デザインとは何ぞや?を改めて考える Design contre Design
シャンゼリゼに程近い場所にあるグラン・パレ国立ギャラリーで、デザインの根本を掘り下げる展覧会が開催されている。『デザイン・コントル・デザイン(デザイン対デザイン、といったような意味)』と題されており、その展示物は主に椅子などの家具。食器などの小物や、巨大なインスタレーション的なものもある。ザハ・ハディッドZaha Hadidやガエタノ・ペッシェGaetano Pesceといった有名作家の作品もある。
こう書くとごくありふれたデザイン展覧会のように思えてしまうが、単純そうながらも果てしなく答えが導き出しにくい、「デザインって一体?」という命題に、健気に挑戦している企画なのだ。
展示は、デザイン作品を分類・分析することに重きを置いている。つまり、時間軸に沿ったデザインの進化を追うものではないということ。「フォルム」「スタイル」「環境」などの分析ポイントが提案され、各セクションには様々な年代の作品がとりまぜて展示してある。例えば、「フォルム」の部門は「直線」「曲線」「円」などの区分にさらに別れ、同じ椅子ながらもここまで色々な形を使ったものがあるんだなぁ、と思う仕組みになっている。
「環境」部門は「動物」「植物」「人間の体」「建物」云々で、実際のところ小学生でもわかりそうな単純な分類方法なのではあるが、あまりにもデザインの世界は壮大で複雑怪奇であるがゆえ、このようなプリミティブな手段も悪くないのかもしれない。
勿論、この展示が最終的に、デザインの定義を教えてくれるわけではない。ただ、見学者一人一人がそれぞれのデザインに対する思考を深めるのを、手取り足取りお手伝いしてくれているだけである。世に溢れるデザインの洪水を、カテゴライズするという方法で。
自分のお気に入りの作品を探すのも楽しい見学方法だけれども、あえてここでは、集合体としてのデザイン作品に注目してみよう。
そして出口近くで上映されているビデオ作品がまた興味深い。『Designers’ universe』というタイトルのドキュメンタリー作品で、デザイン作家達のアトリエや創作風景をまとめたものなのだが、そこに映し出される彼らは、正直いえば町工場で働く作業員といった風情。「僕はアーティストじゃないよ」と言い放つ作家までいて、芸術として崇め奉られているデザインの世界をぶち壊す勢いである。
なおここでは作品の一部しか上映されず、90分の全編は月・金・日の14時からのみの上映となっているので、あわせて訪問したい。
デザイン好きの方にも、あまりにも多様化するデザインの世界に食傷気味の方にも、おすすめの展覧会である。
なお、現在グラン・パレ国立ギャラリーでは、フランス絵画の巨匠ギュスターヴ・クールベの回顧展も開催されている。こちらはまた後日改めてご紹介したいと思う。
展覧会 Design contre Design【デザイン・コントル・デザイン】
2008年1月7日まで
開館時間 :
10:00~22:00、水曜と金曜は~20:00(12月21日まで)
10:00~22:00、12月24日と31日は~18:00(12月22日から最終日まで)
閉館日 : 火曜
入場料 : 一般10ユーロ、割引8ユーロ。同時開催のクールベ展とのコンビネーションチケットは一般17ユーロ、割引14ユーロ。
http://www.rmn.fr/design
Galeries nationales du Grand Palais
【ギャラリー・ナショナル・デュ・グラン・パレ】
3 avenue du Général-Eisenhower 75008 Paris
メトロ : 1・13番線 Champs-Elysées Clémenceau
http://www.rmn.fr/galeriesnationalesdugrandpalais/
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