毎日活気溢れるマルシェ・ダリーグル(Marche d’Aligre パリ12区)の入り口付近の通りには野菜やフルーツで溢れたテントスタンドが張りだされ活気と共に道路をふさぎます。そのテントの背後にも、つまり通常の通り沿いに並ぶブティックも忘れてはならぬアリーグル市場を支えるお店達。パン屋さんに、お魚屋さん、チーズ屋さんなど、1本の通りで一通りの食材が揃えられるだけの様々なブティックが軒を連ねています。そんな通りの並びに小さな門構えの可愛らしいショコラティエがあります。足元凍る早朝の寒い日は店頭でくるくると回るショコラショーがどれだけ凍える体を癒してくれたことか。「グ・テ・エ・ショコラgoût, Thé et…Chocolat」。ここはショコラティエのみならず、サブレやコンフィチュール、紅茶やコンフィなど、とにかく美味しい物好きのオーナーさんが各地選りに選りすぐった美味しいものを職人さんに直談判し、このブティックに持ってきたという、言わばお菓子の産地直送ブティックなのです。
ぼーっと歩いていたら思わずうっかり通り過ぎてしまいそうな小さな入口なので、是非注意深く歩いて頂きたい。

店内はひっきりなしにご近所の常連さん達が今日の贅沢な至福のおやつを買いにやってきます。勿論贈りものを選びにも。甘い香りに包まれたその空間は優しいオーナーご夫妻の熱意ある想いで満たされています。ご主人のイブさん(Yves Filleul)と奥様のアリスさん(Alice)。現在はスタッフのクリステルさん(Christelle)とデザイン・ディスプレイ担当のヴェロニック(Veronique)さんと共に店頭に立たれています。2002年にこのブティックをオープンさせた当時は、ベルギー王室御用達ショコラとして名高い「ガレーGaller」のショコラをメインに、フランスの優秀な作り手達に贈られる「コック・ドールCoq d’Or」が主催するコンクールなどを中心に、厳選された美味しいお菓子などを取り扱うセレクトブティックとして営まれておられました。そして2008年の秋から、Gallerの取り扱いを終了し、何とディジョンのMOFショコラティエ、「ファブリス・ジロットFablice GILLOTTE」の取り扱いを開始。以前当サイトのDijon食べ物編でもショコラのパン・デピスでちらりご紹介したあのショコラティエです。又、2009年のサロン・ド・ショコラにて行われるコンクール「レ・アワード・ドゥ・ショコラ Les Award du Chocolat 2009」に於いて名立たるパリのショコラティエ達をおしのけ、フランスを誇る最優秀ショコラティエに選ばれた話題のシェフ。
なめらかな口溶け、そしてそのガナッシュの巧みな層が素晴らしい、さすがはMOFのショコラなのです。ご夫妻は以前ディジョンにご旅行の際、彼のショコラと出会いその美味しさに一目惚れ。是非にとお願いし、パリでの販売許可をシェフに直談判。勿論ファブリスシェフご本人もパリを訪れ、ここでなら販売してもOK、と確認までしに来られたのだそう。あのディジョンのMOF、ファブリス・ジロットのショコラがこれほどまで種類豊富に揃えられているブティックも、パリではなかなか見つけられないのではないでしょうか。
まずはショーケースの中に並べられた宝石のようなショコラの粒を拝見。キラキラ輝く表面はそのカリテを放ちながら清楚に陳列されています。ショコラは大きく3つのコンセプトに分かれており、ナッツやドライフルーツ系の風味を閉じ込めた「Saveurs de Fruits Sec」シリーズ、植物やエピスで香る「Saveurs florées et épicées des rives lointaines」シリーズ、そしてプロヴァンスな香りを粒にした「Senteur provençale」シリーズにフルーツが閉じ込められた「Caractère fruité」シリーズと分かれています。ヴェルヴェンヌにライムが風味付けられたガナッシュ「Odorante」や、ノアゼットのジャンドゥヤにフランボワーズのパートにバターのヌガティーヌが層となったとても手の込んだ「Sauvagine」は表面が茶色のノアゼットで飾られたショコラ。ハートの模様が可愛らしい「Valentin」はバニラ豊かな塩バターのキャラメルがとろりと挟みこまれたもの。

又、コロンと小さな正方形の可愛いコフレBOXは定期的に発売されるもので、(写真右から)フルーツ風味のガナッシュに、フルーツのジュレを層にしたショコラのコフレ「COULEURS DE BOURGOGNE」、そして花びら舞う和紙のような清楚な小箱は正しく花の香りのガナッシュにフルーツのジュレを挟みこんだショコラの詰合せ「JARDIN PRÉCIEUX」、そして最近発売になったばかりの茶色の小箱「AQUACAO」はベネズエラ、ペルー、コロンビア、エクアドールと、それぞれの原産カカオ豆を使用し、香りをつけたガナッシュにカカオ豆で風味をつけたジュレを挟んだショコラのコフレ。ショコラ好きな食べ比べにピッタリの詰合せです。
「これは絶品よ!」とアリスさんが差し出してくれたのは「JARDIN PRÉCIEUX」に含まれている一粒で、バラの風味のガナッシュの真ん中にフランボワーズのジュレが挟まれたもの。口溶けが非常に心地よいガナッシュにフレッシュなジュレがそのとろみのままに薄く薄く層をなし、柔らかいガナッシュと自然に絡まりながらとろりと口に広がる素晴らしい一粒。そのジュレの薄さといったら1ミリ以下?と思わす程繊細。とっても上品なテクスチャーにフルーティでフローラルな香りが漂います。甘すぎず、香り高く、口の中に長くその余韻を残してくれるショコラ。その他にもタブレットや、パータ・タルティネ「Les Onctueux」、キャラメルやサブレにショコラをまとわせたミニスティックショコラなどもあります。
そして選りすぐり探求心の情熱厚きお二人が取り揃えるその他のラインナップは、パリ郊外Nanterre にアトリエを構える「ジル・クレスノ Gilles Cresno」のショコラ。ラ・メゾン・ドゥ・ショコラやラデュレでも経験を積んだ氏。3年連続でパリ市の主宰するコンクールにて1位を獲得しているというアルティザン。こちらのショコラは生クリームを使用しないガナッシュがスペシャル。秘密はバター。なめらかな口溶けを保ちつつもふわっとした食感が特徴です。
そして、パリ郊外Colombesにアトリエを持つ「レミ・アンリRémi Henry」。レミシェフはパリの老舗カフェ、フーケ(Fouquet’s)で長年シェフ・パティシェを務められていたというグランシェフ。ルノートルやメゾン・ドゥ・ショコラ、カレットなどでの経験を持つ腕利きのパティシィエ・ショコラティエであると共にアルティザン(職人)としてのコンクールでも数々を受賞。

そしてもう1店舗は「ユベール・マスHubert Masse」。以前当サイトにてご紹介しました「パリ近郊の温泉街」、パリから北に14kmの所にある町、アンギャン・レ・バン Enghien-les-Bainsにあるショコラティエ。こちらもパリのアルティザン・コンクール2008年(Grand Concours du Chocolat Artisanal de Paris)優勝者。ラ・メゾン・ドゥ・ショコラ、ホテルブリストルを初め、ロンドンやオーストリアなど世界をまたいで経験を積まれたショコラティエです。ショコラはどのブランドも一律(8,70ユーロ/100g)。1粒からでも勿論購入可能です。「どのショコラティエもコンクールで優勝した時のショコラだけが美味しいのではなく、全てのショコラが美味しいということが重要なこと、それこそが本当に美味しいものを作る本物のアルティザン(職人)よね。」とアリスさん。

さぁそして、ショコラだけならず、美味しい物好きなお二人が取り揃えておられるのがとっておきのコンフィチュール。ラングドック地方にあるSaint Jean du Gardにアトリエを持つ「Le Comptoir des Confitures」。オープン当初からずっと取り扱い続けているここのコンフィチュールは、現地のアトリエでカトリーヌ(Catherine MANOÊL)さんが毎日完全手作りされている天然素材100%のコンフィチュール。季節の果物を重視し、素材本来の甘みを最大限活かせるようによく熟したものを厳選。保存料も着色料も一切なし。何と言っても昔の製法を継承し、銅鍋とはいえど1回に5kgだけしか作れぬ小さなものを使用、大量仕込みは一切なし。何度も何度も手作りで作り足しているという丁寧さ。果肉もごろり、お砂糖も少なめに自然の甘みを尊重。ジュレと2層に流し込まれたものなどはその色合いが飾っているだけで何とも美しいのです。ガラス瓶もゆるりと歪んだフォームが特徴で、そのまま上にドンドン積み上げられるようになっています。「黒スグリ・ブルーベリー・シキミ風味」や「苺とバルサミコ酢」などなど、気になる組合せが一杯。
又他にも、パリから南へ200km程下ったBlancafortのパティスリーからは芳香なラム酒と共にしっかり焼きこまれた極上のサブレが。真ん中にラム酒をタップリ流して一気に焼き上げるそのお味は豊かな香りが口と鼻から勢いよく襲ってきます。‘魔女の舌’なる「Langue de Sorcière」というネーミングもキュートです。インド人のオーナーさんから買い付けた紅茶や、しっとりナポリ一の栗を使用した甘さ控えめなマロングラッセ。そして初めて食べた美味しさの発見は何とピーマン・エスプレットのグラッセ(Fruits glacés)。ねっとりとした果肉は驚くほどに柔らかく自然の甘みと爽やかな辛さが共に口に広がります。カレーライスに添えたり、バニラアイスと一緒に食べたりと様々な食卓で活躍してくれる優れもの!勿論そのままおやつにちょこっとずつつまむのもOK。カリブ海のグアドループで採れるフルーツのグラッセも沢山。どれもこれも職人達の手によって丁寧に真心込めて作られた美味しいものばかり。
フランスには名誉ある素晴らしい職人、MOFの方々が沢山いらっしゃいます。でも、コンクールで賞を獲る為に力を注ぎ出来あがったスペシャリテとなるそれだけが美味しいのでなく、生産がゆっくりでも全てのものに情熱を注ぎ美味しいものを完全手作業で作り上げる人こそがアルティザンというもの。だからこそ、時間をかけて地方を旅し、お店のものを食べつくし、本当に美味しいと思ったものをブティックに取り寄せているのだとアリスさんはおっしゃいます。これぞ職人魂、と思える数々の逸品がこのブティックにはびっしり詰まっています。どれを口にしてもきっと極上の笑顔がこぼれるはず。
goût, Thé et…Chocolat【グ・テ・エ・ショコラ】
13 rue d’Aligre 75012 Paris
Tel : 01 43 40 34 45
営業時間 : 9:30~13:30 / 15:30~19:30 (火-土) / 9:30~14:30 (日)
定休日 : 月・日の午後
メトロ : 8番線/ Ledru Rollin



























French Cafés as Social Institutions | Student Life said [...] service, and traditions contribute to make Drouant a very famous café. http://www.drouant.com/ http://www.hayakoo.com/drouant/ Click he...