パリで大人気の『タジン』とは? L’Atlas
昨年2006年のクリスマスに、パリで恒例の大手デパートによるショーウインドウのイルミネーションがありましたが、その1作品でも紹介されていたモロッコ料理タジン。そんなタジンも今ではパリでもちょっとした人気メニューであります。沢山のお野菜や肉(モロッコでは主に鶏、羊、牛、鳩を食べるようです)やヒヨコ豆などを、専用のとんがり帽子のようなとがった蓋付きの土器・タジンで、しっかりじっくり蒸し焼きというか蒸し煮にするこのお料理。この土器の形と特質が素晴らしく、水を加える事無く調理する事ができ、且つ材料の水分を外へ逃がさないという特徴を持っており、肉や野菜の旨みをしっかり吸収しつつしっとり火を入れる事ができるんです。そんな味わい深い具とソースをスムールという小さな粒状のセモリナ粉を蒸したものと一緒に頂くお料理。スムールは、クスクス Couscousというスパイスを効かせた野菜とお肉のスープをかけて食べる料理でも使われる、モロッコでは主食のような存在。絡めて食べればもう病みつきになってしまいます。
ということで、美味しいタジンと言えばここ、L’Atlas。パリにも数々のモロッコ料理店がありますが、本場の皿を味わいたいなら是非こちらへ。
いかにも現地のレストランを訪れたかのような内装がまずはお出迎え。異国ムード満点の装飾品を見ながら着席。決して美しく豪華な店構えではありませんが、味は確実!最初は空いていたはずのお店、あっという間に満席です。予約する事をお勧めします。
まずはモロッコお決まりの定番、ほんのりクミンとカレー風味の甘辛ニンジンの付だしをちびりちびりとつまみながらメニューをじっくり見ていきます。前菜には一般的にはラマダン(断食)の日没時に飲まれるという『アリラスープ(Harira 9ユーロ)』をオーダー。通常は「ハリラ」ですが、フランスでは「アリラ」と発音します。お肉とタマネギ、ヒヨコ豆にお野菜をふんだんに使い、スパイスを効かせてじっくり煮込んだトマトベースのスープ。味がきっちりまとまっていてとっても美味しい。ちょっとレモンを絞ると味がぐっと引き締まって違う美味しさに。そうしているうちにもう一つの付だし、なつめやし(Datte ダット)が。甘くて柔らかくて、体にもいいダットはフランスでも普通にスーパーで売っているもの。食欲をそそるスープ、とでもいいましょうか。色々な材料が凝縮したお味です。また、ちょっぴりパサパサしていますが、噛めば噛むほど味のあるサイドの大きなパンが空腹を満たします。
パンは程々にして、いざメイン、タジンへ。種類も豊富で迷いますが、私は『タジン・ケフタ(Tagine Kefta 19ユーロ)』という、スパイスタップリのジューシーな肉団子がゴロゴロと入った何ともボリューム満点なタジン。ご想像の通りソースもジューシーで、お野菜、豆がたっぷり。付添えのスムールもたっぷり付いてきます。細かいスムールがソースをしっかり含んで口の中で一気に広がります。連れは『鳩とキノコのタジン(Tagine de pigeon aux champignons 24ユーロ)』を。鳩がしっとりしていて非常に柔らかく、旨みも肉汁もタジン器のお蔭でしっかり封じ込められています。こちらのソースにはエピスがしっかり効いていてとても美味。しかも濃厚!!ソースはドロっとしていて正に凝縮の証。喉がうなります。お隣を除きこむと、お肉や野菜が串刺しになったブロシェット、カバブ(Kabab)をスムールと共に豪快に食べておられ、それまた魅力的でしたが、ここでギブアップ。スムールが胃の中でどんどん膨らみお腹も一杯になりました。ソースの中にはレーズンやシナモン、アーモンドなどが使われ、味の強弱と食感のインパクトがとても◎。 また、モロッコでは当たり前の香辛料、アリッサ(Harissa 通常はハリサと発音)という、赤唐辛子・オリーブオイル・ニンニクなどで作るペースト状の辛い辛い薬味をタップリつけて食べるのが常で、レーズンを見つけながら、辛いと甘いの狭間を楽しむのがまた奥深い味わいです。
お腹は一杯になりましたが、お肉も脂身が少ないもの、又バターは一切使用していないし、勿論油脂はオリーブオイルがメインいうお国。とてもヘルシー。野菜の、そして肉の脂とエキスそのものでナチュラルに頂けるので何だか胃もラクチンです。
そして忘れてはならないのがデザート。モロッコと言えば揚げ菓子。そしてパート・ダマンドを使用したお菓子が多い事も特徴です。今回はちょっと欲張って皿盛りデザート(Pâtisseries marocaines 9ユーロ)を注文。パイを揚げて甘密をたっぷり絡めたものや、ダットでパート・ダマンド(マジパン)を挟んだ飾り菓子。んー・・・甘い!
最後の最後に胃がどっと重くなってしまったようですが、そこは最後にミントティーでサッパリ洗い流します。名物でもあるミントティーはオーダーすると特製の銀ポットと共にサーブしてくれ、目の前で銀ポットを高―く持ち上げて小さなコップに注ぎ入れてくれます。このパフォーマンスを見るのも楽しみの一つ、とでも言えましょうか。
ミントティーはノーマル(Thé à la Menthe 5ユーロ)に加え、食べすぎた胃を安らげ、消化作用を促す松の実をタップリいれたもの(Thé aux pignons 5ユーロ)もお勧め。松の実は別添えですので好きなだけ入れながら頂く事ができます。
これまた甘い甘い飲物ではありますが、フレッシュなミント葉の香り漂うクセになる飲物。口もサッパリして私は大好きです。
熱々のタジン。そして旨みの凝縮とその香りを是非味わってみて下さい。在仏モロッコ人が作る本場のモロッコ料理。是非お験しあれ!
L’Atlas 【ラトラス】
12 boulevard Saint-Germain 75005 Paris
tel : 01 44 07 23 66 又は 01 46 33 86 98
fax : 01 40 46 06 56
営業時間 : 12:00 – 14:30 / 19:30 – 23:00
休日 : 月
メトロ : 10番線 Maubert-Mutualité
予算 : 一人約40~50ユーロ
by junko on 2007-08-27 [普段着のレストラン]
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