素材にこだわるガストロノミーのブーランジェリー La Boulangerie Thierry Marx

フランスでも、メディアなどに登場する有名なシェフの一人であるThierry Marx(ティエリー・マルクス)氏。マンダリン・オリエンタル・ホテル・パリ内の2ッ星レストラン「SUR-MESURE par Thierry Marx」のシェフでもある彼が、今年6月、パリ8区に彼のブーランジェリーをオープンさせている。

店内は、Mathilde de l’Ecotais(マチルド・ドゥ・レコタ)が手掛けたモダンなデザインとなっている。漆黒と、白をベースとしたシックな空間の中央には、ハチミツ色の大きな木製のテーブルと、スクーターのシートを模したような椅子が配されており、とてもユニーク。テイクアウトだけではなく、こちらでイートインも出来るようになっている。

料理人として名を馳せるマルクス氏だが、実は、料理を始める以前にはバゲットで有名なBernard Ganachaud(ベルナ―ル・ガナショー)氏と共に働いたことがあるのだとか。それ故に、パンに対する思い入れも中途半端なものではないらしい。後には、パティスリー・ショコラティエ・グラシエのディプロムも取得している。
「La Boulangerie Thierry Marx」のコンセプトは、「Fast Casual (ファースト・カジュアル)」。あくまでも、ナチュラルなパン作りにこだわり、使用する小麦粉は全てBIO、バターは、ノルマンディーやポワトゥー・シャラント地方のもの、シャルキュトリーは、ジル・ヴェロからと、厳選された材料や食材を用いている。

美味しそうなパンが並ぶ中、バゲット・トラディション(1,10ユーロ)を試してみた。しっかりと焼き上げられた外観は、見ているだけで食欲がそそられる。少し栗色がかった切り口から、漂う香ばしいノワゼットの香りがたまらない。外は、カリカリ、中身は、もっちりとしたバランスのよいバゲットである。その他には、セイグル・パンや、栗粉のパン、米粉のパンなど、大型パンも揃っている。

ヴィエノワズリーも美味しそうだ。クロワッサン(1,10ユーロ)は、しっかりと大きめなサイズ。外は、細かいザクザクとした食感なのだが、大きな気泡穴を含んだ中身は、もちっとしている。しつこさのない、柔らかなバターの風味と、甘さが自然体で美味しい。パン・オ・ショコラ(1,30ユーロ)も、サイズは大きめ。パンの中には、かなりの気泡穴があり、甘さ控えめのショコラが強調し過ぎず、食べ易い。個人的にお勧めは、パン・オ・レザン(1,60ユーロ)。フォルムも美しく、上品な甘さと、レーズンのジューシーさが癖になる美味しさ!

親日家としても知られるマルクス氏が、巻き寿司からのインスピレーションで作り出した新しいスタイルのサンドイッチ Breadmakis(ブレッドマキ7ユーロ~)も、忘れてはならないスペシャリテの1つ。「SAIEYA(サラダ・ニソワーズ)」や、「TSUKIJI(エビ、アボカド、グレープフルーツ)」などの様に、これまでに訪れたグローバルな旅行体験から得た各地の郷土料理が、食パンの中にギュッと詰め込まれている。

パティスリーも、タルト・シトロン、タルト・ショコラ・ノワール、フラン・ヴァニーユなど、シンプルだが、美味しそうなものが並ぶのだが、中でもお薦めは、マルクス氏による Tarte Mâtre(タルト・メートル)。リンゴのコンポートの上を覆うマカロン生地の美味さは、是非、試していただきたい一品である。

パンは、フランス人の食卓(フランス料理)において、欠かせない一部。それを考慮しながら焼き上げられるガストロノミー・シェフのパンは、期待を裏切らないはずである。

La Boulangerie Thierry Marx【ラ・ブーランジェリー・ティエリー・マルクス】
住所:51 rue de Laborde 75008 Paris
Tel:01 45 22 95 20
メトロ:9番線 St Augustin、または9・13番線 Miromesnil
営業時間:月曜~土曜日 7時30分~20時
定休日:日曜日
HP:www.thierrymarxlaboulangerie.com
51 rue de Laborde 75008 Paris

毎日のパン

chiharu について

パリ在住15年。パリにて、フランス料理と、パティスリーのディプロムを習得。日々の暮らしの中で見つけたパリらしいグルメや、素敵なものをご紹介していきます。

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