奇跡のギターリスト、パット・マルティーノ New Morning
2007年春のヨーロッパツアーでパリの老舗のジャズクラブ、ニューモーニングにジャズギターのパイオニアとも呼ばれるパット・マルティーノがやってきた。
1963年にデビューしてから、ビー・バップ、フュージョンとジャズギターの奥深さを辿る。まるで空間を音で埋め尽くすように、猛烈なスピードに細かく刻み込む彼の演奏形態は、『マシンガン奏法』または『空間恐怖症』などと呼ばれた。
そんなマルティーノだが、76年に脳動脈瘤で倒れ、記憶喪失に。ギターリストであったということすら忘れた彼は再起不能だと言われたが、過去の自分の演奏を一つずつ最初から辿り、87年に『ザ・リターン』というアルバムとともに奇跡の復活。
前回フランスに来たのは2004年の同じくニューモーニング公演。フランスには中々来てくれないということもあり、会場はフランス全土から集まったギターリストで犇めいた。
今回はギターという名の楽器をジャズに取り込んだ屈指者とも言われるジャズの歴史的巨匠、ウエス・モンゴメリーの名作を集結した注目のアルバム『ウェス・モンゴメリーに捧ぐ』のリリースツアーである。
60を過ぎたスリムな体を黒のスーツで包んだシルエットとは対照的な太く低い声に、ちょっと驚き。ピアノにヴィック・スティーブン、ドラムにクレイッグ・トーマス、ピアノにリック・ジェルマンソンのカルテット。フル・ハウス、フォー・オン・シックスとつばを飲み込む間もないくらいに引き込まれるギターパフォーマンス。会場一杯が前のめりになったまま、第一セットはあっという間に過ぎてしまった。みんなが期待していたマルティノーがそのまま、そこにいた。
休憩時間、バーに下りて来てくれるかと期待したが、それはなく、第2セット、そしてアンコールに、サニー、オレオで幕をくくった。この年齢でこのパフォーマンスを繰り広げるパワーにまず圧巻。そして奇跡のギターリストはニューモーニングの全スペースに彼の音色をちりばめてくれたコンサートであった。
ニューモーニングは81年にアート・ブレーキーが開幕を飾ってくれたと言うパリの老舗のジャズクラブ。ジャズの後退に500席は広すぎるという時代もあったが、今日ではジャズはもちろん、他のジャンルも取り入れ、毎晩プログラムが組まれている。7月にオランピアを満席にするパット・メセニーも憧れたと言う、歴代のクラブだ。
パット・マルティーノ公式サイト Pat Martino’s Website
http://www.patmartino.com/
ニューモーニング New morning
7 & 9 Rue des Petites Ecuries 75010 Paris
TEL : 01.45.23.51.41
開場 : 20:00-、コンサート21:00-
http://www.newmorning.com/
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