パリは16区。パッシーの静寂な住宅街の中に溶け込むかのように、ひっそりとその姿を表すワイン博物館(Musée du Vin)。
少しばかり、この地についての歴史を語ってみるならば、13~18世紀にかけてのここは、石灰石の採石場であった。
その後、この採掘跡地は、そこに建てられたパッシー修道院のワイン貯蔵庫として使用されていた。その修道院も、1789年に勃発した革命により、徐々に破壊されたようである。
1984年になりそのワイン貯蔵庫跡はワイン博物館としてオープンし、今日に至っている。
館内には、葡萄の栽培から、収獲、ワイン醸造、試飲に到るまでの、約2000点にも亘る豊富なコレクションが展示されており、ワイン作りに必要不可欠なオブジェを目の当たりにしながら、ワインの歴史を知る事が出来るようになっている。
受付にて入場料を払い、きな臭さの漂う洞窟内を進んでいくと、展示スペースが開けてくる。見学コースを示す番号に従って、さあ見学を始めていこう!
まずは、葡萄の栽培からスタート。耕地を耕すのに必要な鍬や、鎌(18~19世紀)などの耕作器具が展示されている。それらに続くのは、葡萄の選別や、摘み取りに使用するハサミや、ナイフの類。
続いては、葡萄の圧搾機や(この機械が使用されるまでの長い間、圧搾の作業は人力で行われていた。)、葡萄の房を引っ掛けて乾かす、コート掛けの様な形状のスタンド(アルザス 19世紀)などが展示されている。
そのまま見学を進めていくと、3体のマネキンが、当時の作業の様子をリアルに再現している「シャンパーニュのカーヴ」や、良質なワインを作るのには欠かすことの出来ない樽製作、「樽職人のアトリエ」が再現されている。
続いては、ワイン醸造と、カーヴで使用する器具類の展示。アルコール計や、サンプラーなど、まるで化学実験器具のようでもある。
気を取り直して、見学を続行。ここからは、ワインのサービスについての展示が始まる。
18~19世紀中頃にかけてのデカンタ、アルザスや、ボルドーなど各産地の特長が表れるワインの瓶。また、美しいデザインや、彫刻の施されたワインや、リカーグラス類などは、見ているだけでもなかなか優雅な気分にさせてくれる。
そのちょうど突き当たりには、またまた古めかしいマネキンを用いて、1855年 シャルトロン地方のカフェにワインが登場した様子が再現されている。
様々なデコレーションの施されたピッチャー(Pichet)類を眺めながら進んでいくと、木製の棚に整然と並べられた試薬瓶のような展示物が・・・・何に使われたものだろうか? 説明書きによると、水を張った瓶の中に、白葡萄の枝部分を差込み、このように並べて置いておいたらしい。その後、これらの葡萄は食用としてパリの市場に出荷されていたようだ。
それに続いては、ワインオープナーや、ソムリエナイフ(18~19世紀)、デギュスタシオン用のタッス(取っ手付きの平べったいカップ)など素晴らしいコレクション。また、コルクをしっかりと瓶に収めこむ為のコルク打栓機や、モドラ(Modra)出身の陶芸家イグナック・ビズマヤー(Ignac BIZMAYER)氏によるワインと人々をテーマにした作品群の展示などがなされている。
見学を終えたら、引き返すついでにブティックコーナーにも目を通してみよう。赤、白、ロゼの3本がセットになったワインボックス(25ユーロ)、可愛らしいサイズのワインジャム(5,60ユーロ、3個で15ユーロ)、フランス国内のワインの産地を示したポストカード(各1,40ユーロ)など。お薦めは、ワインのボトルを模したオードトワレ(スプレータイプ 35ユーロ)。赤と、白の2種類が用意されており、それぞれがコルク製の筒容器の収められている。ちょっと素敵なプレゼントに!
さて、最後のお楽しみはグラスワインのデギュスタシオン。(受付の誰かにその旨を告げた方が確かです。)
洞窟のようなレストランのスペースにて、この博物館のオーナーが所有する「シャトー・ガイヤックの赤」がサービスされる。
先程、目にしてきたワインに関する品々を思い起こしながら、ゆっくりと味わってみよう。
訪れる人は極めて少ない、このワイン博物館。穴場といえば、穴場かもしれない。ただ内容の割には(それがグラスワイン付きにしても)少々入場料が高めのような気がしないでもないのだが・・・・・。
19 rue de Passy 75016 Paris
メトロ 6番線 Passy
Tel 01 45 25 63 26
開館 火曜~日曜日 10時~18時
閉館 月曜日
入場料:自由見学コース(1グラスワイン試飲付き) 11,90ユーロ 割引(学生、高齢者) 9,90ユーロ グループ(最小15名) 9,50ユーロ 14歳以下 無料
:デギュスタシオンコース(自由見学+3グラスワイン(AOC)試飲付き) 27,00ユーロ
オーディオガイド(英語、ドイツ語)
パンフレット(フランス語、英語)2ユーロ
デギュスタシオンクラス(2時間) 土曜日 10時~12時 または、14時30分~16時30分
料金 1セッション 45ユーロ
詳しい日時、内容に付きましては下記のサイトをご覧下さい。
【館内レストラン(トラディション料理)】
営業時間 火曜~日曜日 12時~15時 (夜の営業は無し)
テロワールコース(Menu Terroir) 27ユーロ
ディオ二ソスコース(Menu Dionysos) 36ユーロ
バッカスコース(Menu Bacchus) 59ユーロ
*アラカルトもあり
www.museeduvinparis.com




























ピンバック: フランス日記〜Part2 ワインのおはなし « 酒飲みの大義名分
[...] 詳しいことはこのページをご覧あれ。 [...]