子供たちのギニョール Théâtre de Marionnettes du Luxembourg
フランスの子供達に大人気の人形劇、ギニョール。マリオネット(操り人形芝居)と言ったりもします。リュクサンブール公園に出掛けると立寄る場所、「マリオネット劇場」。園内の中央、子供広場にあるメリーゴーランドのすぐ隣。ブランコ、ジャングルジム等に隣接しており、さっきまで夢中で遊んでいた子供達がギニョールの始まりの鐘の音と共に「ギニョールー!」と叫びながら一斉に集まってきます。
さて、そのギニョール。始まりは19世紀初頭。絹織物で知られるリヨンにいた絹織物工の、ローラン・ムルゲさんによって作り出されたものです。ムルゲさんはフランス革命後に失業してしまいましたが、その後この人形劇で注目を浴びます。織物工だった彼は主人公ギニョール、妻のマドロン、靴職人のニャフロン等の人形を作りお芝居を始めたそうです。ギニョールとはその主人公の男性の名前からきていたんです。
ここ、リュクサンブール公園で1933年からこの劇場を守り続けていらっしゃるのはフランシス・クロード・デザルティスさん。今は亡きクロードさんの父、ロベール・デザルティスさんが創設者でしたが、彼がこの世を去ってからはクロードさんがこのお城を守り続けています。人形劇学校で技術を学ばれたというクロードさん、上演に関するあらゆるノウハウを習得し現在に至ります。この日も椅子の埃を指で拭い、「子供達が座るのにこんなに汚れていてはダメ」とスタッフに指示している姿も見られました。亡き父は役者さん、おじいさんは玩具職人だった事が二人を後押しし、当時は親子二人で人形作りも手作業、シナリオはオリジナルものと伝統的な童話を準備、舞台も完全手作り。そんな夢の詰まった劇場なんです。
立ち寄ったこの日は「3匹の子豚」と「古いお城」の上演。私は「古いお城」を観る事に。開演10分程前になると受付が開き、早く早くとお母さんの手を引っ張りながら子供達が集まります。暫くすると、「始まりますよ~」という合図にクロードさん自ら周辺をカランカランと鐘を振って歩きます。その音を聞いてまた走ってくる子供達。場内は前4列は子供優先席。大人は後方か両脇に設置された折畳み椅子へ着席。外の鐘の音が鳴り終わるとカーテンが閉じられ、真っ暗になり中央の舞台にライトが灯ります。「ギニョール!ギニョール!ギニョール !」子供達が手を叩きながら精一杯叫び始めます。
さてさて、ギニョールが登場すると一斉に歓声が上がります。「ボンジュール!レザンファン!サ・ヴァ~?(こんにちは、子供達のみんな!元気かい?)」、ギニョールが問いかけます。すると子供達は元気よく、「ウィ~~!サヴァ・ビヤーン!(うーん!元気だよー)」。物語が始まり、暗い森の奥へ向かう時、「森に行くけどみんなも一緒に行くかい?」と言えば、「ウィ~!(う~ん!)」、「怖くないかい?」-「ノ~ン(怖くな~い!)」。一生懸命答える子供達は本当に可愛らしいです。
15分程経過したらカーテンが開き、5分程の休憩。この時ぞとばかりにお母さん達は我が子にお菓子を与えに行きます。これがまたほぼ皆さんなんです。休憩の間も子供達を飽きさせない、なんですね。
そして「ギニョール!ギニョール!」。手を叩き始め、上演再開。森の中、蛇、こうもり、クモがギニョールに悪戯しようと現われると、「ノ~ン!デリエール!(危なーい、後ろ~!)」、「イレ・メシャーン!(彼はいじわるだから気をつけてー!)」。みんなギニョールを助けようと必死に叫びます。
ギニョールの劇はいつも正義の見方と悪者が見てすぐ解かるようになっています。子供達の素直な心が響く瞬間です。45分程の劇、皆でギニョールを応援し、めでたしめでたし。「オルヴォワール!ギニョール~!(さようなら、ギニョール!)」とみんな手を振って終わります。
外に出ると、さっきまで人形を操っていたクロードさん、今度はシナリオ吹込のカセットテープとポスターの販売。チケット売場にいた女性も風船売りに早変わりです。
劇場前には亡き創設者・ロバート・デザルティスさんが1993年に残したメッセージが・・・。
「この60年間ここリュクサンブール公園で時を過ごし、今日まで我が劇場で100万人もの観客の方々と楽しい時を過ごせた事を光栄に思います。小さなお客さん達がいつの日か親になり、そしておじいちゃん、おばあちゃんになり、今度は彼らの孫達を連れてここへ戻って来てくれるでしょう。この後継が消える事無く継続し続けていって欲しい。マリオネットを永遠に・・・」
世代を超えて語り継がれるギニョール。この先もずっと子供達に夢を与え続けてくれる場であって欲しいと願います。優しい気持に戻れ、疲れも子供達の笑顔で癒されます。何よりも子供達の可愛い姿でしょうか。人の手で操っているとは思えない巧みな動き。独特なしゃべり方で耳に残る愛着のある声、そして顔。あなたもギニョールの虜になるかも知れません。是非お散歩途中に立ち寄ってみて下さいね。
Théâtre de Marionnettes du Luxembourg –Guignol-
【リュクサンブール公園の人形劇ギニョール】
Jardin du Luxembourg 75006 Paris
tel : 01 43 26 46 47 / 01 43 29 50 97 (団体予約)
メトロ : 12番線 Notre-Dame-des-champs
開演時間 : 水15:30~、 土・日11:00~/15:30~
入場料 : 4.4ユーロ(子供・大人共)
お土産のギニョール人形 38ユーロ
*上演は1ヶ月に2作。曜日により替わります。場内は撮影禁止ですのでご注意下さい。
この記事に対してコメント、またはトラックバックを送信できます。
トラックバックURL : http://www.hayakoo.com/guignol/trackback/





















我が家の冷蔵庫のドアにギニョールがいるんですよ。フルヴィエールで買ったマグネットのヤツ。貴女のリポート見るとすぐにでも観たくなります!そして食べたくなったり、飲みたくなったり…。この前はプリンを作るつもりで生クリーム用意したのにそら豆のポタージュになってしまいました。
コメント by 母 すみこ - 2007-05-05 @ 10:12 am
母すみこ様。いつも温かいコメントどうもありがとうございます。母すみこさんも、本場リヨンのフルヴィエールで購入されたんですね!美しい丘を思い出してもらえたでしょうか?素敵な記憶も蘇る素敵なキッチンですね☆母すみこさんの作るそら豆ポタージュ、美味しそう~。母の愛は美味しさと優しさがぎっじり詰まってます!今度お邪魔しようかしら?
コメント by junko - 2007-05-05 @ 10:20 am