1粒のチョコレートに愛情を込めて Monsieur Chocolat

ムッシュゥ・ショコラ外観昨年からず~っと、早く皆さんに紹介したいと思っていたショコラティエがある。それが、パリ15区にある「ムッシュウ・ショコラ(Monsieur Chocolat)」。2007年9月ジャン=マルク・リュエ(Jean-Marc RUE)さんと、ケイコ・オリハラさんご夫妻がオープンされたこのお店。店名は、お二人の可愛らしい愛犬『ショコラ』君から取ったそうである。

赤をベースにした小さな店内。そこには、愛嬌のある可愛らしいチョコレートのモンタージュ(チョコレート細工)を始めとし、数え切れない程のチョコレート類が所狭しと並べられており、まるでチョコレートの博物館にでも訪れたかのよう!
「今流行りのギャラリー的なショップは私達のカラーではなく、それとは反対に、温かみの溢れるショコラティエを開きたかった!」とオープン当時について語るケイコさん。なるほど、お話を伺っている間にも仄々と伝わってきていたお二人の温かいお人柄。それが、そのままお店にも反映されているのである。

ムッシュゥ・ショコラのジャン=マルクさんとケイコさんここで、このお二人の経歴を少し紹介しておこう。
ジャン=マルクさん。17年間 「ペルティエ」にて勤務。チョコレート部門のシェフとしてだけではなく、アトリエと売り場との総合責任者をも務めていたそうである。その後、「アルノー・ラレール」へ。当時はパティスリーでしかなかったこの店にチョコレート部門を確立し、ショコラティエとしての基礎を築いたのも彼であった。 2007年秋には、ケイコさんと共に「ムッシュウ・ショコラ」をオープンさせ、現在に至っている。

ケイコさん。元々パティシエであった彼女、フランスでよりその腕を磨こうと10年前に渡仏。吉野建氏の「ステラ・マリス」、ブルターニュのレストラン「ラ・ギャップ」、「ピエール・ガニエル」にてレストランデザートを学ぶ。その後、パティスリー「シュクレ・カカオ」を経て、「アルノー・ラレール」へ。ここで、ケイコさんの将来を決定付けるような2つの運命的な出会いが!それは、「チョコレート」と「ジャン=マルクさん」であった。当時は同僚でしかなかったそうだが、ここで、将来の伴侶となるジャン=マルクさんより徹底的にショコラティエとしての技術を教え込まれたのだそうである。その後、「ア・ラ・プティット・ショコラティエ」を得て、現在に到る。   

ムッシュゥ・ショコラ店内 さて、ここ「ムッシュゥ・ショコラ」のチョコレート、“美味しい!” というのは口にしてもらえばすぐに理解していただけると思うが、輝かしい実績もあるのである。実は昨年、「サロン・ドゥ・ショコラ・パリ2008」 を目前に、「サロン・ドゥ・ショコラ」、「クラブ・デ・クロクール・ドゥ・ショコラ」、そして、「レックスプレス」の3団体が協賛し行った「メエィユール・ショコラティエ・12(最優秀ショコラティエ)」の内の1つに選ばれている。それだけでも輝かしい事ではあるが、何と、このコンテスト中、満点の5点評価を得たのは、「ジャン=ポール・エヴァン」、「ピエール・エルメ」、「ムッシュウ・ショコラ」の3つだけだったのである。
表彰後は、テレビや、ラジオ等でも大きく取り上げられたそうだが、ここにチョコレートを買いに来るお客さん達は、何よりも “あそこのチョコレートは美味しい!” との口コミが広がり、そこから常連になった人々である。

そして、もう1つ。私が初めて、この「ムッシュゥ・ショコラ」で買ったのは、バロティン・ショコラ(ボンボン・ショコラ)だったのだが、その時は本当に驚かされた。売り場も担当するケイコさんだが、その彼女が、もしかしてレジを打ち間違えたのではないかと思った程、他の有名なショコラティエなどと比べてかなり良心的な値段なのである。美味しくて、値段は控えめ!これも、「ムッシュゥ・ショコラ」の魅力の1つだろう。

ムッシュゥ・ショコラのバロティン・ショコラ ムッシュゥ・ショコラのバロティン・ショコラ

それでは、約30種が揃う「バロティン・ショコラ」から紹介していこう。これらには、全てフランス各地の都市名(イメージから)が付けられている。ケイコさんに伺ってみると、人気は、「ランス(Reims)/サクサクと歯ざわりのよいテュィール入りのプラリネ」、「パリ(Paris)/カカオ70%のショコラ・ノワール。以前、賞も受賞している。苦味がなく、透き通るような味わい。」、「モナコ(Monaco)/フランボワーズの甘酸っぱいフルーティーな味わい。」、「ケイコ(Keiko)/ジャンデューヤの歯ざわり、フェーヴ・デゥ・カカオとフルール・デゥ・セルがチョコと交じり合う。」、「ナガノ(Nagano)/ガナッシュにワサビを混ぜ込んだもの。フランス人にも受けている。」だという事。個人的には、「ボルドー(Bordeaux)」、「ニース(Nice)」、「キべロン(Quiberon)」もお薦めである。

また、忘れてならないのは、ここのスペシャリテでもある「グルマンディーズ(Gourmandise)」。ムース状にしたプラリネにガナッシュをコーティングしたもの。粉砂糖をまぶしたドライプルーンのようにも見えるこのチョコレート、口にするとコリッ・・・・外のガナッシュが割れ、その後は、クワントローが仄かに香るとろける様なプラリネの感触。高度なテクニックを要するため、パリでも作られているところは少ないそうである。上記は全て、8,20ユーロ/100g(約10個)。箱入りは、21ユーロ/250g ~。

ムッシュゥ・ショコラのスペシャリテのグルマンディース ムッシュゥ・ショコラのマカロンとショコショコ

「ショコ・ショコ(Choco Choco)」も捨てがたい。これは、細かく刻んだアーモンド等にチョコレートをかけたもので、ノワール、フルール・デゥ・セル、ノワ・デゥ・ココなど6種が揃う。8,20ユーロ/100g。袋入りでも売られている。

又、「エコルス(Ecores)」も人気商品。これらは、柑橘系フルーツの皮のコンフィーにチョコレートをコートしたもので、フランス人が好きなチョコレートの1つでもある。「ミカン(刻んだアーモンドをキャラメリゼしたものがコート用チョコレートに混ぜ込まれている。)」、「レモン(キャラメリゼしたフェーヴ・デゥ・カカオとフルール・デゥ・セルを使用)」、「パンプルムース(ヌガーを使用)」の3種が楽しめる。

ムッシュゥ・ショコラのエコルス ムッシュゥ・ショコラのタブレット

日本へのお土産に最適なのは、「タブレット(Tablettes 板チョコレート)」。第1人気は、「プラリネ・フュイテ・フルール・ドゥ・セル(Praliné feuilleté fleur de sel)7,00ユーロ」。そして、ケイコさんのお薦めは、「フェーヴ・デゥ・カカオ・キャラメリゼ(Fève de cacao caramelisé)6,50ユーロ」、フェーヴがそのままチョコレートに閉じ込められた香ばしい味わいのもの。

そして、昨年末から店頭に並び出したケーキ類も多いに人気を得ているようだ。
まずは、「マカロン」。こちらのものは、全てチョコレート色のものだが、そのマカロン生地にも惜しむ事無く、バロティンと同じチョコレートを使用しているのだそうだ。大きなマカロンは、ショコラとキャラメル・フルール・ドゥ・セルの2種類。(各3,50ユーロ)
普通サイズのものは、ショコラ・ナチュール、キャラメル・フルール・ドゥ・セル、カフェ、フランボワーズ、パッションフルーツ、ワサビの6種類が揃っている。54ユーロ/kg。
私は、大きいキャラメル・フルール・ドゥ・セルのものを試してみたのだが、ガナッシュとキャラメルが心地よい美味しさで口の中に広がり、時々塩粒の塩気がフ~ッと現れ、う~ん!と思っている内に消えていく絶品。お薦めです!

ムッシュゥ・ショコラのタルト・オ・ショコラとムールー・ショコラ「モワルー・ショコラ(Moelleux Chocolat)3,40ユーロ」も人気商品。この日も、近所のおじさんが「いつものを2つ!」と言って買って行った程。ケイコさんのアドバイス通り、ちょこっとレンジで温めると・・・・中心がプクッと盛り上がってきて、一口かじるとチョコの香りが鼻からも、口からも!っという感じ。これは、3時のおやつに最適。

又、週末限定(金、土、日)にしか店頭に並ばないのが、「エクレア・ショコラ(Eclair Chocolat)3ユーロ」と、2種類の「タルト・オ・ショコラ(Tarte au Chocolat)各3,50ユーロ」。こちらのタルト・オ・ショコラ、実は、パリの某有名(大御所的)ショコラティエである方が口にし、「今日まで++++のタルト・オ・ショコラが1番だと確信していたが、ここのはそれを上回る!」とおっしゃったのだとか。そうなら是非ともと、ジャン-マルクさんも大好きだという「タルト・オ・ショコラ・プラリネ・フュイテ・フルール・ドゥ・セル」を試してみた。コクのあるガナッシュ、フリュイテのサクサク感、しかし、チョコレートがそれ程重く感じられない絶品!こちらも、是非試してみて欲しい1品である。
尚、上記のモワルー・ショコラや、タルト・オ・ショコラは通常アンディヴィジュアル用しかおいてないが、事前に注文すれば大きなサイズのものも用意出来るとの事。詳しくは、ケイコさんにご相談を。

ムッシュゥ・ショコラのギモーヴとパネトーネその他、ショコラ、カフェ味等6種が揃う「自家製キャラメル(52ユーロ/kg)」や、「ギモーヴ(Guimauves) 6,60ユーロ/150g」、朝食にもってこいの「パネトーネ(Panettone)クラッシック・ショコラ 各2,50ユーロ」などなど・・・・挙げていくときりが無い。

妥協を許さないお二人の熱意と、愛情がこもったチョコレートは、どれを口にしてもがっかりさせられる事はない。私自身、ここ「ムッシュウ・ショコラ」のものを口にして、チョコレートに対する認識が変わったような気さえしているのである。
これからは、“よりフランコ・ジャポネ色を出して行きたい。”とおっしゃるケイコさん。

4月1日発売の「ゴーミヨ(Gault Millau)」には、堂々と「ムッシュー・ショコラ」の名を連ねている。また、同じく4月1日より、日本航空(JAL) パリ発日本行き全便のファーストクラス、ビジネスクラス用にチョコレートを提供したり、4月11日付「ル・フィガロ(新聞)」においては第1面に取り上げられるなど、これからが大いに楽しみなショコラティエである。

Monsieur Chocolat【ムッシュゥ・ショコラ】
102 rue de Cambronne 75015 Paris
メトロ : 12番線 Volontaires 又は、Vaugirard
Tel : 01 43 06 06 76
営業時間 : 火曜~土曜日10時~20時、日曜日10時~14時
定休日 : 月曜日、特別定休日2009年5月5日(火)〜5月12日(火)
www.monsieurchocolat.net(製作中)


スイーツの都

chiharu について

パリ在住15年。パリにて、フランス料理と、パティスリーのディプロムを習得。日々の暮らしの中で見つけたパリらしいグルメや、素敵なものをご紹介していきます。

1粒のチョコレートに愛情を込めて Monsieur Chocolat」への3件のフィードバック

  1. プーココのママ

    こんにちは。
    初めてお店の前を通った時、スヌーピーのチョコが可愛くて写真だけを撮らせて頂きました。買いもしない私でしたが、とても感じの良いマダムでした。そのご、何回かチョコを買わせて頂いてます
    1口食べたら、メチャうまでしたよ!!

    :限定のショコラ、今度買ってみます。

  2. Chiharu

    プーママさま。
    コメント有難うございます。
    そうですよね!あちらのチョコレート細工は、見ているだけで楽しくなってきますよね。
    プーママさまが、ご覧になったスヌーピーのチョコ、私もケイコさんから写真を見せて頂いた事がありますが、可愛いらしかったのを憶えています。
    ケイコさんによりますと、新商品も考案中だという事でしたので、またお出かけ下さいね。
    私も「ムッシュゥ・ショコラ」の大ファンです。

  3. ピンバック: 伝統的日本の香りをショコラに Monsieur Chocolat | パリ発フランス情報ハヤクー::hayakoo

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