ドクターが叶えた美味しいビストロ FIRMIN le barbier

グルメ > 普段着のレストラン

FIRMIN le barbier 【フィルマン・ル・バルビエール】閑静な住宅地の路地裏。その先にはどっしりと構えるエッフェル塔が見える。道そのものが美しい一枚の写真みたい。そんな素敵な立地に張り出た白いテラス。ここに座れば正に特等席だろう。清潔感溢れる白い壁にカーテン窓。

オーナーは以前外科医をされていたというフィルマン・フランシスさん(FIRMIN Francis)。そんな彼が定年退職され、白衣を脱いだその後、念願だったビストロをオープン。2008年9月。優しい笑顔がとっても印象的な彼、声をかける度にゆっくりと身をかがめ一生懸命丁寧に話を聞いて下さる。きっとドクターの頃もこうやってキチンと患者さんの目を見てお話をして下さっていたんだろうなぁ、、、そう感じるお人柄。そんな彼を慕って近くの常連さん達がテーブルに溢れ温かい空気が流れています。昔から食べることが大好きで、また何よりもワインが大好きだったというフィルマンさん。店内には立派な棚に丁寧に配置されたワインボトルが飾られており、彼ご自慢のコレクションからのワインリストも選りすぐりのものが並んでおり、又グラスサービスも豊富。

そしてその場で購入も可能、とのことですから、何ともフィルマンさんがワイン好きであるかがうかがえますね。石壁がナチュラルな雰囲気を出した店内は、モダンながらにもどこか懐かしきビストロの雰囲気を残しています。とにかく清潔感が溢れていて、真っ白なクロスがピンと張られているのが素敵なのです。壁には外科医だった「ドクター・フィルマン」が今度はビストロのオーナーとしてキッチンでお料理を手術する、といったユーモラスな絵が飾られています。ドクターであった彼を想う絵もあったりして何ともキュートなのです。医師でありながらも、食べること、飲むことが大好きだった彼は、実はお菓子も大好きで、何とパリにある製菓専門学校リッツ・エスコフィエのディプロムをお持ちなのだそう。旅行先ではアトリエ教室に参加したり、リッツの後は製菓専門学校・ベルエ・コンセイユへも行かれたというのですから驚きです。老後はゆっくりと美味しいものが揃ったビストロをやりたい。それが彼の定年後の夢だったのです。

現在フィルマンさんはオーナーとしてお店に立たれているのでお料理は担当されていませんが、シェフと共にデザートは時に提案したりもされているそうです。

さてお料理を頂くことに致しましょう。メニューは黒板から選びます。クラッシックなメニューが並ぶビストロらしいラインナップ。

まずはすりたてのソーシッソンでアペリティフ。味が濃くて脂の旨みが美味しかったソーシッソン。食欲がそそられます。前菜に砂肝のサラダ「Salade de gésiers (9ユーロ)」。や、やわらか~い!と思わずニンマリしてしまいました。とてもしっとりしていてジューシー。程良いプルンと感がたまらぬ食感なのです。サラダもしゃきっとした新鮮なもので、ドレッシングは酸味がしっかりきいていてとても美味しい。もう一品はブーダン・ノアール「Croustillant de boudin (12ユーロ)」。焼いたら皮が破裂して。。。なんてことの多いブーダンですが、周りを薄い生地で包み焼きされているので、中はふわっと香りもしっかり閉じ込められており、外側のパリパリ感とで食べ応えのある前菜。ブーダンは臭みがなくとても美味しいお味でした。

メインはスペシャリテとおっしゃるガンバスとホタテのグリエ盛り合わせ「Panaché de gambas et saint Jacques (26ユーロ)」。運ばれてくると同時にふわ~っといい香りがたまりません。大きなガンバスはしっかり香ばしく焼かれ旨みが凝縮。プリプリの身が至福です。そしてサン・ジャックの火加減が絶妙であることをお伝えしておきましょう!中はねっとりと柔らかく、外は薄い被膜ができる程度の焦げ目。美味しいエキスと共にムチっと口の中で広がる旨みはワインが進んでも仕方ないでしょう。食感と、野菜本来の旨みを残す程度に火が入れられたブロッコリー、アスパラガス、さやいんげんが全体のバランスを整え、又底に敷かれた茄子がポタポタに柔らかく、口の中でいい具合に絡まります。その食材も旨みを殺さず、全ての食感が微妙に違うことで、食べるリズムが整えられる感じでした。とても美味しかったです。

そしてもう一品は牛ヒレ肉のグリエ「Filet de Boeuf grillé, pommes rissoles (22ユーロ)」。シンプルな装いで登場したお皿。ソースがかかっていないので?と思っていたのですが、食べてみるとお肉そのものが美味しいからソースなんてつけなくても塩コショウで十分美味しかったのです。中はしっとりと柔らかく、かといって決して生焼けではない抜群のロゼ。お肉独特の香りと味わいが噛めば噛むほど甘みに変わっていく、そんな美味しさでした。

どのお皿もシンプルであるからこそ素材それぞれの持ち味を存分に活かし仕上げられるべきである下ごしらえ、味付け、そして火加減。旨みがしっかり引き立ったお料理でした。と同時にどのお皿も優しく上品なお味でした。

お腹に余裕がある時は是非デザートも(8ユーロ)。クレームブリュレやリンゴのタルト、フォンダンショコラなどクラシックメニューが揃っています。この日はカフェを頼んで静かに流れる時間をゆっくりと楽しみました。店内のお客さんもどこか落ち着いていて優しい空気が流れていました。ライトアップされたワインのコレクションがシックにインテリア化されていてとてもいい雰囲気なのです。テーブルの白いクロス、淡いブルーの壁、ミルキーホワイトの額縁の絵、光が溢れる窓からは真っ白のカフェカーテン。

老夫婦が中睦まじくテーブルを囲んでいたり、オシャレなマダムが雑誌を片手に一人ランチしていたり、又新聞にゆっくりと目を通しているおじいちゃんがいたり。みんな食事を楽しみながら我が家のような一時を過ごしておられました。店内は25席ほどのこじんまりとしたスペースですが、とても寛げる空間であったのは、フィルマンさんの優しさに包まれているからでしょう。そして美味しい料理に美味しいワイン、美味しいデザートが揃ってこそ、満足感を感じられるものである、ということ。「全く異なる職業に変わられ毎晩遅くまで疲れませんか?」との問いに、「いいえ、とても楽しいよ。医者だった頃だってとても忙しくて大変だったよ、だから同じこと!」と笑顔で吹き飛ばしてくれました。手術用の器具でもあるハサミやメスがナイフとフォークになった可愛らしいショップカードもお見逃しなく。白衣を脱いだフィルマンさんのこれからの時間は更に輝くものとなりそうです。

FIRMIN le barbier 【フィルマン・ル・バルビエール】
20 rue de Monttessuy 75007 Paris
Tel : 01 45 51 21 55
営業時間: 12:00~14:30 / 19:00~22:30
定休日 : 月、火の昼、土の昼、
メトロ : 9番線 Alma-Marceau / RER・C線 Pont de l’Alma
http://www.firminlebarbier.fr

このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - ドクターが叶えた美味しいビストロ FIRMIN le barbier
Share on Facebook
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Livedoor Clip
Share on FriendFeed
ドクターが叶えた美味しいビストロ FIRMIN le barbierパリ発フランス情報ハヤクー::hayakoo

コメントをどうぞ

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>