マレ地区の聖なるオアシス Eglise St-Gervais-St-Protais
画家、ユトリロの残した絵画『パリのサン・ジェルヴェ教会』でも有名なSaint-Gervais-Saint-Protais(サン=ジェルヴェ・サン=プロテ)教会。ここ、パリ右岸はマレ地区に今も尚静かにそして壮麗に佇み、日々のミサと共に美しい鐘の音を響かせています。
4世紀はイタリアの暴君ネロ(37-68)の圧政(54-68)でミラノにて布教中に殉死したジェルヴェ(Gervais)とプロテ(Protais)という双子の兄弟に捧げられたもので、1675年に完成しました。15世紀を代表する『ゴシック様式建築』を色濃く残すこの教会。その様式は、柔らかな曲線と豊かな装飾が美しいステンドグラス、又それを通す太陽の光によって輝き、まるで炎の様にゆらゆらと明かりを映し出す事から『フランボワイヤン(仏語で’燃え上がるような’)ゴシック建築様式』といわれています。特徴は天井の中央が高くて弓形をなす肋骨に尖頭アーチ。入口から祭壇にかけての中央部、身廊の上には大きなアーチ形天井を見る事ができます。そんな緩やかな教会内に反し、教会正面の建築はシンプルに直線的な力強いデザインが特徴の古典主義様式が残されています。そんな対比も見ものです。
教会はバルス通り(rue des Barres)側の裏入口とサン・ジェルヴェ広場(Place St-Gervais)側の表入口の二つがありどちらからも入ることができます。両入口を対象に伸びる縦の長さは75m。イスは長椅子でも背もたれ椅子でもない小さな腰掛け椅子。配列はゆったりと取られ、神キリストの元へとゆっくり歩み寄る事が出来る、という事を示唆しているのだとか。又、上を見上げれば素晴らしいステンドグラスと丸天井。日によってきらめきも明るさも違う様に、人の心も表現も異なったものであり、体に太陽の光を受け、心を通り抜ける事で、神の愛を授かるとも言われているそうです。
そんな美しい堂内も途中、ドイツ軍帯よるパリ襲撃(1914-1918)の砲弾の一つが落ちて一部崩壊しましたが、みごとに修復。当時その砲弾機を作ったドイツ人男性の妻ベルタ(Bertha)の名をもじり、その惨事を『Grosse Bertha グロス・ベルタ(大きなベルタ)』と言うそうです。
又この教会の目玉は何とゆってもクープランのオルガン(Grand Orgue des Couperin 1601年説)。フランスのバロック音楽史に大きな影響を与えたフランソワ・クープラン(François Couperin 1668-1733)。バロック音楽の作曲家でありオルガニスとであると同時にチェンバロ奏者でもあった偉大な人物で、父・叔父共に素晴らしきオルガニストを世に出したクープラン一族は歴史的な一族。そのフランソワ・クープランがこの教会のオルガニストとして1685年に就任。その後も1717年にはルイ14世に認められ、宮廷礼拝堂のオルガニストも務めます。そんなクープランが、当時ここで弾いていたオルガンが現在も残っており、今も当時のように音を奏でているんです。2400本のパイプ管からなるこのオルガンは表入口の真上に見ることができます。
又その他にもフランボワイヤン・ゴシック様式を象徴したヴィエルジュのチャペル(Chapelle de la Vierge 1517年)や、シュヴェのチャペル(Chapelle du Chevet 1510年)などは裏入口のすぐ側に。どれも素敵なステンドグラスをあしらった空間です。
毎日、朝昼夜とお祈りが行われており、その優美な空間の中で幻想的なオルガンの音色は響きます。特に夕方から始まる『晩の祈り ヴェプレス(Vêpres)』は修道女(スール Sœurs)達の素晴らしい合唱をオルガンと共に聞くことができます。一般の方でも自由に参加することができるので是非、足を運んで下さい、とスール達はおっしゃいます。
この教会のスール達はエルサレム修道会の方々。合唱の時などには修道士(フレール Frères)も参加します。修道女の会は1976年に誕生し、現在では30人程のスール達がここで日々を送っています。「友愛の友」「個人・共同の祈り」「沈黙」「人々の迎え入れ」を重んじるキリスト教の隠者とし、「清貧・貞潔・従順」の三誓願を立てて共存し、奉仕と礼拝の内におられます。又、エルサレムという神の聖地へ神を求め、孤独と不安と探索の中に1つのオアシスを求める為砂漠へ向う修道士達が後を絶たない中、現ピエール大司教(Père Pierre-Marie Delfieux)もそのお一人。今から約10年前に2年間の間、砂漠を赴き更生されたのだそうです。「砂漠にオアシスを」と常に心思うこちらの修道女達は、ここパリは都会であって砂漠のような孤独と不安と探索がひしめく所であるおっしゃいます。そんな砂漠のような都会にオアシスを与えるべく癒しを目的として、観想的修道に日々時間を費やしておられるそうです。
そんなエルサレム修道会に属する教会・修道院はここパリをはじめ、ご存知モン・サン・ミッシェルにある修道院、ストラスブール、ヴェズレイ(ブルゴーニュ地方)、ブリュッセル、ローマ、フィレンツェ、モントリオール(カナダ)など、各地に点在しています。土地の広い地方では住居、工房、礼拝堂が同敷地内に建築されており「修道院」と呼ばれますが、ここパリは充分な敷地がないので教会のみ。それでもとても素晴らしいものです。
歴史の背景を辿りながら、目で、耳で是非感じて頂きたいサン・ジェルヴェ=サン・プロテ教会。スール達の優しい眼差しと歌声にきっと心穏やかな気持ちを感じられる事と思います。
Eglise St-Gervais-St-Protais【サン=ジェルヴェ・サン=プロテ教会】
Place St-Gervais 75004 Paris (正面入口)
13 rue des Barres 75004 Paris(裏入口)
メトロ : 1番線 St-Paul
エルサレム修道会のサイト http://www.jerusalem.cef.fr
代表 :
tel : 01 48 87 32 03
fax : 01 48 87 32 86
スール直通 :
tel : 01 48 87 74 87
フレール直通 :
tel : 01 42 72 64 99
fax : 01 42 72 64 36
礼拝は下記の時間帯で行われています
火曜~土曜日
7:00 : Laudes(朝の祈り 土曜日のみ8:00~)
12:30 : Office du milieu du jour(昼の祈り)
18:00 : Vêpres(晩の祈り)
18:30 : Eucharistie(聖餐式)
日曜日
8:00 : Office de la résurrection(復活の祈り)
11:00 : Eucharistie (聖餐式)
18:30 : Vêpres (晩の祈り)
月曜日
休息日なので礼拝は行われていませんが、教会は7:00 – 21:00まで開いています。
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