ミッシェル修道院(Abbaye St-Michel)からは当時ベネディクト修道会の修道院長にもなり医学にも長けたと言われるヒルデガルト修道女(St-Hildegarde 1098-1179)の12世紀当時のままのレシピに従って作られたビスケット『Biscuits Epeau-Calm(3.55ユーロ)』が。これはお菓子ではなく完全栄養食品とおっしゃいます。ミネラル、炭水化物、ビタミン、繊維質を多く含む穀物にシナモン・クローヴ・ナツメグを配合し焼上げられたこのビスケット、スパイシーで味に少し癖がありますが消化促進、整腸を促し神経を鎮めると共に脳の活性化に素晴らしい効果を与えるのだそうです。ストレスや疲れにも効果があり正に穏やかな体を作り、人間の生命力の糧となる栄養。昔の人もこれを食べて栄養を補助していたのだ、と思うと味わいも一層深くなります。又、この修道院からは他にも体に良いリンゴ酢『Vinaigre de Cidre』なども陳列されていました。
店内奥には各地のコンフィチュールやハチミツ瓶がギッシリ。プロヴァンス地方のサン・マドレーヌ修道院(Abbaye Ste-Madelaine)からはヌガーやハチミツのパート・ダマンド、ロワール地方のフルーリー修道院(Abbaye de Fleury)からはハチミツキャンディ、など店内は一杯です。面白いものではハチミツ・プロポリス入りの柔らかゼリーのようなもの、『Pates d’or Miel-Propolis(5.3ユーロ)』はちょっと珍しくて目にとまりました。お味はかなり癖があり独特で好き嫌いがあるかと思いますが、栄養分タップリですよ。
こちらのブティックは主に食品に関するものを取り扱っておられますが、ちょっとした植物アロマや薬品もあります。木筒のエリキシル・ヴェジェタル『ELIXIR Végétal de la Grande-Chartreuse』は正に胃薬。シャルトル会大修道院で作られており、食べすぎや胃もたれに効くという薬草エキス。スッと鼻を通る薬草の香りにほんのり甘いエキスですがアルコールが入っているので大人向けです。お水に溶かして飲んだり、角砂糖に数滴しみこませたりして食べるそうです。食後酒としても良いそうです。
又、知る人ぞ知る、エメラルド水『L’Eau d’Emeraude(6.8ユーロ/50ml, 14.32ユーロ/50ml, 27.9ユーロ/500ml』。これは、ロワール地方はブージィ・ラ・フォレ(BOUZY-LA-FORET)にあるノートルダム・デュ・カルヴェール修道院(Monastère Notre-Dame du Calvaire)にて、17世紀から伝わる自然製法で蒸留されている薬草エッセンス。その昔、セヴィーニェという女性が馬車の事故で足を負傷した際、そのエメラルドの水を足に塗ると不思議な事にあっという間に治ってしまったという話が発端のようです。彼女はその水の効能を称賛し娘宛に2通の手紙をも残しているのだとか。
そのエメラルドの秘密は、セージ、ローズマリー、ペパーミント。医薬としても効果を発揮する成分を蒸留したそのエッセンスは綺麗なエメラルド水となって小瓶に詰められています。打撲の鎮痛、かすり傷や引っかき傷、にきびや虫さされに、又筋肉を和らげる効果もあり、マッサージ代りにも。お湯に薄めてうがい薬にもなれば、口腔消毒にもなるのだとか。不思議なエメラルド水はずっとずっと昔から存在する自然のお薬。ここに来れば、何百年も前の生活をふと感じる事ができるでしょう。
全ての物が食べられるものから作られ、そして健康を願うものばかり。時代を超えて残され続けるレシピ、ヨーロッパの歴史は修道院にあり、といっても過言ではありませんね。
隣の書籍店ではエルサレム、キリスト音楽や教会ミサのCDや本が、表通りのブティックではスール達も使用しているサンダルなどの小物も揃えられています。是非覗いて見て下さい。
Produits des Monastères【プロデュイ・デ・モナステール】
10 rue de Barres 75004 Paris
Tel : 01 48 04 39 05
fax : 08 74 55 66 85
メトロ : 1番線 St-Paul
営業 :
火-土 10:00 – 12:00 / 14:30 – 18:30
日 12:15 – 13:00
定休日 : 月曜と日曜の午後
Librairie Sources Vivre de Jérusalem【隣の書籍店】
住所、Tel・faxは上記と同じ
営業 :
火-金 9:30 – 12:00 / 14:00 – 20:00
土 10:00 – 12:00 / 14:00 – 20:00
日 10:00 – 10:45 / 12:15 – 13:00
定休日 : 月曜と日曜の午後
Monastica【表通りのブティック】
11 rue du Pont Louis-Phillipe 75004
Tel : tel 01 48 87 85 13
営業 :
火-金 10:00 – 18:00
土 13:30 – 18:30
定休日 : 日・月
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