ギリシャ・キプロス料理の熱々ムサカ KAZAPHANI
11区のはずれに家族経営で切り盛りするあったかい雰囲気のギリシャ料理レストランがあります。パリにはよくあるギリシャ料理、がしかし、ここはギリシャというよりは珍しいキプロス料理。東地中海に浮かぶギリシャ・キプロス島。丁度エジプトとイスラエルの真向かいに位置するという小さな島・カザファニ(Kazaphani)にあるシプリオット(Chypriote)村出身の一家。店内にはご両親の絵が飾られ、懐かしき故郷の美しい街の絵も飾られています。「うちはギリシャ料理というよりは、典型的なシプル(シプリオット村の)料理なんだよ」。笑顔でメニューの説明をしてくれるムッシュー。一つずつ本当に丁寧に。
コースは18・23ユーロ、グループ用に29・35ユーロが用意されているけれど、今日はゆっくりとスペシャリテを堪能したくて単品をチョイス。
まずアミューズにやってきたのはフレッシュフヌイユ、ラディッシュとオリーブ。このオリーブ、オリジナルの味付けで非常に美味。味は少し濃い目だけどしっかりしていてついつい手が伸びます。ワインは日常によく飲まれるというギリシャワイン「ネメア NEMEA (10ユーロ 1/2サイズ)」を。ほんのり甘めで飲みやすい!と思っていたら、後からじわじわとパンチが利いてきます…。ご用心。
前菜は名物が一気に楽しめる盛り合わせ「ピキリア・シプリオット Pikilia Chypriote (15ユーロ)」。ピリ辛キュウリとヨーグルトミントのクリーム、ギリシャきのこのソテー、オレガノ風味のコショウムース、タコのオリーブオイル和えレモン風味、ナスのピュレ、豆の煮込み、タラマクリーム、ヴェトラーブ(ビーツ)の和えもの。簡単に言うとこうなりますが、どれも「ん?」と思わす隠し味の利いた個性あるお味ばかり。タラマは日頃食べてはいたけれどここのは違う!非常に濃厚で味に深みがあり、それでいてとってもクリーミー。どれもしっかり味がついていてお供のパンが進みます。またこのパンがとっても美味しい。窯から出したてでホカホカ。噛みしめる度に香ばしい粉の味わい。このパンにこのオードブルを挟んでサンドウィッチでも十分じゃない?と思う位なのです。甘めのワインが程良く中和。なるほど、と納得。
そしてメイン。お目当ては何といってもスペシャリテの「ムサカ Moussaka (14ユーロ)」。可愛い素焼のココットで登場。こんがり焼けた表面のチーズをスプーンでサクッとさせば、ふわ〜!湯気が顔一面を覆い、ジューシーな香りが鼻を刺激。挽き肉とナスのグラタンなのだけれど、ミントが効いていてとっても美味しい。肉厚のナスはトロトロに崩れお肉の旨味をしっかり吸い込んでいて何とも言えません。何よりも本当に最後の一口まで湯気が残っているくらいあっつあつ。
もう一品は豚肉のソテー、「アフェリア Afelia (15ユーロ)」。赤ワインとコリアンダーの実でしっかりマリネしたものを香ばしく焼き上げたコロコロステーキのようなもの。驚くほどに柔らかく、また口に運ぶ瞬間にふっと香るコリアンダーの香りがすごく上品。中華料理で感じるコリアンダーの香りとは別物。ほくほくのジャガイモをつぶしていただくと美味しさも倍増。どちらもたっぷりのサラダが添えてあって食べ応え満点。
せっかくならばデザートも、と名物の「バクラヴァ Baklava (7ユーロ)」を注文。たっぷりの木の実とアーモンド生地をパータ・フィロ生地で包み込んだパイ。フォークをさすとじゅわっと染み出るハチミツ。お皿が一気にハチミツまみれになるほど中に潜んでいました。こちらは食後には少々甘いかな?と思いましたが、これも現地の味。島で収穫されるもので作りだされる故郷の味です。食後にはクリームとブランデーをおとした「カフェ・グレック Café Grec(7ユーロ)」やクリームとオー・ド・ヴィをおとした「カフェ・シプリオット Café Chypriote(8ユーロ)」、ベネディクティン酒(ベネディクト修道会で作られる甘いリキュール)をおとした「カリュプソ・コーヒー Calypso Cofee(8ユーロ)」など、食後酒に匹敵するべくカフェメニューも色々あって面白い。
どのお料理も丁寧に作られていて心がこもっているな、と感じること。お母さんの味のようなほっとした味わいの中にも洗練されたものがきらり光る、ような。美しき地中海を臨むキプロス・カザファニ島のシプリオット村。ふと現地を見たような、そんな気分です。「あれが僕の故郷、綺麗な村だろう?」と店内入口の絵を指すご主人。その優しい笑顔、故郷を想う思いがここの自慢のお料理に沢山詰まっています。
【カザファニ KAZAPHANI 】
122 Avenue parmentier 75011 Paris
Tel : 01 48 07 20 19
営業時間 12:00〜15:00 / 19:00〜0:00頃
定休日 : 月曜日
メトロ : 3番線 Parmentier
by junko on 2008-02-11 [普段着のレストラン]
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