科学・技術の発明の殿堂 Musée des Arts et Métiers
日々、進化し続けるテクノロジー。それに伴い、我々の生活もより快適なものへと移行していく。
そんな中、ふと、”開発初期のものは、はたしてどんな姿形をしていたのだろうか?などと思いを巡らせた事がある方はいらっしゃらないだろうか。
そういう好奇心の豊富な方には、是非この博物館を訪れて頂きたい!
『ミュゼ・デ・アール・エ・メチエ(Musée des Arts et Métiers)』、日本語では、『工芸・技術博物館』と訳されているようである。
ここは、1749年、グレゴワール神父により設立された、発明・発見の博物館であり、約3000点もの発明品が7つの分野に分けられ、時代ごとに展示されている。
見学は、エレベーターで2階まで上がり、降りた途端からいきなり始まる。
まずは、『科学用器機具(Instrument Scientifique)』分野。
キログラム単位の基礎となった『シャルルマーニュの測定器具(15世紀末)』や、『パスカルの初代計算機(15世紀)』また、『天体観測機(16世紀)』など、測定(重量、容量、尺度、天体観測など)に関する展示品が並ぶ。
次に、ラヴォワジエの研究所の再現。彼は、化学の基礎的定理を築いたフランスの化学者である。
中央には、おぼろげながらも化学の授業を思い出させる『”水素と酸素から成る水の製造”のラボ(18世紀)』が展示されている。
先に進んでいくと巨大な『マイクロスコープ(1973)』や、『スーパー計算機Cray-2(1985)』が登場。
そして、ロボット時代の到来。人類が月に到達して久しくなるが、それに大いに貢献した『ロボット LAMA(ロシア)』や、最近のものでは、ソニーの『AIBO MIND 3(2005)』も展示されている。
続いては、『材料・資材(Matériaux)』分野。
19世紀に入ると、時代は蒸気等を利用した製造工程の産業化へと進んでいく。それに伴い、数々の新素材、資材が誕生した。代表的なものとして、アルミの生成加工、プラスティックの発明、ファイバー品等の新素材開発の過程が展示されており、実に興味深い。身近なところで目を引いたのは、『アイロンの素材の変化』。1900年製、1928年製、そして、1999年製のものが分解展示されており、この1世紀間における進化を見る事が出来る。
1階に降りると、そこは『建設(Construction)』分野の展示室。
16世紀の金鎚や、コンパスなどの初期建築器具の展示から始まる。建築に興味のある方には、木材から石、セメントへと移行していく資材や、建築技術の進化を幾つかの代表的建築物のモデルを用いて示しているのも面白いものであろう。
続いて、ここは私も気に入っている展示スペース『コミュニケーション(Communications)』分野。
『活版印刷(18世紀)』の発達により、情報はより早く、正確に、多くの人々に伝わるようになる。
19世紀に入ると、新たな発明と共に、ますます情報速度は進んでいく。主な展示品を挙げていくと、『ダゲールのカメラ(1835)』、『ルミエール兄弟の映写機(1895)』、『エジソンの蓄音機(1877)』、『ベルの電話(1878)』等がある。
次は『エネルギー(Energie)』分野。
水力、火力に加え、16世紀になると『ワットの蒸気』の登場。これは、産業革命を起こす程の発明であった。
今日では、電気、原子力などを用いる方法が一般的となっている。ここは、写真のように大きな機械部品の展示が多く、素人には理解し辛い印象。
展示は『機械化(Mécanique)』分野へと続く。
ここで、興味を引いたものは、日常生活の機械品の展示。『初代のミシン(1800年)』をはじめ、トースター、コーヒーメーカー、泡立て器等・・・とてもレトロな品々が並べられている。
優雅な階段を下って地上階に着くと、7つ目の『交通・運送(Transports)』分野。
陸、海、空に亘る、交通移動手段の発明品がここぞと並ぶ。
中でも、『プジョーの蒸気自動車(19世紀)』や、『初期の自転車』の陳列には思わず足が止まる程。その他、パリのメトロの仕組みや、TVGの速度体験等の展示説明も面白い。
鉄の塊ばかりの展示が続き、そろそろ食傷気味!と感じ出す頃・・・見学は最後の『教会(Eglise)』へと。
足を踏み入れた瞬間、”わあ~っ!”と感嘆の声が漏れる程の場所なのである。
地球の自転説を証明するべく、実験を行った『フーコーの振り子(1851)』の向こうには、人類初の動力飛行機『アデール(1891)』や、英仏海峡横断に成功した『ブレリオ(1909)』が、高いチャペルの天井近くを舞うように展示されている。高所恐怖症の方には少しばかり勇気のいる事だが、思い切って階段を登り、同等の高さからも、これらの飛行機群を眺めてみてほしい。
なお、途中で疲れたら、館内地上階に、飲み物も食べ物も充実したカフェ『Café des Techniques』もあるので、ここで一休みしてから再び見学を続けるのもよいであろう。
Musée des Arts et Métiers【工芸・技術博物館】
60 rue Réaumur 75003 Paris
Tel : 01 53 01 82 00
メトロ : 3・11番線 Arts et Métiers
開館 : 火曜~日曜日 10:00~18:00 (木曜日 ~21:30)
閉館 : 月曜、祝日
入館料 : 6,50ユーロ、割引4,50ユーロ、オーディオガイド 2,50ユーロ
www.arts-et-metiers.net
by chiharu on 2007-12-13 [美術館・博物館]
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