イースターとチョコレートの関係 Pâques
キリストの復活を祝うキリスト教の移動祝祭日、パック(Paques)。「復活祭」と言われるこの祝日は、正しくキリストの復活そのものを祝うと共に、春の訪れを祝う日でもあります。歴史的には「春分後、最初の満月の次の日曜日」と言われています。今年は4月8日(日)。その復活祭翌日の月曜日、4月9日はランディ・ドゥ・パック(Lundi de Paques)と言いこれまた祝日。復活祭前後の2週間はヴァカンス・ドゥ・パック(Vacances de Paques)、いわゆる春休み。子供達は学校が休暇になります。
この時期、パック用のチョコレートがパティスリーのショーウィンドウを所狭しと飾ります。どこのお店もノエルが始まると同時期にこのパック用のチョコレート作りにとりかかる位、この時期の売行きはすごい数。
さて、そのチョコレート。様々な形がありますが、それぞれに所以があります。
まずはどうして鐘型か?実は、初めはこの復活祭、「直前の木曜日から日曜日までの3日間」が祈りと考察の日とされており、その始まりを木曜日に鐘の音で知らせていたそうです。その事から所以した鐘型。又、もう一つの説では、木曜から日曜の3日間にかけ、キリストは処刑となり、復活。というのも、キリストが十字架にかけられたのは復活祭の直前の聖木曜日、処刑されたのが復活祭の直前の聖金曜日。キリストの死を悼み、この3日間は教会での鐘はならさないとされ、鐘型をモチーフにしていると言う説。
そして次に卵型。復活は同時に春分=自然や植物、生命の再生も意味します。それを象徴するのが卵。昔はチョコレートではなく、卵をキリスト復活象徴の赤色に塗ったり、卵を庭に隠したりしていたそうです。どうして隠すのか?それは鐘の逸話に由来します。3日間鐘が鳴らない事に疑問を持った子供達に鐘が復活祭の卵を探しに行っているから、と言う為だそう。戻ってきた鐘は卵を庭に隠しばらまく、といわれ、子供達はそれを信じて復活祭の日曜日に隠された卵を探すのが一つの行事になっているそうです。
ノエルのサンタクロースがプレゼントを持ってくるというお話にどこか似ていますよね。子供達にとって、パックはノエルのような、楽しみを秘めたものと思っているものなんだそうです。
よって卵型は定番、現在の卵チョコの中には砂糖やプラリネ、小さなショコラが入っているのですが、それが「隠す」を意味するのだとか。そしてその卵を産むべく鶏型。鶏に限らず鳥も卵を産む事から鳥の巣を型どったものも伝統的。
そして動物型はあらゆる生命を意味します。特にウサギは多産の動物であり、その生命力が象徴されると言われ代表されています。中には、卵を運んでくるのは鐘ではなく、沢山子供を産むウサギだよ、と子供達に言うことからきているとも言われています。
一方、アルザス地方でよく見られる仔羊型の焼き菓子。なぜなら仔羊はイエスの犠牲を意味します。キリストの最後の晩餐、みなさんご存知でしょうか?イエスが11使徒達とパンを分け合い食事をするシーンです。本来12使徒ですが、裏切り物のユダは晩餐には招かれなかったお話は有名です。「パンは私の体である」、とイエスは言いながら使徒達にそのパンを与えたシーン。その晩餐はイエスが処刑される前日である、十字架にかけられた日でもある聖木曜日でした。アルザスの仔羊型の焼き菓子は、そのパンの原料をもとに作られたお菓子。ブリオッシュもよく食べられます。
あらゆる形となって今も尚、厳かに又、華やかに祝われる復活祭・パック。当時は卵やパンで祝ったものでしたが、今ではチョコレートとなり街中を彩ります。有名店では毎年パック用のチョコレートが注目を浴び、どこも力の入ったチョコレートが登場する傍ら、街中のパティスリーでは、鳥の巣を象ったデコレーションケーキも発見。私も知人から可愛いウサギを頂きました。
何ともフランスではチョコレートを食べる機会が多いものです。
by junko on 2007-04-08 [日々の暮し]
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