印象派に魅了されて Musée Marmottan Monet

初めてのパリ > 美術館・博物館

マルモッタン・モネ美術館外観メトロのラ・ミュエット駅を降り、緑の美しいラヌラグ公園を抜けて行くと、閑静な住宅街の中にマルモッタン・モネ美術館(Musée Marmottan Monet)が見えてくる。

1882年、ジュール・マルモッタンがこの邸宅を別荘として購入する。後に父ジュールよりこの邸宅を譲り受けた美術史家ポール・マルモッタンは、ここで素晴らしい美術コレクションを収集し始めたのである。その後、ポールは自らの邸宅とコレクションとをフランス芸術アカデミー(アカデミー・デ・ボザール)に寄贈した。こうして1934年、彼の元邸宅はマルモッタン美術館としてオープンし、今日に到っている。

開館当時は、ポールのコレクションであった執政時代や、第1帝政時代の調度品や、彫刻といった美術品が展示の主であったこの美術館も、数年後には更なる贈与を受け、所蔵するコレクションは一層充実したものとなっていった。

マルモッタン・モネ美術館蔵 クロード・モネ 印象 日の出(Impression Soleil Levant 1873)特にクロード・モネの息子ミシェルから贈与された素晴らしいモネコレクションの数々。中でも、ル・アーヴルの港の風景を描いた「印象 日の出(Impression Soleil Levant 1873)」は印象派の先駆けともなった貴重な作品である。これを所蔵するという事がどれだけ重要な意味を持っているか、今更説明する事もないであろうが。

それでは、中へ入ってみよう。まずカウンターでチケットを購入し、オーディオガイドが必要ならここで頼む事。館内には展示作品に付いての説明書や、案内書などは置かれていないので、オーディオガイドを借りた方がより観覧を楽しめるだろう。
最初の展示は、執政時代や、第1帝政時代の優美な美術品や、調度品など。これらが、ポール・マルモッタンのコレクションであったものである。印象派に触れる前の前座(確かにこれらも素晴らしいコレクションなので、こういう言い種は失礼に当たってしまうだろうが・・・・・)といった感じで鑑賞していこう。

その展示室と背中合わせの室に、オーギュスト・ルノワール(Auguste Renoir)作のモネ・モネ婦人の肖像画が掛けられている。年齢の近かったこの二人の巨匠は、お互いに家族ぐるみの付き合いをしていたようで、それらの作品にも親しみのこもった温かさが感じられる。

マルモッタン・モネ美術館蔵 ギュスターヴ・カイユボット「パリ通り-雨(rue de Paris Temps de Pluie)」また、モネが最も目を掛けていた彼の弟子ギュスターヴ・カイユボット(Gustave Caillebotte)の作品「(rue de Paris Temps de Pluie 1877)」にも注目して頂きたい。(この作品の完成品は、シカゴ美術館が所蔵している。)この作品は、手前の男性の目線の高さでキャンバス全体の配置が構成されている。石畳が雨に濡れグレーに光る感じなど、実に上手く表現されている。

そこから、モネの「睡蓮(Nympheas)」が上降する観覧客を見守る、優雅な階段で上階へ。

マルモッタン・モネ美術館蔵 ベルト・モリゾ「自画像(Autoportrait)」すぐのところにベルト・モリゾ(Berthe Morisot)をテーマにした展示室があり、多くの彼女の作品が展示されている。モネ、ルノワールらとも同じ画家として親交を深めていたモリゾ。彼女はしばしば彼ら画家達の絵のモデルとして描かれることがあったようだ。しかし、1人の女性として描かれることはあっても、画家としての彼女が表現された事はなかった。これは、彼女自身の「自画像(Autoportrait 1885)」。モリゾが画家として描かれている、数少ない1枚である。

それから、展示数は少ないがオーギュスト・ロダン(Auguste Rodin)のブロンズ像、アルフレッド・シスレー(Alfred Sisley)、カミーユ・ピサロ(Camille Pissarro)などの作品にもお目に掛かれる。

また、奥の小さなスペースにはビデオコーナーもあり、モネについてのビデオが流されている。
この階で軽く印象派を堪能したら、再び先程の階段で地上階へ戻ろう。

中庭に面した廊下の1部屋には 1980年、画商ダニエル・ウイルデンスタインより寄贈された約300点の細密画が展示されている。中世からルネッサンス初期にかけて、フランス、および、その近隣諸国で製作された輝くばかりの美しい色彩画。印象派の作品と、意は異なる芸術ではあるが、素晴らしく価値のあるものである。

マルモッタン・モネ美術館蔵 クロード・モネ「ロンドン 国会議事堂 霧を貫く陽光(Londres Le Parlement」廊下の突き当たり、モネの年譜のところから地下階へ降りていくと・・・。そこは、お待ちかねのモネワールド。印象派の先駆けともなった「印象 日の出」があるのもここである。
さて数多いコレクション(約40点程)の中から、まずは、「ロンドン 国会議事堂 霧を貫く陽光(Londres Le Parlement Troué de Soleil dans Le Brouillard 1904)」。ロンドン、テムズ川シリーズの中の1枚である。オレンジに萌える陽の光、グレーがかった紫にそまる議事堂と、テムズ川。個人的に私の好きな作品でもある。

次に続くのは「ルーアンの大聖堂-曇り(La Cathédrale de Rouen, Le Portail, temps gris, 1894)」。モネは、何日間もずっと同じ場所からこの大聖堂の姿を見つめていたそうだ。朝、昼間、夕方、晴天の日、曇りの日にも。彼に導かれるかのように刻々と表情を変えていく大聖堂を連作で描いた中の1枚である。

モネは「サンラザール駅」も数多く描いている。作品の多くは駅の構内から描かれたものだが、この絵もご覧になって欲しい。「ユーロッパ橋-サンラザール駅(Le Pont de L’Europe Gare Saint-Lazare 1877)」と名付けられたもの。白煙を上げる蒸気機関車と、鉄骨の橋。躍動感が伝わってくるような感じさえする。

展示場の奥の方は、ぐる~りと「睡蓮(Nympheas)」の作品に当てられている。以前このhayakooでもご紹介したオランジェリー美術館の「睡蓮」の展示室のように、こちらにも中央に長椅子が配されているので、落ち着いて心いくまで鑑賞する事が出来る。あちらの様に超大作はないのだが、「太鼓橋(Le Pont Japonais)」、「バラの垣根(L’Allée de Rosiers)」など、ジヴェルニー初期の作品15点ほどが展示されている。ゆらゆらとたわむような陽光と色彩とをじっくりと堪能して頂きたい。

モネの作品を目当てにここを訪れる人々は後を絶たない。
オルセー美術館、オランジェリー美術館の次には、是非足を運んでもらいたい印象派ファンの為の美術館である。

Musée Marmottan Monet【マルモッタン・モネ美術館】
2 rue Louis Boilly 75016 Paris
アクセス : メトロ9番線La Muette、RER C線Boulainviliers
Tel : 01 44 96 50 33
開館 : 11時~18時、火~21時
閉館 : 月曜日、1月1日、5月1日、12月25日
入館料 : 9ユーロ、割引(25歳以下の学生)5ユーロ、8歳以下無料
オーディオガイド(フランス語、英語、日本語)3ユーロ
www.marmottan.com

このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - 印象派に魅了されて Musée Marmottan Monet
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Livedoor Clip
Share on FriendFeed
印象派に魅了されて Musée Marmottan Monetパリ発フランス情報ハヤクー::hayakoo

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>