ラ・シオタとマルセイユの間に位置するカシスCassis(又はカシと発音)。ノーベル文学賞を受賞したフレデリック・ミストラルの文言に『パリを訪れてもカシスを見てない者は、まだ何も見ていない、というだろう。』とある。カランクの大自然に囲まれる小さな港町は訪れる人を皆、魅了する。中心街の港を囲むように広がるぶどう畑では、カシスと呼ばれる白ワインが作られている。そして高台には高級別荘が連なる。
そんな小さな港町の東にはヨーロッパ最高峰を誇る断崖、カナイユ岬。エトルタの断崖を勝る海抜399m。カシスとラ・シオタの間、このカナイユ岬と沿岸信号所にはスーベイラン断崖Falaises de Soubeyrannesが2kmに渡って広がり、青い海と切り立つ断崖の素晴らしいコントラストが楽しめるハイキングコースがある。
スーベイラン断崖のコースはラ・シオタの町から出発し、到着点のカシス(もちろん、逆の出発点も可)まで約半日掛かりの道のり(約4時間半・ハイキング中級上レベル)となる。時間がない方や山歩きに自信がない方は、コースの見所を押さえるルート・ド・クレットroute des crêtesをレンタカーで廻るという手もある。悪天候等コースが閉鎖される場合もあるので、出発前に観光局で情報を確認し、ハイキングマップをもらおう。
ハイキングの準備ができたなら、遠のくラ・シオタの町を背に、急な坂を登り詰めるハードな開始点、サン・クロワの道chemin de Ste-Croixへ。振り返ると、乾いた緑とエメラルドの海の間には連なる南フランスの特有のオレンジの屋根、そして町のパノラマのコントラストに息をのむ。
山頂かと思うと、果てしなく連なる断崖のパースペクティブ。道のりは乾いた赤土に、石灰岩が散乱するため、足場は脆く、ハイキングシューズがおすすめだ。乾燥した地にも、たくさんの緑が見られる。水の少ない地にしっかり根ずいた木々、そしてローズマリーやラベンダー等の所謂、プロヴァンスのハーブ等が生い茂っている。
分岐点ではハイキングマーカーが目印。石に黄色いペンキで描かれた矢印、直進を示す横線、又はXマークで進行路が記されている。基本的に一本道なので、道に迷うことはないが、自然保護の意味も含めたおすすめルートということであろう。
岸壁ではハイキングの他、この地独特の高さを満喫するロッククライマーも見られる。縁は足場がもろくなっているので、高所恐怖症でない人も、要注意だ。それでも、天気がよいなら、見晴らしの良い高台で、果てしなく広がるパノラマを満喫しながら、休憩したい。風で汗が冷えて来たら、ハイキングを再開だ。道のりはまだまだ長い。
砂岩、石灰、そしてプディングと呼ばれる堆積岩の地層は風食によって、野生の彫刻と化している。キノコのような造形を見ながら、進行方向にはまだまだ峠が連なる。天候に恵まれれば、絶景が限りなる続く素晴らしいハイキングが楽しめるが、晴天でも海からの強い風が冷たいので、ナイロンの上着などは欠かせない。
上り下りを繰り返し、下りが膝に来るようなった頃に、カシスの町が見えてくる。天候が良ければ、その向こうにはマルセイユのカランクや島が見えるだろう。カナイユ岬の高峰から見渡す小さな港町への下りも、上り同様、急下降となる。最後は車道に合流して町へ到着となるハイキング。出発点、到着点の急な坂がきついが、登り詰めてしまえば、激しい急下降はないルートだ。ハイキング好きの方には是非、征服リストに入れて欲しいコースの一つだ。
Les falaises Soubeyranes (cap Canaille) 【スーベイラン断崖(カナイユ岬)】
出発・到着点 : ラ・シオタ、カシス
標高差 : 550m
所要時間 : 4時間半
距離 : 10km































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