三ツ星シェフ達から厚い信頼を受けるお茶のメトレス Maison des Trois Thé 桃花源

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Maison des Trois Thés【メゾン・デ・トロワ・テ】

©Maison des Trois thés

「例えばジャルダン・デ・プラント(5区の植物庭園)を歩いていたら、あちこちから次々に様々な香りがやって来て忙しいくらいに色んな香りで一杯になってしまうかな。」パリでも大好きな場所だと言うその植物庭園で私達が日頃嗅ぎわけることも、感じることもできないような香りの全てを繊細に認知できてしまうという彼女は、ずば抜けた嗅覚の持ち主です。108種類もあるというアイリスの花の香りを嗅ぎわけることができるというのですから。

ユ・ホヮイ・ザングさん(Yu Hui Tseng)。台湾出身の彼女、中国語ではYu Hui Zengと綴ります。キラキラした瞳でお茶の事を親切に熱意を持って話してくれたその女性は、「ザングさん」なんて気軽に呼んでは失礼な位、とても由緒正しき家系を持つ方なのです。「ザング Tseng / Zeng」、その名は3500年以上にも遡る古き中国皇帝時代、歴史上の人物でも名高き中国の思想家・曾子(Zeng Shen 紀元前505年)の家名なのです。後に教材の基準となるべく多くの書物を書き上げた孔子の一番弟子。当時の台湾の中でも高貴な家系でした。そんな由緒ある家系を持つ彼女は78代目。母親が茶園を営んでいたことから彼女にとってもお茶は日常の中で特に身近なものでした。

彼女の両親は香りをより巧妙に分析する為にもと、夜にしか咲かぬ花「月下美人(中国語で曇花)」の香りを嗅がせる為に毎晩彼女を起こしました。両親にとっては自然の様により敏感である事は、生活の中の神聖な一時を分かち合う教育の一部でもあり、又味覚の教育でもあったのだとか。何と2歳から香りを嗅ぎ始めていたという彼女。何よりも自然に続ける事が嗅覚の向上でもあり、その記憶へと繋がったと話してくれました。

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©Maison des Trois thés

テ・メトレス(ティー・マイスター)として世界でも10人の中に入るという程、今やお茶界では有名な彼女。実は元は国際クラリネット奏者。しかし、母国の素晴らしいお茶を世に広め、その美味しさを知ってもらわなければと茶の道に身を捧げる事を決心。母が茶園栽培者であったことからもその決意は難しいものではなかったと言います。1995年に重要文化人でもあるZhang Tia Fuのもと、中国の伝統的作法「Gong gu chà」で香りを徹底的に習得。ウーロン茶やプーアール茶を使ったもので主に広東省で行われている作法です。ウーロン茶と言えどもその種類は3000種。中国茶は飲むこともしかり、まずは香りを楽しむことが大事なのだそうです。同年にパリ5区はモンジュ広場(Place Monge)の目の前に高級中国・台湾茶を取り扱うMaison des Trois Thésを設立。

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©Maison des Trois thés

なぜパリだったのか?「まず、パリは大好きな国だったから。」と微笑む彼女ですが、その目の奥に凛とした理由が光ります。ヨーロッパ、特にフランスにおいてはワインという特産物があります。又味覚という点においては高い技術を持つ偉大なシェフと伝統が存在し、ブドウ栽培者やワイン醸造などが多く集まる国であるということを知り、嗅覚にも敏感なこの地を選んだのだと言います。「お茶には白・黄・緑・赤・黒があり、それらは台湾や中国の重要な文化遺産の一つでもある。」この大切な遺産を継続し守るには味覚に敏感なヨーロッパならば、と彼女は確信。稀少マレで非常に高価なお茶を取り扱うお店としてオープン。1000種以上の茶葉を取扱っており、どれも最高級品質ばかり。工場生産茶葉はありません。彼女自身も半年に一度は現地へ渡り、茶園を回ります。丁寧に育てられた茶葉は独自の製法で製造する為、日頃飲んでいるお茶とは全く比べ物にならない程自然そのものの香りと味わいの茶葉になっているのです。古いものでは1890年もののプーアール茶も茶壷に保存されており、他にも年毎のミレジウム壺が並んでいます。そう、ここは正にワインカーブのようなお茶のカーブ!地方毎に分類されており、ワインのグラン・クリュ別のよう。彼女のモットーは、「まず茶を愛し、そのものを良く知り、そして味わって理解すること。楽しむことは、ワインのようにまず茶という液体が持つその歴史とその過去をしっかりと見抜かなければいけないと。」ということ。

Maison des Trois Thés【メゾン・デ・トロワ・テ】

©Maison des Trois thés

お店では茶葉はもちろん、茶器なども購入できますが、是非訪れたいのがサロン。週末は予約必須です。お茶を飲むだけでなく香りを楽しんでもらいたいので出来れば香水やご自身の香りを出来る限り抑えてご来店下さいとのことです。取材したこの日は、4種のお茶をデギュスタシィオンさせて頂きました。小さなカップが2つ用意され、まずは別のカップで蒸らされたお茶を1つ目のカップに注ぎます。最初に香りを楽しみます。1杯目はジャスミン茶でした。透き通るようなフレッシュさと甘みを持ったフローラルな香り。そしてもう一つのカップにそのお茶を移し替え、空になったカップの底に鼻を近づけて香りを嗅ぎます。すると。。。先程のお茶そのものの香りとは全く違う香りが感じられるのです。それは数秒ごとにドンドンと変化し、甘さが増し、キャラメルみたいになって、熟れたプラムの皮のように。。。彼女の口から次々と出るその豊かな表現力にただ、首を振るだけの私。イチジクのように変化する鉄観音茶や、濃いキャラメルから木の皮のように変化する岩茶、そして最後は濃密ながらも透き通るような香りが豊かな1953年もののミレジウムプーアール茶。今まで飲んでたプーアール茶が嘘のよう!ワインと同じく熟成された古い茶葉は濃厚な味わいとふくよかな香りが鼻で自然に開花し、咽喉に余韻を残す、と教えてくれました。

サロンでは、ウーロン茶・プーアール茶の種類を選べば自動的にGong gu chàスタイルでサーブされます(小さな急須やカップ一式がお盆にセットされます)。その他はお茶によってスタイルが違います。お値段は茶葉により10ユーロから上は300ユーロ近いものも!(サロン内で頂く金額です!)もちろん、それだけの品質を誇る高級茶葉。中国・台湾でもこれ程のカリテのものは飲めないという特別な茶葉がここにはあるのだそうです。質の高いお茶は決して苦みがなく、甘くまろやかで2杯目も3杯目も渋くならずに淹れることができ、そして冷めても美味しいこと。又、ブティックを埋め尽くす茶筒から茶葉を天秤で量り、アルミ袋に詰めた後しっかり封印して更にボックスに入れてくれます。

Maison des Trois Thés Maison des Trois Thés

そんな茶葉と優れた嗅覚を持つ彼女は、今や世界でも人気者の女性・茶エキスパートとして認められており、フランスでは各地の三ツ星シェフ達から多くの依頼が殺到しているのです。彼女の顧客にはGeorge V, Pierre Gagnere, Joël Robchon , Alain Ducasse, Guy Savoy,Michel Bras, Olivier Roellingerなど名立たるメンバーが名を連ねています。食後のお茶だけでなく、シェフ達は彼女の指導のもとお茶を取り入れたメニューを考案しているというのです。そんなグランメゾンを顧客にもつ彼女は、Dom Pérignonや Château Yquemなどの偉大なシャンパーニュカーブからも引っ張りだこ。カーブに眠るミレジウムの鼻効き業務を担っています。ショコラティエ界においてもJean-Paul Hévinに Pierre Herméなど、ガナッシュには彼女のものが使用されています。又Jacques Geninにおいては、店内のサロンで彼女のお茶が頂けます。最近ではウィスキーとのマリアージュも提案しており、それらのブレンドの美味しさを提供。正にお茶のソムリエールですね。

Maison des Trois Thés

©Maison des Trois thés

その優れた嗅覚で水の鼻効きができる唯一のスペシャリストでもあります。エヴィアンからボルヴィック、ペリエにバドワ、コントレックスなど、フランスに限らず世界のお水を分析し、その味わいや香りなどの結果を報告しています。大手ネスレやコカコーラ、ダノン等に分析研究も提供。彼女にとってミネラルウォーターは既に香りと味があるのですぐにわかるのだそう。だからこそ、お茶を淹れるには不向きなのだと言います。

中国における想像上の場所、失われた楽園とされる「桃花源」。その逸話のもと、このMaison des Trois Thésが他では見つけることのない品質のお茶を味わうことができる夢の楽園のように芳しく、優しく、穏やかな場所であるようにとの想いを込め、店名に添えられています。 そして曾子「TSENG」、お茶「Thé」、台湾「Taïwan」、三つの頭文字のT(フランス語でテと発音)をとり、「Trois Thés(トロワ・テ=3つのテ)」と命名。マダムザングの全ての想いが込められたお店。一度ここでお茶を飲めば、きっともう他のお茶は飲めなくなるはず。それぐらい本物の味わいです。どうか覚悟の程を!

Maison des Trois Thés【メゾン・デ・トロワ・テ】Maison des Trois Thés

1 rue Saint-Médard 75005 Paris
Tel : 01 43 36 93 84
営業時間: 11:00~19:30 (ブティック)
13:00~19:30 (サロン *ラストオーダーは18:30)
定休日 日・月
メトロ ⑦番線Place Monge
・茶葉の購入は種類によって最低購入g量が事なります。
*平均50g~。ものによっては30gから買えるものもあります。全て専用ボックス付。
・サロンは週末要予約。

75005 Paris, フランス
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