歴史ある美しいサロンで味わう「潔い」フランス料理 Les Ambassadeurs

パリにあるサロンの中でも特に美しいといわれる『レ・アンバサドゥール(Les Ambassadeurs)』。コンコルド広場を臨むホテル・ドゥ・クリヨン内にあるミシュラン一つ星のレストランです。フランス革命前の1758年、国王ルイ15世がコンコルド広場を設計した建築家アンジュ=ジャック・ガブリエルに依頼し、建てられたフランス様式の宮殿をクリヨン伯爵が購入。彼の名前が付けられ、1907年まで邸宅として使用されます。そして1909年、高級ホテルとして一般にオープンし、ホテル・ドゥ・クリヨンが誕生。クリヨン伯爵邸で社交ダンスが行われていた部屋がレストランとなっています。

腕をふるうのは、2010年4月に就任したクリストファー・アッシュ(Christopher Hache)氏。2つ星をもたらしたジャン- フランソワ・ピエージュ(Jean-François Piège)の後を28歳の若さで引き継ぎ、2011年にグルメガイドブック・ピュドロで「今年の若いシェフ」に選ばれ、ミシュランでは1つ星を獲得します。そのシェフが作るお皿は、見た目も味わいも大胆。伝統的なフランス料理です。

前菜の黒トリュフ入りポレンタは、香り高く、実にクリーミー。生クリームとバター、野菜のブイヨン、そして加えた黒トリュフは約25グラム。小さめのトリュフを丸ごと使ったことになる、シンプルで贅沢なおいしさです。主菜のブルターニュ地方サン・グノール産のシタビラメの一品は、じゃがいも、ポワローというクラシックな組み合わせを現代風にアレンジしたもの。ウニを加え、緑色はポワローのソース、高級じゃがいもの品種として知られる「ラット」が付け合わせ。これらを三日月のような形に盛りつけるのが「クリストファー流」です。タラ科の魚リュウ・ジョーヌには、ミモレットとジュラのワインで蒸して香ばしい焼き色をつけたアンディーヴ。とろりと濃厚なミモレットのソースが、さっぱりとした魚にぴったり合います。

シェフパティシエ、ジェローム・ショセス(Jérôme Chaucesse)氏によるデザートは繊細さの中に、遊び心があふれます。例えば名前も普通だったらフィンガー・ショコラとするところを、ジヴァラというミルクチョコレートを使っていることから「フィンガー・ショコレ(finger chocolait)」と命名。フランス語でレ(lait)とはミルクを意味します。子どもから大人まで大好きな、ミルクチョコレートとバナナという王道の組み合わせを、星つきレストランにふさわしいデザートに仕立てています。プラリネ・クルスティアンのさくっとした食感、ジヴァラのムースの優しい甘さとふわりと軽い舌触り、バナナとライムのアイスクリームのひんやりとした爽やかな風味。くるくるとカールしたビスキュイが見た目にアクセントを与えています。思い切ってざくっと崩していただくのが「おいしい食べ方」です。

コンコルド広場と同じ建築家が手がけた空間で、その広場を眺めることができる唯一のレストラン。フランスの歴史を見守り続け、自身も長い歴史をもつホテル・ドゥ・クリヨンですが、2011年の秋から2年間の改装工事に入ります。5つ星を獲得していますが、ホテル格付けの最高ランク「パラス」の称号は取得していません。「パラス」の称号を得るために必要な項目「スパの併設」が欠けていたために、申請することができずにいましたが、この工事ではそのスパを設けるそう。古き良きフランスの伝統を残しながらも、時代の流れとともに変化するときが来たようです。

Hôtel de Crillon【ホテル・ドゥ・クリヨン】
10, place de la Concorde 75008 Paris
メトロ:Concorde 1,12番線
Tel : 01 44 71 15 01
Les Ambassadeurs【レストラン レ・アンバサドゥール】
営業日:火~土(昼、夜ともに営業)
定休日:土曜の昼、日、月
昼は68ユーロ(前菜、主菜、デザート)のメニュー、アラカルト。
昼、夜は160ユーロ(6皿)のムニュ・デギュスタション。
レストラン予約電話:01 44 71 16 16
HP:http://www.crillon.com/
75008 Paris, France

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