フランスの伝統菓子を La Vieille France

ラ・ヴィエイユ・フランス外観以前この hayakoo でもご紹介した、パリ19区ビュット・ショーモン公園(Parc des Buttes Chaumont)からもほど遠くないところにノスタルジー溢れるパティスリー「ラ・ヴィエイユ・フランス(La Vieille France)」がある。
「ラ・ヴィエイユ・フランス」は、「古きゆかしきフランス」とでも訳せばより雰囲気を感じていただけるであろうか。

オリヴィエ(Olivier)さん、シルヴィー(Sylvie)さんのエルマべシエール(Hermabessiere)夫妻が切り盛りするこの小さなお店、今では地元住民にはなくてはならないパティスリーとなっている。(写真は左から、オリヴィエさん、シルヴィーさん、スタジェの由佳さん。)そもそも、この「ラ・ヴィエイユ・フランス」の歴史は長く、創業は1834年。
オリヴィエさんのお祖父さんから、お父さん、そしてオリヴィエさんへと3世代に渡り引き継がれてきたパティスリーである。
創業当時、モンマルトルのルピック通りにあったお店は、お父さんの代になり、6区オデオンのビュッシ通りへと移転。コロンバン建築の美しい建物が使用されていたそうである。その後、1989年には2店目として19区のお店をオープン。このお店をオリヴィエさんらが引き継ぎ、現在に至っている。(なお、現在「ラ・ヴィエイユ・フランス」はこの19区店のみ。)

ラ・ヴィエイユ・フランス店内 ラ・ヴィエイユ・フランスのオリビエさん、シルヴィーさん、スタージィエの由佳さん。

この「ラ・ヴィエイユ・フランス」、実は我々日本人との縁も深い。過去、何人もの日本人パティシエ達がここでお菓子作りを学び飛躍していったそうで、驚いた事には、その彼らが今でも絶えず近況を連絡してきてくれるのだとか。ひとえにエルマべシエール夫妻のお人柄からだろう。お話を伺っている間、私にもそれがよく感じられた。現在スタージュ中の由佳さんも、「とても楽しくアットホームな環境の中でフランス伝統菓子を学んでいる。」とおっしゃっている。

ラ・ヴィエイユ・フランスのケーキの包みまず、見ていただきたいのがお店の包み紙に描かれているデザイン。とてもノスタルジックなところが気に入っている。
左側のデッサンは 1934年当時のお客さん、右の方は1984年のお客さんの様子(ファッション)を比べ描いたものだそうである。
彼女らの手にしているトライアングル型ケーキの包みが、現在もなお変わらない・・・・・・・のが面白い。

さて、それではそろそろショーケースに並ぶおいしそうなケーキについてお話を伺ってみよう。
さ~っと見渡したところ、ムースを使用したものは極めて少なく、圧倒的にクラッシックな焼き菓子が目に付く。シルヴィーさんがおっしゃるには、「フルーツなどを使用するケーキは、その季節のフレッシュなものが出回る時しか作らないので、この季節(冬季)は、焼き菓子が多いの。」と徹底したこだわり。

まずは「ミルリトン(Mirliton 2,90ユーロ)」。コロンとした底部が可愛らしいイル・ド・フランスの伝統的なお菓子だが、今では作っているところも殆ど無い、いわば幻のお菓子。パイ生地にフルール・ドランジュ風味のアーモンドクリームを詰め、アーモンドスライス、最後に粉糖をまぶして焼き上げた素朴なお菓子。初代お祖父さんのルセットである。

ラ・ヴィエイユ・フランスのボルドレーズ、ミルリトン、マカロン・ナンシー、ランゼール ラ・ヴィエイユ・フランスのオペラ、タルト・オ・シトロン、ラ・ヴィエイユ・フランス

「ボルドレーズ(Bordelais 3ユーロ)」は、サクッとしたタルト生地に、オレンジのコンフィーが入ったもの。「ランゼール(Linzer 2,90ユーロ)」は、サブレ生地の中にフランボワーズジャムがタッブりと詰められた焼き菓子。(写真は左奥から、ボルドレーズ、ミルリトン、マカロン・ナンシー、ランゼール)
このお店の名前が付けられた「ヴィエイユ・フランス(Vieille France 3ユーロ)」は、パイ生地の中にリンゴのコンポート、レーズン、胡桃を閉じ込めたアップルパイ。シナモンがよく効いており、素朴な美味しさ。次に「タルト・オ・シトロン(Tarte au Citron 3ユーロ)」。このタルトは、ビュッシ通り時代のルセットを使用しているとのこと。パリでは1番古い「タルト・オ・シトロン」のルセットだと謳われている。(写真は奥から、オペラ、ヴィエイユ・フランス、タルト・オ・シトロン)
又、「ポンパドール(Pompador 3,80ユーロ)」は、F のロゴ入り。カフェクリーム、アーモンドの香り、そして、メレンゲが口の中で溶けていくような何だか不思議な食感。得体は知れないが、美味しい。「モンブラン(Mont-Blanc 3,80ユーロ)」は、メレンゲにチョコレートのグラッサージュをかけ、マロンクリームを施してあり、しつこくなる甘さが控えられている。

ラ・ヴィエイユ・フランスのポンパドール、モンブラン ラ・ヴィエイユ・フランスのフルーツケーキ

クラッシックな「フルーツケーキ(Gâteau aux Fruits)」も、アーモンドや、アンジェリカなどがふんだんに使われており、美しい焼き上がりである。このようにどのケーキも、美味しそうで何処か懐かしさが感じられるものばかり。
今回、写真は無いのだが、シルヴィーさんもお気に入りの「フラン(Flan)」は、今までに食べた事のない美味しさ! プリンプリンしておらず、まるで、カスタードプリンか、エッグタルトのような食感なのである。いつも店頭にあるとは限らないので、もし見つけたら自分は幸運だと思って欲しい。

これから、パックにかけチョコレートもお薦め。開店当時は、「何でカマンベールの箱なんて置いてるの?」と、見向きもされなかったこのチョコレート用パッケージが最近では大好評らしく、わざわざこちらに詰めてくれるよう頼むお客さんもいるそうである。
ラ・ヴィエイユ・フランスのチョコレート ラ・ヴィエイユ・フランスのカマンベール型チョコレート箱
最後に、驚きの話をもう1つ。皆さんは、勿論フランスの伝統的ノエルのケーキ「ビュッシュ・ドゥ・ノエル(Bûches de Noël)」をご存知の事だと思う。そう、あの薪を模ったバタークリームたっぷりのケーキ。何と、あれを生み出したのはオリヴィエさんのお祖父さんなのだそうだ。今年のノエルは、「ラ・ヴィエイユ・フランス」の元祖ビュッシュ・ドゥ・ノエルを試してみるのもよいのではないだろうか。 

下記は、ここ「ラ・ヴィエイユ・フランス」にてフランス伝統菓子を学ばれ、現在日本で活躍なさっている方々のお店と、その住所をご紹介しておきます。ラ・ヴィエイユ・フランスから引き継がれたフランスの味をお楽しみ下さい。

La Vieille France [ラ・ヴィエイユ・フランス](木村成克氏)
東京都世田谷区粕谷4-15-6 グランデュール千歳烏山1F
Tel : 03 5314 3530
営業時間 : 10時~19時30分
定休日 : 不定

Montagne [モンターニュ](代表取締役 小野智人氏)
浜松市南区石原町319
Tel : 053 426 3650
営業時間 : 9時~21時
上記の他4店あり
la-montagne@indigo.plala.or.jp

Visitandine[ヴィジタンディーヌ](滝川奈緒子さん)
千葉県四街道市和良比313-63
Tel : 043 432 6206
営業時間 : 金曜~火曜日 10時~17時30分
定休日 : 水、木曜日
www.visitandine.com

現在スタージュ中の早川由佳さんのブログ
les-pastilles.com

La Vieille France【ラ・ヴィエイユ・フランス】
5 av de Laumière 75019 Paris
メトロ :5番線:Laumière
Tel : 01 40 40 08 31
営業時間 : 火曜~日曜日9時~20時
定休日 : 月曜日、8月

by chiharu on 2009-03-17 [スイーツの都]

 

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