1889年に建築されたという古い外観、当時の面影を残す美しい装いが目を惹き、芳ばしいパンの香りが鼻を誘惑する。立ち止まらずにはいられないひと際目立ったブーランジュリー。2002年オープンの「デュ・パン・エ・デ・ジィデDu Pain et des Idées」。今やご存知の方も多いかと思います。昔のパン屋さんはこんな感じだったんだろうなぁ、そう感じられる美しい佇まい。貴重な建物に敬意を払うように店頭のショーウィンドゥには可愛いアンティーク缶や古いパンの型などがびっしりデコレーションされています。ひっきりなしに列をなす店内は決して広いとは言えませんが目を奪うパン達で並んでいる時間も楽しさは一杯。まずは店内のアンティーク感も忘れずに見て頂きたい。大きな鏡に美しい天井の装飾ガラス。当時の作業台を思わす古い木製の台。積み上げられたパンの粉袋は木目調の壁と馴染み装飾化し、又作業の躍動感を感じさせてくれます。
以前は全く別の分野のお仕事に疲れていたというシェフ、クリストフ・ヴァスールさん(Christophe Vasseur)。1999年にこの道を目指し活動を開始。パリ13区にある古い老舗ブーランジュリーにて研修を重ね、CAP(フランス国家基準職業適性証書)も習得。憧れのブーランジェとして第一歩を踏み始められ早7年。そんな転職組ではあるけれど、強い想いでこの世界に飛び込んだシェフの決心と愛情はパンを食べればお解り頂けるはず。
しっかり焼けたこんがりきつね色、艶を放ち、今でもパチパチと音を立てそうな表面の皮のハードさ、どれもこれも決して型崩れしたり、擦りあたって壊れたりしていない。優しく積み上げられたそれらは一つ一つ丁寧に作られていると感じる美味しそうなものばかり。
昔ながらの製法を尊重し、素材にも拘りを持って食材を厳選、粉もBIOのものや石臼でひいた粉を扱う1920年から続く老舗製粉Maison LEMAIREのものを優先し、バターはA.O.C、卵も良質なものを使用。そして何よりも全て手作りであるということ。伝統を引き継ぐということ。本来の「美味しいパン」を作る為に叶えた夢、クリストフさんのお店はケーキなどは一切ない、生粋のブーランジュリー。パンだけに専念されているのです。
そして品質を保つ為にバリエーションは多く持たず、定番商品を毎日美味しく忠実に作りあげ店頭に並べられていること。常連さんが出来る訳はここにあり、なのです。
パンが並ぶお皿は可愛い陶器の大皿、というのもセンスの良さ。美味しさが更に伝わります。バトンショコラがたっぷり入ったパン・オ・ショコラは1.2ユーロ、上質の小麦粉と昔ながらの伝統製法で焼き上げられたクロワッサンは1.1ユーロ。又、しっかり渦巻いたエスカルゴ(1.8ユーロ)。クロワッサン生地の間にたっぷりクレーム・パティシェールを挟みこんで焼いたものですが、町中のパン屋さんでは時に巻きがあまく、渦が開いて空洞ばっかりのものもちらほら。しかしこちらのはぎゅーっとしっかり巻きこまれ、クリームもたっぷり、重さもしっかり。そしてクロワッサン生地自身の緻密さ。このちょっとした丁寧さが見ていても嬉しくなります。リヨンのプラリーヌ味やショコラピスタッシュ、レザンにレモン風味のクリームにモンテリマールを挟みこんだレモンヌガーなど、見た目も華やかなうえ味も抜群。しっかり甘くてバターの存在がきちんと感じられる食べ応えのあるヴィエノワズリー。
そして朝食にもってこいのパン・デザミ(小2ユーロ / 大4ユーロ)。ほんのりくすんだ生地の色、ぼこぼこと穴のあいた内部にしっかり茶色の外周り、その皮の厚みがタダものではない感じ。まずは持った瞬間にふわ~っと立ちこめる香ばしい香り。「焦げた」のぎりぎり手前の何ともいえぬ良い香り。独特な香りは古い工房の石窯で炭火焼きしたゴツゴツパン、といったらいいのでしょうか。とにかくものすごくそそられるのです。カット面にそって薄くスライスし、タルティーヌにするのがお勧め。口に含めば粉の絶妙な味わいとしっとり柔らかい生地にこんがり焼けた皮があいまって非常に美味。フランスパンとカンパーニュの中間の様な感じです。軽くトーストし、上にハムやベーコンなんかをのっけていただけば更に美味です。一度食べたらバゲットサンドよりもこのパン・デ・ザミのタルティーヌの方が癖になりそう。毎日食べても飽きない、優しい味なんです。
そしてレジ前に並んでいるのはフランスパンの粉で美味しい具材を焼き込んだプチパン。両端から溢れ出す様々な具材はシェーブルチーズ&ほうれん草(写真)、シェーブルチーズ&ハチミツ&ゴマ(写真)、トマトコンフィイ&フェッタチーズ、ベーコン&ルブロッションチーズなどなど、気のきいた組み合わせが満載。正直迷います。ほうれん草はたっぷり入っていてシェーブルといい感じにとろけあっていてジューシー。またハチミツ入りはご想像の通りほんのり甘みがプラス。シェーブルの良さをぐんと引き出しています。香ばしいゴマが食感と風味をプラス。どれも隅ずみまで具がしっかり詰まっていて最後のひと口まで美味しい。
決して力み過ぎていない優しい職人魂を感じるブーランジュリー。一度食べたらきっとまた、その列に並んでいることでしょう。
Du Pain et des Idées【デュ・パン・エ・デ・ジィデ】
34 rue Yves Toudic 75010 Paris
Tel : 01 42 40 44 52
営業時間 : 7:00~20:00
定休日 : 土・日・祝
メトロ : 5番線Jacques Bonsergent





















ミシュランの地図で検索しても出ない・・・と思ったら住所が間違っていますよ~。
yvies ではなくyvesです。入力ミスかしらネ。
*penatenさま
大変失礼致しました。確実なる私の入力ミスです。
正しくはおっしゃる通り「yves」です。
penatenさまにはお手数をおかけしてしまいました、申し訳ございません。
と共に、ご指摘頂きありがとうございます。みなさんにいつも助けられ、感謝しております!
junkoさま
早速お店に行ってきました。クロワッサンやパン・オ・ショコラの形の綺麗なこと!バターの風味もしっかりして、とてもおいしかったです。
自宅からは遠いのですが、わざわざ買いにいきたくなるお店です。またいこーっと。
私はこちらで初めて知ったので、紹介してくださってうれしいです。
ありがとうございます♪
*penatenさま
早速行って頂きありがとうございます!!そしてありがたいお言葉も頂き嬉しいです☆
そうなんです、とっても綺麗で美味しく心がこもったお味でしょ?
私も自宅からは少し遠いのですが、それでも行こうと思えるお店です。
美味しいブーランジュリーは他にも沢山ありますが、こちらのお店は絶対期待を裏切らない商品!で安心感がありとてもお気に入りです。
penatenさまも是非また訪れてみて下さいね☆
コメントありがとうございます。