進化を追うこだわり博物館 Grande Galerie de l’Evolution
ピクニックが気持ちよい季節になり、植物園にお散歩に行かれる方も少なくないかと。
パリ植物園のセーヌ川側に位置する中央口から入園すると、正面奥にはU字型に並ぶ博物館群、フランス国立自然史博物館がある。その中央ともなるメイン博物館の設計を依頼されたのは、博物館建築家のジュール・アンドレ。2ヶ月前に完成したエッフェル塔同様、当時、未来派とされたむき出しの鉄骨による骨組み、そして自然光の差し込むガラスの天井の中央部は吹き抜けという斬新な建築で1889年にオープン。
第二次世界大戦の被害により、一旦閉鎖した博物館は、生体類で分野分けされた動物学博物館としてではなく、生物の進化を年代順に追うという新しい形で、1994年にリニューアルオープン。この時点から、博物館名も進化のグランド・ギャラリーことグランド・ギャラリー・ド・レヴォリュウシォンと改名された。
4階建ての当博物館は天井から吊られた強大なクジラの骨格への驚愕から始まる。地階から上階にかけて、海の生物、陸の生物、人類によって変化を遂げさせられた生体、そして地球の変化とともに発達する生体といった構成になっている。
まるでノアの箱船に乗り込むかのように、一方に向かって行列するのは、2階中央に広がる動物の剥製群。上階に上がると、吹き抜けからこの動物群を展望できる。回廊の吹き抜け側には、自然光や視界を妨げないよう背の高い陳列台は配置されていないという、空間を重視する心がけが見られる。
この博物館、週末ともなると親子連れが多く、お父さんがここぞとばかりに子供達に説明している光景が微笑ましい。私たち人間、そして生物がどこから来たのか、そして上階に上るに連れて絶滅危機に脅かさせられる生物、環境汚染、と今日の地球の大惨事。素晴らしい教育番組のような、よく構成されたストーリーだ。
吹き抜けから差し込む自然光と淡い照明のミステリアスなムード、ガラスケースと化した壁面に敷き詰められた標本達や、空間に粋なアクセントを加える剥製のディスプレイ。魚類100匹、鳥類450羽、ほ乳類350匹の豊富なコレクションを有する博物館としてはもちろん、一建造物として、そして博物館としての見せ方、こだわりの空間構成にも是非、着目して欲しい。
Grande Galerie de l’Evolution 進化のグランド・ギャラリー
住所 : 36 rue Geoffroy Saint Hilaire 75005 Paris
メトロ : 5・10番線Gare d’Austerlitz、7番線Censier Daubenton、7・10番線Jussieu
開館時間 : 10:00〜18:00
閉館日 : 火、5月1日
入場料 : 8ユーロ
http://www.mnhn.fr/
by aki on 2007-07-08 [美術館・博物館]
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