文明と自然を融合したブルジョワな公園 Parc Monceau
在仏日本大使館からほど遠くないところに見えるのは、気になる金で装飾されたきらびやかな門。画家、クロード・モネも描いた18世紀に造られた情緒溢れる公園、モンソー公園Parc Monceauの門だ。
シャルトル公(後のオルレアン公)によって、彼の結婚式の翌日、1769年に買収されたこの土地。享楽と宴の場として画家、演劇作家、そして造園家であるカルモンテルCarmontelleに託された。
彼が造り出した庭園は時代を超えて異国情緒溢れるファンタジックな17空間。オランダの風車、オベリスク、エジプトのピラミッド…。今日、いい感じに風化したコリント式オーダーに囲まれた池は古代ローマー時代の模擬海戦場、ナウマキアだ。
1783年にはスコットランド人、トーマス・ブレイキThomas Blaikieの下、英国庭園へと大改造が行われ種類豊富な植物が植えられた。ねじれた枝を持つカエデの一種、シカモアは1853年の年輪を数えるもの、太さが4,18mもあり、周囲で言えば7mもあるプラタナスも。豊かな緑に誘われて、多くの鳥類も生存し、さえずりにも耳をかたむけたい。

1785年には入市税の徴収するためにパリを囲む壁が建設され、さらに区画が整備された。クルセル通りの入口にある、入市監視台として使われた新古代様式のロトンドは、シャルトルのパビオンと呼ばれ、シャルトル公が2階から庭園のパノラマを楽しんだ場所。
1793年に庭園は他のオルレアン公の財産同様、国有化し、1860年にパリ市によって買い取られ、うち半分は分譲される。これによって、情緒溢れる庭園に魅了されたブルジョワが集まり、庭園に面して庭を有する邸宅が建ち並ぶことになる。フランスの装飾芸術が見られるニシム・ド・カモンド美術館Le musée Nissim de Camondo、アジアの豊富なコレクションを持つセルニュシ美術館Musée Cernuschiもこれらの新興邸宅のひとつだ。
第二帝政下のパリ改造により、ブルーニュの森やビュット・ショーモン公園が生まれ、パリの庭園の改革を迎える中、モンソー公園は18世紀の庭園を改造した唯一の歴史ある公園となる。
アドルフ・アルファンドAdolphe Alphandの指揮下、8,4ヘクタールに渡る庭園が公園として整備され、1861年に開園する。ガブリエル・ダヴィウドGabriel Davioudによる豪華な入場門が設置され、公園は金箔が施された柵で囲まれるという、公園としてはリッチな趣。
洗練されたシンメトリーを基本とするフランス庭園とは対比する、イレギュラーな英国式、そして東洋的な空間。岩、小川や洞窟によって表される自然と異国のモニュメントによって象徴される文明。元来の庭園構造に併せて、新しく小川を渡る橋、滝、洞窟が設置され、芝生の上にはショパンやモーパッサンなどの像も見られる。
そんな閑静な邸宅街の公園は、高級住宅街のオアシスといったところ。ちょっとブルジョワな気分で、お散歩してみよう。
Parc Monceau【モンソー公園】
35 boulevard de Courcelles 75008 Paris
入園門 : boulevard de Courcelles, avenue Vélasquez, avenue Van Dyck, avenue Ruysdael
メトロ : 2番線 Monceau
開園時間 : 冬期7:00〜20:00、夏期7:00〜22:00
http://www.paris.fr
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