世界の平和を祈る壁 Le Mur pour la Paix

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クララ・アルテールとジャン-ミッシェル・ウィルモットのよる平和の壁エッフェル塔の全景をカメラに納めようとシャン・ド・マルス公園Champ-de-Marsを旧陸軍士官学校へ向かって下ると出くわすのは、2000年3月30日に建てられた『平和の壁Mur pour la Paix』。当初は旧陸軍士官学校裏のユネスコ本部の前に設置予定だったが、ローマ神話で戦いと農耕の神とされたマルスの名に由来をもつシャン・ド・マルス公園が最終的に選ばれた。

メタルの構造に木、ステンレス、ガラスで構成されたこのモニュメントは全長16mのシンメトリー。中央の通路からは、シャン・ド・マルス公園向こうにエッフェル塔が見える。

中央のモニターでメッセージの送信、閲覧ができる平和の壁アーチスト、クララ・アルテールClara Halterと建築家ジャン-ミッシェル・ウィルモットJean-Michel Wilnotteのコラボで実現したこの平和の壁は、ユダヤ教の礼拝の中心地となるエルサレム神殿を取り巻いていた壁の一部、『嘆きの壁』にインスピレーションを得たモニュメントである。
嘆きの壁では、石と石の間にお願い事を書いた紙を差し込むよう、平和の壁では、平和への願いを込めたメッセージを残すことができる。公式サイトから送信する事もできるメッセージは、中央部のモニターにて表示されている。

壁となるガラスの表面には、日本語も含める49カ国語にて『平和』の文字が書かれている。日本人からみると、偽物日本語といったへたくそな平和の文字だが、あえて日本人に書いてもらわなかった、というそんな字体にも作家のパーソナリティーとこだわりが見られる。

クララ・アルテールは2005年に広島で『平和か?戦争か?Guerre ou paix』という展覧会も開いており、平和運動への一役者でもある。文字とシンボルを基本とした彼女の作品は拡大したり反復することによって文章の意味合いをかき消し、『形』としての表現をしている。そんな彼女の作品をモニュメント化したのが、新型コロン・モリスなどの都市建造物を多く手がけたジャン-ミッシェル・ウィルモットなのだ。

エッフェル塔を望む平和の壁また平和の壁に続いて、2003年には市制300年記念のサンクトペテルブルクに『平和の塔』、2005年には被爆60年を記念して、広島に『平和の門』が寄付されている。

立地条件から、世界各国から訪れた観光客が足を止める『平和の壁』。
1946年に公布された日本国憲法では「日本国民は、恒久の平和を念願し…」とあるが、人類の恒久の平和はまだ実現されていない。観光の合間、訪れた人が世界の平和を考える一時を得ることによって、いつの日か、願いは実現できるのではないだろうか。

Le Mur pour la Paix【平和の壁】
Parc du Champ de Mars 75007
メトロ : 8番線Ecole Militaire
http://www.murpourlapaix.org/

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