冒険心を持ってハゲ山散策 Parc des Buttes Chaumont
19区はパリ市の境目近くの丘にあるのは、ビュット・ショーモン公園Parc des Buttes Chaumont。
肥沃な土地ではなかったために、見向きされなかったこの界隈だが、8世紀からルイ16世の失墜まで絞首台が設置されていたという。フランス革命時からは、丘は石切り場として切り崩され、様相はすっかりかわってしまった。パリ中心部の建物はここで採石された石膏や珪石で建造されている。また、19世紀には貴重な鉱物として米国にも輸出され『アメリカ地区quartier d’Amérique』とも呼ばれることに。なんとワシントンの大統領府、ホワイトハウスの一部もここで採石された石膏でできているのだ。
石灰窯に運んだ道として近辺にある石灰製造工を意するショウフーニエ通りrue des Chaufourniersの名は当時を名残惜しんでいる。
パリ市内ではなかったために、採掘物を干して肥料を製造したり、ウマの死骸を持ち込む場所として利用され、ゴミの山と化したこの石切り場も1860年をもって幕を閉じる。
フランス第二帝政期の下、荒廃したこの丘を庭園に変身させたのはナポレオン3世。当時のパリ土地改革に貢献したオスマンGeorges Eugène Haussmannの下、シャンゼリゼ公園やブローニュの森を設計したアルファンドJean-Charles Alphandによって工事の指揮が取られる。
ダイナマイトを使って岩山を削り、千数人の作業員を動員し、フランス庭園の典型となるシンメトリーや直線ラインに取って代わる起伏に富んだ曲線が描かれ、情緒ある公園となるには3年にかかる大工事を要した。パリ万博と同時に1867年4月1日にオープンしたのは2475mに及ぶ柵に囲まれ6つの入口を持つ、24ヘクタールの公園だ。現在も、ヴィレット公園、テュイルリー公園に次ぐ大きさ、そしてバラエティーに富んだ植物を誇る。ビュット・ショーモン公園の名前となった”Chaumont”はハゲ頭を意する『ショーヴchauve』と山を意する『モンmont』に由来するとされている。
そんな歴史を持つハゲ山公園なわけだが、今日でもパリで一番切り立った険しさを持つ公園。散策すると野性的な渓谷を思わせ、あっという間に周りの建物が見えない、緑に囲まれる。ジョギングやピクニックを楽しむ人が多く、イーゼルを立てて風景画に没頭する画家も見られる。
遠方からも見える断崖の頂上には展望台となった1869年に建造されたローマ郊外、ティヴォリのシビーユ寺院のレプリカが。アカンサスの葉や果実、ライオンの頭像装飾されたコリント式の8オーダーはジュラ山脈の石の基壇に支えられている。吊り橋は現在工事中なので、南側の道からアクセスしよう。
高さ30mある展望台からは遠方にサクレ・クール寺院を望むパリのパノラマが楽しめる。
真下に広がる人工池では鴨やガチョウが水辺で戯れている。2つの小川によって水を供給されており、小川を遡ると洞窟にたどり着く。最長8mもある人工の鍾乳石が連なり、滝のしぶきを浴びると、パリ市内にいることを忘れてしまう。ちょっとアドベンチャーな散策をしたいときにはオススメのスポットだ。
子供達のためには遊具はもちろん、171年の歴史をもつマリオネット劇、ギニョール・アナトルGuignol Anatoleもある。
また、今夏から、無料でインターネットに繋げる5つの無線ランwi-fiスポットも園内に設置され、ノートパソコンを抱えてネットサーフィンを楽しむ姿も見られる。
ビュット・ショーモン公園の楽しみ方は様々。緑に囲まれて起伏を駆け抜けるハードなジョギング、冒険心を持って散策するハゲ山探求、豊富な植物や鳥類を観察する研究者的なお散歩、そして太陽のもと楽しむインターネット。自分スタイルを見つけて、私のビュット・ショーモンを見いだそう。
Parc des Buttes Chaumont【ビュット・ショーモン公園】
1 rue botzaris 75019
メトロ : 7bis線Buttes-Chaumont、Botzaris
開園時間 : 7:00〜21:15、〜22:15(6/1〜8/15)、〜20:15(9/30〜5/1)
入園料 : 無料
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