第二次世界大戦後のコンクリート教会 Église Saint-Joseph
第二次世界大戦後の再建都市として世界遺産に指定されているル・アーヴル市le Havreのシンボルともいえるサン・ジョセフ教会Église Saint-Joseph。
町のどこからも見えるこの教会だが、オリジナルの教会は1944年の爆撃で破壊されており、礼拝の場であると同時に第二次世界大戦の惨事を悼むメモリアル・モニュメントとして、オーギュスト・ペレAuguste Perretによって設計された。元々、パリ8区の寺院のために描かれた設計図が原案となっている。
1954年にペレは死去し、5年間要した完成の姿を見ることはなかったが、彼の意思は後継者に受け継がれた。鐘楼はジョルジュ・ブロシャールGeorges Brochardとレイモン・オディジエRaymond Audigierによって1956年に完成。1957年の6月に除幕され、わずか10年後の1965年には歴史的建造物として指定を受けた。1997年には照明も設置され、2003年〜2005年にかけて大掛かりな修復工事が施工された。パイプオルガンも設置され、2005年9月にはアンドレ・カプレAndré Capletのオーケストラによってリニューアルオープンを迎える。
上下の長さが等しいギリシア十字を象る建造物はその他の集合住宅同様、コンクリートからなっており、鐘楼の各角には1100トンもの重量がかかっている。
注目したいのは、中央に配置された礼拝堂もだが、やはり中央部の支柱を取り払ったコンクリート建築のテクニックだ。5万トンのコンクリートからなるこの教会は、地下15mの深さに埋め込まれた直径1.45m基礎井筒に差し込まれた16本の支柱で支えられているのだ。
戦時中のコンクリート小要塞にも見られるが、剥き出しのコンクリート柱の表面には流し込む型となった材木の木目がレリーフと化している。ペレは打ち放しのコンクリートの先駆者でもあったのだ。近代建築の巨匠、ル・コルビュジエLe Corbusierもペレの下でコンクリート技術を学んでいる。
教会内部には絵画などの装飾は見られず、いたってモダンな内装になっている。ブロシャールによる礼拝椅子は映画館の客席を想起させる、いたってシンプルな実用的デザイン。
高さ110mある八角形の尖塔は内部から見上げると、まるで万華鏡のように色とりどりのステンドグラスが輝いている。ステンドグラス師、マルゲリット・ユレMarguerite Huréによる12768枚を数える幾何学的な吹きガラスは白、オレンジ、黄、緑、紫、赤、そしてくすんだ緑の7色を基本色とし、50もの色合いを出している。
無数の色ガラスによって被爆者らの心に明かりを灯す精神的な灯台として、そして20世紀建築の傑作としてサン・ジョセフ教会は復興都市の中心にそびえ立っている。
Église Saint-Joseph【サン・ジョセフ教会】
Boulevard François 1er 76600 Le Havre
開館 : 10:00〜18:00
by aki on 2007-09-13 [バカンスへ行こう]
この記事に対してコメント、またはトラックバックを送信できます。
トラックバックURL : http://www.hayakoo.com/eglise_saint_joseph/trackback/






















コメント