クレーム・シャンティ発祥の地で本物のシャンティを! Le Hameau

今やパティスリー、デセールには欠かせぬクレーム・シャンティ(泡立てた生クリーム=ホイップクリーム)。フランスではこのシャンティだけをメインに使って組み立てたケーキなどはあまりありませんが、日本においてはショートーケーキやロールケーキなど、主役を果たすに欠かせぬクリームの一つ。その名の由来は、ここフランスのシャンティイの町からきていたもなのだそうです。

それは当時、シャンティイ城の腕利き宮廷料理人であったフランソワ・ヴァテール(Francois Vatel 1631-1671)が発明したものだと言われています。生クリームに砂糖を入れて泡立てる、ただそれだけのことですが当時の技術においては発想すること自体が斬新だったかと思います。ふんわり形を変えた甘い乳製品、これほど美味しいクリームがあろうとはと絶賛されたクレーム・シャンティ。発明者はヴァテール、そして彼が当時仕えていたシャンティイ城。ゆえに発祥の地はシャンティイの町=クレーム・シャンティ(Crème Chantilly)となりました。

彼は料理人としての栄光も持っており、時は1671年、コンデ公が太陽王・ルイ14世を招待し、とても豪華な美食の晩餐会を三日三晩に渡り開催した際、総指揮をとったのがヴァテール。何とも長きこの時間、国王達の来賓客を美食でもてなし満足させるにはかなりの計画と仕込み準備、プレゼンテーションを要します。技量あるヴァテールは念には念を重ね食材を用意し、それはそれは素晴らしいお料理を披露したようですが3日目の朝、到着した注文の魚介類が予定よりも不足していたことに彼は責任を感じ、祝宴を台無しにしてしまったと自室で剣を持って自殺をしてしまったというお話が残っています。その時の様子が映画化された「ヴァテール Vatel」も有名。

大宴会を取り仕切る男の戦場。彼の当時の厨房は現在シャンティイ城内に残されており、レストランとして開放されています。そちらのレストランは後ほどご紹介。

まずは本物のクレーム・シャンティが食べられるというレストランへ。その名はル・アモー (Le Hameau)。シャンティイ城の周りを取り巻く庭園の奥にあります。1775年にコンデ公・ルイ・ジョセフ(Prince Lois-Joseph de Bourbon-Conde)によって建てられた疑似集落で、当時はお城から離れて田園生活を楽しむというスタイルがちょっとした流行りに。離れの村をイメージした藁ぶき屋根の家がポツリポツリと立てられ、農作などを楽しみながら採れた果物や野菜で軽い食事や夜食など、華やかな宴が繰り広げられたというその小さな集落=アモー(Hameau)。実はその後マリー・アントワネットがこのシャンティイのアモーを真似してヴェルサイユ宮殿に妃の隠れ家、トリアノンを建てたのだそう。もとはここシャンティイが発端だったのですね。

レストランは入口に小さなブティックがあり、店内席もあるようですが、この日はお天気も良かったので折角ですからテラス席に。太陽がサンサンと降り注いでとても気持ちいい。周りを見渡せば自然溢れる田園風景。側の川では鴨が水浴び。テーブルの側には野菜畑があったりと雰囲気もばっちりです。お料理は至ってシンプルなものが多く、とりわけ素晴らしいものではありませんが、この地ならではの鴨料理やフォアグラベースなもの、そして田園生活をイメージするサラダものが豊富です。メニューは19.5ユーロ、32ユーロ、41.5ユーロの他、お子様メニュー10.4ユーロもあります。

鴨の燻製スライスがたっぷり。ソースはオニオンがきいていてしっかりした味。食べ応えのあるサラダでした。もう一品は「タルティーヌ・カンパニャルド Tartine Campagnarde (14.6ユーロ)」。大きなパン・ド・カンパーニュに燻製ハム、そしてマロワールチーズ(maroilles)がたっぷりのせて焼かれています。勿論サラダもたっぷり。こちらも食べ応えあり。

そしてお待ちかねのデセールです。勿論クレーム・シャンティでしょう。シャンティだけを堪能したいならば、カップにたっぷりサーブしてくれる「Coupe de Crème Chantilly(4.5ユーロ)」がありますが、ここは季節的にも苺と一緒に頂きたい。ということで季節限定の「アシェット・ドゥ・フレーズ・ア・ラ・クレーム・シャンティ Assiette de fraises a la Crème Chantilly(9ユーロ)」に。本物と言われるクリームとは。。。。一口食べて???美味しい!

想像していたいつも口にする生クリームの味とは違ってほのかな酸味が感じられ、それでいてしっかり甘い。何よりももったり、もっちりしていて濃厚。決してふわふわと軽いものではなくどちらかというとどっしり重みのある感じ。一瞬、クレーム・エペス?フロマージュ・ブランが入ってる?と思うような味です。

実は本物のクレーム・シャンティの美味しさの正体は無殺菌生クリームであるということ。Non Pasteurise。通常は低温殺菌処理された牛乳から作られるのがいわゆる生クリームなのですが、無殺菌であることがこの酸味ともったり感の秘密だったのです。あとはグラニュー糖と粉糖をかけあわせて配合しているとのこと。ふふーん、なるほど。生クリームの概念を覆す美味しさで驚きでした。最終的にクリームが美味しく苺が残る始末。物足りない方は是非クリーム単品で追加下さいませ。その他にもタルトやソルベも沢山あります。勿論、本物のクレーム・シャンティ付き。

かつてこのアモーにて、コンデ公の宴に招待されたスウェーデン国王をはじめ、ルイ15世子息、オーストリア皇帝なども絶賛した魅惑のクリーム。是非足を運んででも食べて頂きたい一品。

お腹も心も満たされたところで公園を散歩。園内はフランス庭園(17世紀)、アングロ・シノア(イギリス中国)庭園(17世紀)、イギリス庭園(19世紀)、プチ・パークに分かれておりとても広々としています。

そしてシャンティイ城の中に残る、ヴァテールの厨房を改装したレストラン、「ラ・キャピテヌリー La Capitainerie」でもクレーム・シャンティを食べれるというので訪れてみました。ティーサロンは15hから。お茶とケーキだけの場合は時間にご注意下さい。店内は当時の面影を残したオーブン台がものものしく、石壁がシックで落ち着いた雰囲気。

さて、こちらでいただくデザートはビュッフェスタイルとなっています。同時にシャンティもお好きなだけ、というもの。(7ユーロ)上品なシャンティイ焼きのお皿で頂けるのもポイント。ケーキ達はというと。。。正直なところ、残念ながら素晴らしく美味しいというものではありませんでした。ランチタイムを過ぎた昼下がりだったのもあるかと思いますが、冷蔵庫の中で少々乾燥気味な感じ。定番のガトーショコラやリンゴのタルトなどが並び、マンゴーやフランボワーズ、アングレーズのソースなども用意されています。お目当てのシャンティイもボウルにたっぷり用意されています。気になるお味は、んー、至って普通のシャンティでした。私達が日常によく食べるような、あの生クリーム。ふわふわで甘くて、動物性脂肪を感じるフレッシュな生クリームです。先ほどのぽってりとしたシャンティの後だったので、少々拍子抜けしてしまいましたが、今やこれが現代のシャンティですね。ちなみにレストランのHPサイト内でのレシピではCrème Crue(生のクリーム使用)と紹介されているので本来は無殺菌クリーム使用、ということなのでしょう。こちらのシャンティも勿論美味しかったですが、せっかくならばル・アモーでのシャンティの方が私個人的にはお勧めかな、と思います。

クレーム・シャンティの発祥の地、シャンティで、かつて天才料理人ヴァテールが発案した本物のシャンティを是非ご堪能下さい。

Le Domaine de Chantilly【シャンティイ】
SNCF パリ・北駅(Gare de Nord)からクレイユ(Creil)行きで約30分。Chantilly-Gouvieux駅下車。
お城までは駅から森の散歩道を抜け、徒歩約30分。

Le Hameau【ル・アモー】
シャンティイ城横、公園内
Terroirs et Chateau
BP 80411 60635 Chantilly Cedex
Tel : 03 44 57 46 21
Fax: 03 44 57 28 23
営業時間: 12:00~14:00 (ランチ)/ 15:00~18:00(ティータイム)
定休日 3月中旬から11月中旬の火曜日(季節によって変更もありますので要確認)
*お食事の場合は要予約

La Capitainerie/Les cuisines de Vatel【ラ・キャピテヌリー】
Chateau de Chantilly (シャンティイ城内)
Tel : 03 44 57 15 89
営業時間: 12:00~14:00 (ランチ)/ 15:00~18:00(ティータイム)
定休日 火曜日(シャンティイ城に同じ)
http://www.restaurantfp-chantilly.com/fr/page/histoire.php
*お食事の場合は要予約

Office de Tourisme Chantilly【シャンティイ観光局】
60 avenue du Marechal Joffre BP233 60500 Chantilly
Tel : 03 44 67 37 37
Fax: 03 44 67 37 38
営業時間:9:30~12:30 / 13:30~17:30 (月~土)、10:00~13:30(日・祝、5月~9月)
定休日 10月~4月の日・祝
http://www.chantilly-tourisme.com/

【シャンティイ城・公園についてのお問い合わせ先】
17 rue du Connetable 60500 Chantilly
Tel : 03 44 27 31 80 (月~金 9:30~17:30)
Fax: 03 44 54 90 73
E-mail: reservation@domainedechantilly.com

【Le Parc et Jardin 公園と庭園】
開園時間 10:00~20:00 (受付は18:00閉館) *冬季になると変更の可能有
単独入場料 6ユーロ(その他お城とのセット料金あり。)*大人同伴の18歳未満は無料
http://www.chateaudechantilly.com/chateauchantilly/fr/chateau/parcetjardin.html

■お得なパス料金
Le Pass Domaine de Chantilly
お城+公園+大厩舎+スペクタクル(Chevaux en Fete) 19ユーロ(大人) / 8ユーロ(子供)
Le Pass Spectacle
お城+公園+大厩舎+スペクタクル(Les Princes de Chantilly又はNoel, le Cheval et l’Enfant) 28.5ユーロ(大人) / 15.5ユーロ(子供)


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>