パン・デピスを求めて ディジョン食べ物編 Dijon

小麦粉、又はライ麦粉を混ぜた粉をベースにアニス、シナモン、丁子などのスパイスを効かせハチミツをたっぷり混ぜ込んだ伝統菓子、パン・デピス(Pain d’épices)。バターや脂分は少なく、しっかり焼きこんだ保存のきくお菓子。オレンジピールを入れたりナッツを散りばめたりとその種類は様々。少なくともギリシャ時代には遡るという古い古い歴史を持つこのお菓子は、固めのパウンドケーキに近い生地。そのまま頂くのはもちろん、薄くスライスしてフォアグラをのせたり、アイスクリームをのせて一緒に食べたりと食べ方も色々。地方によって様々なパン・デピスがあり、アルザス地方のものは主にビスキュイタイプやサブレタイプのものが多くみられますが、ここディジョンのものはずっしり重みのあるケークタイプ、又その歴史も古いのです。

由来もまた、色々な説があるようですが中でも有力なのは中国から来たというもの。10世紀の中国、Tang王朝の時代に食べられていたミ・コン(Mi-kong)という小麦粉にハーブやハチミツを混ぜ込んで焼いたお菓子が、世界をまたぐ十字軍のルートによりヨーロッパに持ち込まれたのだとか。時を経、長い道のりを経、やってきたパン・デピス。ディジョンでは昔はアトリエ工場も点在し多くの職人さん達がいらっしゃったのだそう。その後第二次世界大戦の後姿を消してしまった工場。その中現在も残る老舗店は歴史を受け継ぐ大切なお店なのです。

ブーランジュリーでちらり見かけたりレストランではパン・デピス風味のアイスクリームなども。しかし何と言っても老舗を訪れたいものです。そんなディジョンを代表するのがミュロ・エ・プティジャン(Mulot&Petitjean)。1796年創業の老舗パン・デピス店。創業者はBarnabe BOITTIER氏によるMaison BOITTIERでした。その後、時と共に移転しLuis MULOT氏に譲渡され、Arfred PETITEJEAN氏に譲渡され、その後の代を引き継ぐ家族達により受け継がれたお店は現在のMulot&Petitjeanとなります。

昔から伝わるレシピと伝統手法は大切に受け継がれ、現在ディジョン市内でも3店舗、ボーヌ(Beaune)にも支店を持つ有名店。良質な粉をベースに糖分はハチミツ、転化糖、サッカロース、水飴などを使用。中にはドライフルーツやコンフィ、ライ麦やショコラをふんだんに練り込みどっしりとしているのが特徴。見た目以上に中はしっとりしていてエピスも控え目でとても食べやすい。しっかり甘みがあるので独特なエピスの香りに負けずフルーツなどの香りも感じられます。癖のある香りがちょっと苦手、という方にも美味しく食べられるお味!基本的には量り売り。店内にはすでに切り分けられお値段が付いて色んな大きさに包装されいているのでお好みのサイズを。又、パン・デピスベースでふんわりした生地が砂糖衣をまとって丸い形になったノネット(Nonette)はナチュールの他にフンラボワーズ、この地名産の桃、ペーシュ・ド・ヴィーニュ(Pêche de Vigne)やカシスなどのコンフィチュールがたっぷり閉じ込められており美味。このノネットは昔、修道院の尼僧達が作っていたことから(nonne=修道女)つけられた名前。お勧めはカシス!(5,45ユーロ/170g)

その他にも表面を薄くお砂糖でグラサージュしたGlaces Mincesのようなビスキュイタイプのもの、はたまたドライフルーツがたっぷりのっかった王冠型やサボ型のパン・デピスに可愛いオリジナル缶に入ったものなど種類も豊富。店内には名産でもあるクレーム・ド・カシスやペーシュ・ド・ビーニュのリキュール類もあってあれこれ迷ってしまいます。

同じく1796年にシャルル・オゥジェ(Charle Auger)により創業されたのはラ・メゾン・オゥジェLa Maison Auger。第二次世界大戦後姿を一旦消すもその後1969年に上記ミュロ・エ・プティジャンにより買収されます。昔ながらのベース生地をモットーにしっかりこね、ねかし、時間をかけて作り上げられるレシピは今も尚ディジョンの町に残ります。現在はセレクトショップ内にてAugerの商品を購入することができます。

そして町で輝くディジョンのMOFショコラティエ、ファブリス・ジオットゥ氏(Fabrice GILLOTTE)のお店。(製造アトリエはNorges-la-ville) 1990年、26歳の若さにてMOFを取得。店内は清潔でシンプル。上品な雰囲気の中に並ぶショコラ達。そんなMOFシェフが作るのがショコラのパン・デ・ピス。中にショコラが混ぜ込まれしっとりと焼き上げあげらたそれは通常のものよりも柔らかい。スパイスはどちらかというとしっかり目で、これぞパン・デピス!なお味です。かなり存在感たっぷりな一切れを感じて頂けるでしょう。そのままでも十分ですが、アイスクリームやアングレーズソースに絡めれば尚一層美味しさは増すと思います。他にもナチュール、オレンジの皮入りなどがある他、大きな1本タイプ(10ユーロ/ナチュールは9ユーロ)とは別に小さなミニサイズ(2,2ユーロ)もあってお土産にもぴったり。又、名産のカシスを使ったマカロン・カシス(0,9ユーロ/個)も絶品!皮も外シャクッ中フワッで、とても美味しかったです。入口に配置されたモニターにはアトリエでの作業工程が流れています。見て食べて、美味しさを感じて頂きたいお店です。

パン・デピスで口の中が甘くなったら辛いもの。ディジョンはマスタードの名産としても有名です。パリでもご存じマイユ(Maille)の本店もここディジョン。メイン・ストリートの角地に構える黒いブティック。残念ながらディジョンだけでしか買えないものはなく、パリの店舗と全て一緒なのだそう。唯一、「ここではマスタードKg売りはしているわよ。10kgとかね!ディジョンの人たちはマスタードを毎日沢山食べるからね」と店員さん。そんなに沢山はいりませんが。。。でも折角来たならば店内にあるフレッシュ・マスタード(瓶詰めではなく陶器詰めでのみ販売)を試食させてもらいましょう!鼻を突き抜ける辛さは爽快で旨みが凝縮していて美味しい。繊細な奥深い味わいです。詰めてもらった瓶は空になった後、またパリのブティックに持っていけば詰め替え購入もできるとのこと。一度フレッシュを味わうともう瓶ものが食べれなくなってしまいますよ。店内には可愛いマスタード専用の陶器ポットも販売されています。ディジョンの思い出に。
又マイユの他にエドモンド・ファロ(Edmond Fallot)社も有名(http://www.fallot.com)。ブルゴーニュ産の白ワインを配合したオリジナルマスタードも辛味抜群な味わいです。

そして寒さ厳しい冬の空腹を満たすのは・・・入ったお店はフランソワ・リュード広場(place François Rude)にある赤い木組の建物が目印のお店。「アンドゥイエット・ディジョネーズ Andouillette Dijonnaise (14ユーロ)」と「コック・オ・ヴァン Coq au Vin(15ユーロ)」。どちらもこの地ならではの名物料理。ワインは25clのHaute Côte de Beaune(7,35ユーロ)を。アンドゥイエットのソースは勿論クリームマスタードソース。この地では何かとマスタードがソースに使われています。濃厚なソースにしっかり絡めて頂くアンドゥイエット。クリームと辛味が一体となって口の中にまとわります。そしてブルゴーニュの赤ワインでしっかり煮込まれたコック・オ・ヴァン。鶏肉は骨も崩れるほどトロトロな柔らかさで手間暇のかかった味わいでした。全ての旨みが凝縮した一皿です。

外に出ればキーンと冷えた空気。少し歩けばなぜか又パン・デピスが食べたくなる。歴史古きエピスのお菓子。少しずつスライスして毎日ちょっとずつ楽しみたい伝統菓。本場ディジョンで是非。

Mulot&Petitjean【ミュロ・エ・プティジャン 】
13 Place Bossuet 21000 Dijon
Tel : 03 80 30 07 10
Fax : 03 80 30 18 03
営業時間: 月10:00-12:00 / 14:00-19:00、火-土9:00-19:00、日10:00-13:00
定休日 : 日曜午後
*店舗によって営業時間などはことなりますのでご注意下さい。
http://www.mulotpetitjean.fr/

21000 Dijon, フランス

■その他の支店
16 rue de la Liberté
1 Place Notre Dame
1 Place Carnot 21200 Beaune

La Maison Auger【ラ・メゾン・オゥジェ】
61 rue de la Liberté 21000 Dijon
(セレクトショップ Bourgogne Street内)
Tel : 03 80 30 26 28
Fax : 03 80 30 25 74
http://www.bourgognestreet.fr

21000 Dijon, フランス

Fabrice GILLOTTE【ファブリス・ジオットゥ】
21 rue du Bourg 21000 Dijon
Tel : 03 80 30 38 88
Fax : 03 80 35 58 51
営業時間: 月14:00-19:00、火-土9:00-12:00-14:00-19:00
定休日: 日
http://www.chocolat-gillotte.com/

21000 Dijon, フランス

Boutique MAILLE Dijon【ブティック・マイユ・ディジョン
32 rue de la Liberté 21000 Dijon
Tel : 03 80 30 41 02
営業時間 10:00-19:00
定休日 : 日

21000 Dijon, フランス

Au Moulin à Vent【オゥ・ムーラン・ア・ヴァン】
8 Place François Rude 21000 Dijon
Tel : 03 80 30 81 43

21000 Dijon, フランス

パン・デピスを求めて ディジョン食べ物編 Dijon」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: アリーグル市場で甘いお買い物 goût, Thé et…Chocolat | パリ発フランス情報ハヤクー::hayakoo

  2. ピンバック: 探究心を常にもち続けるM.O.Fショコラティエ Fabrice Gillote | パリ発フランス情報ハヤクー::hayakoo

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