ラ・ギャラリー・デ・ギャラリーに東洋のパワー mellow fever

mellow fever,Galerie des Galeries, Galeries Lafayette
©Photo:Marc Domage

『ギャラリー』というと、まず『画廊』を思い浮かべるが、回廊や商店街のアーケードも意味する。そんなギャラリーを捩ったのは、ヨーロッパ最大級のパリの百貨店、ギャラリー・ラファイエットのLa Galerie des Galeries《ラ・ギャラリー・デ・ギャラリー》だ。2001年にオープンしたこの空間では、ファッションの最先端を行く百貨店として、現代のアートを敏感にキャッチしている。

日仏交流150周年
記念イベントの一環として、『ASIATICアジア展』が繰り広げられている、ギャラリー・ラファイエット百貨店。コスプレや生け花、マンガ喫茶、人力車などもお目見えするプログラムは要チェック。
また、今月オープンした、パリ市内初のユニクロUNIQLOもお見逃しなく。

Xu Zhen 8848-1.86ラ・ギャラリー・デ・ギャラリーでも、mellow feverと題し、世界で活躍中のアジア出身のコンテンポラリーアートの展覧会が開催されている。

エベレスト山の高さの改ざんを促したXu Zhenによる”8848-1.86″は世界最高峰に挑む写真によるドキュメンタリー。
作家自身の身長186m分を中国政府発表の高さから引き算させる、という挑発的なこの作品は、実際に政府発表の高さの見直しに繋がったという。ユーモアたっぷりで今日の中国を挑発する作品だ。

剥製が陳列された正方形の写真はJeongMee Yonnの自然博物館シリーズ。
長方形ではなく、正方形というフォーマットに不安定感を覚え、自然と伝統が示す並び順に疑問を投げかけている。

Lee Jie Song, Blank写真の作品が続いた中で、目を疑ってしまうのは韓国のハイパーリアリズムのLee Jie-Song。
横幅約2mの大キャンバスに油彩で描かれた横顔の人物。綿密に再現されたファインダーが捉えたその瞬間に真実を追究している現実以上の現実。

日本からはコンセプチュアル・アートの大道とも言える河原温の日付絵画『Today Series』。1966年から始まったこのシリーズは、制作された現地の表記方法による日付をキャンバスに筆を用いてリキテックスを塗り込められている。限りなく黒に近い背景は、完全な黒ではなく、筆跡が見えなくなるまで完璧な表面に仕上がる。タイトル通り、その日、一日の間に完成させられるこのシリーズでは、新聞の切り抜きなどによる付随された切り抜かれた時間とともに、作家の個人的な一日が込められている。

On Kawara, Today series n°12 ©Photo:Domage Heman Chong, Battle Royale
©Photo:Marc Domage

シンガポールからは、民衆を無視した国家優先の原理、全体主義totalitarianismをアイロニーを込めて訴えるHermn Chongの”Adavanced Studies in Totalitarianism”。深作欣二のバトル・ロワイアルなどのSF映画のポスターを合成着色料みたいな奇抜なカラーで構成したシルクスクリーンだ。

展覧会全体を演出しているのは日本人ユニットのアシスタントassistant。白いアーチのパーティションで、作家達の様々な世界を個々に引き立てる空間が作り出されている。

国際的なビエンナーレなどに招待される日本人作家は日本に在住していないことが多いと言われる。海外に出ることにより、日本人である自分、そして祖国、日本を客観的に受け止めることができ、さらに日本的な感覚を見いだせるのかもしれない。
mellow feverでは海外そして、祖国で活躍するアーチストが入り交じっている。同じアジアといっても、日本人としては、他国がエキゾチックに感じるのだが、そんな千差万別な東洋のアートがフランス人の目にはどう映るのかが気になるところだ。

mellow fever
Galeries lafayetteギャラリー・ラファイエット本館1階
La Galerie des Galeries《ラ・ギャラリー・デ・ギャラリー》
40, boulevard Haussmann 75009 Paris
開催期間:4月23日(水)〜6月14日(土)9:30〜19:30、木〜21:00
出品作家 : sont Heman Chong, Jengmee Yoon, Lee Jie-Song, Michael Arcega, 河原温, Shao Yinong & Muchen, Sun Xun, Xu Zhen, 木村友紀, 前田征紀
休業日 : 日、祝
メトロ: 7、9番線Chaussée d’Antin
入場無料
日本語サイト : http://www2.galerieslafayette.com/international/

by aki on 2008-04-29 [アート]
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