美味しい豚はここにあり! Le Grand Pan

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パリ15区、ジョルジュ・ブラッサンス公園のすぐ側に佇む閑静な住宅街の角地。静かな周辺とは裏腹に扉を開けると店内を埋め尽くす賑やかな常連客達。長い木のテーブルがアットホームな空間を広げ、奥からはいい香りが出迎えてくれる。

ここは美味しい南西料理が頂けるビストロ、「ル・グラン・パン Le Grand Pan」。パリでもバスク料理で人気のビストロ「ル・トロケLe Troquet」のオーナーでもあるクリスチャン・エシュベスト氏(Christian Etchebest)と共にブノワ・ゴーティエ氏(Benoît Gauthier)が2番目にオープンさせたビストロです。(エシュベスト氏は後、3店舗目となる「ラ・カンティーヌ・デュ・トロケLa Cantine du Troquet」も14区にオープン)。明るさと優しさを兼ね備えた人柄がとても気さくで親しみやすいブノワシェフ。3つ星「ル・グラン・ヴェフールLe Grand. Véfour」出身の彼、その後「ル・トロケ」にてスーシェフに着任。エシュベストシェフと共にパンチのきいたビストロならではのバスク料理に腕を振るったその後、2007年にここ「ル・グラン・パン」をオープンさせました。店名ともなっている「ル・グラン・パン Le Grand Pan」は側に立地するジョルジュ・ブラッサンス公園にちなみ、かつてのフランスのシャンソン歌手、ジョルジュ・ブラッサンス(Georges Charles Brassens 1921-1981)の名曲「Le Grand Pan」からとったもの。ギリシャ神話に出てくるお酒飲みの牧神パーンPanのことで、山羊のような足と角をもった神のこと。ワイン好きでもあるブノアシェフ、そしてエシュベスト氏両者の想いもちらり垣間見られる店名。店内にはそのフレーズが壁に書かれています。

素材に拘り、それぞれが持つ旨みを最大限に引き出した料理を提供すること、そして美味しいワイン!その種類も見事な品揃えです。気軽にワインを注文し、そしてお腹一杯熱々の料理を頬張りたい。魚はブルターニュから、牛肉はアキテーヌ産(Blonde d’Aquitaine)、豚肉はバスク産のイバイオナ(Porc Ibaïona)、仔牛はバスク産のモレオン(Veau Mauléon)。そして生ハムやソーシッソンなどは今やパリの星付レストランも御用達、ハムは金賞受賞も獲得しているバスク地方でも有名なシャルクトリー「ルイ・オピタルLouis Ospital」のもの。ブノワシェフの手にかかればテーブルの上は湯気立つお皿で一杯。つまり店内はあっという間に満席なのです。

カウンターバーではかけつけの一杯を楽しんでから席に座る常連さんも少なくない。と同時にこのカウンターでも着席してランチを頂くことも可能。埋め尽くすテーブル席に溢れ、ハイチェアで舌鼓を打つお客さんもバーを囲んでいます。又奥のフロアは団体さんも可能な少し大き目のスペース。

この日は木の長テーブルに着席。隣のお客さんと肩を並べ、それが又ほっこりと心地よいのです。

まずはここに来たならソーシッソンから始めたいもの。シャルクトリー4種盛り「4 Assiettes de charcuterie de chez Louis Ospital (8ユーロ)」。バスクの有名なシャルクトリー、「ルイ・オピタル」の旨みが凝縮したソーシッソン4種。手前から通常のソーシッソン。しっとりと柔らかく脂がまろやかで甘いのが印象的。優しくマイルドな味わいはパンなしでもパクパクと手が出る美味しさ。その奥の少し黒いものはブーダン。ドゥミ・セッシェされていて非常に柔らかく、それでいて全く臭みもないのが素晴らしい。温かいブーダンも食べてみたい!とそそられる美味しさです。そしてその次がチョリゾー。こちらも程良い柔らかさ。そして肉の旨みを感じたその後にスーッと後を追う辛みが口の中を爽やかに刺激。酸味と辛み、そして塩分のバランスがとれた一品。そして最後一番奥はアンドゥイユ。これもほとんど臭みがなくてマイルドな美味しさ。それでも味の中に腸の旨みをしっかり感じることができるのです。個性的なアンドゥイユの味は苦手な方も多いかもしれませんが、きっとこれなら手が伸びるはず。付け添えのピクルスと共に是非。とても辛いけれど、後引くフレッシュなみずみずしさがたまらない。

さて、これだけでワインが進みそうですが、温かい前菜を。パネのスープ、クルトンとチョリゾー添え「Soupe de Panais, croutons et chorizo (8ユーロ)」。パネは冬に出回るヨーロッパ原産のニンジンような根菜でパースニップとも呼ばれたりします(別名アメリカボウフウなど)。香りが立つニンジンのような味わいで実は火を入れるとホクっとする為、芋のようにスープやピュレなんかにして大活躍するお野菜のひとつ。甘みのあるねっとりとした味わいになります。ブノアシェフの仕上げるパネのスープはとっても甘くてとろりと濃度のあるもの。なめらかなその甘さを引き立てるように香ばしいクルトンとカリカリにしたチョリソーが散りばめられています。冬ならではのあったかスープです。

メインはもちろんスペシャルの豚を頂きましょう。バスク豚と言えばイバイオナ。ルイ・オピタルから届いた新鮮なイバイオナ豚を骨ごとローストしたもの。 「Cote de Porc Ibaïona de chez Louis Ospital (40ユーロ/お2人様~)」。香りが抜群に香ばしい!滴るジュは決して脂っぽくなく透き通った美しい輝き。身は柔らかくしっとりとしていてとてもジューシー!思わず声がでる絶品です。脂身部分がこれまた甘くて何とも言えない。結構なボリュームで胸やけしそう?と思いますが、やはり美味しい脂身はするりと咽を通るものです。お供には甘いポティマロンのピュレとサラダ・マスクラン、そしてお肉にはやっぱりフリット!本当に湯気が立っているほっくほくのフリットは黄金色でたまらぬ美味しさ。とにかくあつあつなのでやけどをしないようにご注意を。旨みがきいた濃厚なお肉と一緒にフリットを口に運ぶと何とも言えぬ幸福感なのです。

ふぅー、とお腹も心も満たされた所で、胃を切り替えデザートも頂きます。お口をさっぱりとするにはちょうどよい洋梨のコンポート「Poire Pochée au sirop aromatisé avec herbs(7ユーロ)」。食後にぴったりな上品なお味はハーブのシロップで煮込まれているから。スプーンをさせばトロンと崩れ、ポタポタと口に広がる繊細なポワール。とてもジューシーでした。付け添えのキャラメル風味のパウンドケーキがとてもしっとりしていてこれだけでもおかわりが欲しい感じ。そしてもう一品は躍動感溢れるモンブラン、「Mont Blanc façon Grand Pan(7ユーロ)」。絞りたてのクリームは空気をたっぷり抱き込んでいてフワフワととても軽い口当たり。底にはミルキーなメレンゲがカリカリと口の中で混ざり合い、とってもバランスがよくて次々と手がでます。周りにはキャラメルソースをタラリ。先程のボリューム満点なお肉で一杯になったお腹もなんのその。

ランチタイムを終えた後、常連のお客さん達に声をかけながらカウンターバーで団欒しているブノワシェフ。彼を慕い、そして彼の料理を食べたくて自然に集まるみんなの笑顔の輪がそこにはありました。

「僕にとって最高の仲間達なんだ!」まるで家族を思うような笑顔で紹介してくれたキッチンスタッフの皆さん。彼らの穏やかな笑顔とシェフの優しい眼差しがここの美味しい料理の最高のエッセンスであることはきっと間違いないだろう、そう思えたとても心地よいお店でした。

熱々のお料理をお腹一杯頬張りたいならル・グラン・パン!美味しい豚はここにあり!

Le Grand Pan【ル・グラン・パン】
20 rue Rosenwald 75015 Paris
Tel : 01 42 50 02 50
営業時間: 12:00~14:00 /19:30~23:00
定休日 土・日
メトロ13番線Plaisance / 12番線Convention

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