ロワールの美と歴史を尋ねて Châteaux de la Loire
ロワール川流域は、穏やかな気候と、その美しい自然がゆえ、古くから多くの王や、貴族を魅了してきた。
そして、それは何世紀もの時が流れようと変わる事はなく、今日に至っても、多くの人々がその魅力に誘われてこの地を訪れている。今回は、その中でも、特に人気のある3つのお城を紹介しましょう。
『シャンボール城(Château de Chambord)』
この城は、1519年、フランソワ1世(FrançoisⅠ)が狩猟用の邸宅として着工したもので、幅156m、高さ56m、77の階段、426の部屋とロワール川流域最大の規模を誇る。
フランスのルネッサンス様式建築の最高傑作と言われる程、素晴らしく豪華な城だが、居住には向いておらず、フランソワ1世は、彼の統治生活32年間中、わずか72日間しか滞在することなく、結局、城を完成さすことはなかった。その後、この城を完成に導いたのは、狩りをこよなく愛したアンリ2世(Henri Ⅱ)とルイ14世(Louis ⅩⅣ)の二人であった。
特に、ルイ14世は、この城が気に入り、御前でモリエールの『町人貴族』を初演させている。
このシャンボールの見所は、城の中心にある『2重の螺旋階段』。他人とすれ違う事なく上り下りできるこの階段は、ダビンチ作だと言われている。
2階『大広間の格天井』も見逃せない。その彫刻には、フランソワ1世の頭文字『F』と、彼の象徴である『火とかげ(サラマンダー=火に棲むという伝説の生き物)』の姿が見られる。
また、テラスから眺められる広大な敷地も圧巻である。
『シュノンソー城(Château de Chenonceau)』
ロワール川支流のシェール川に浮かぶように建つこの城は、代々の城主が女性であったところから『6人の奥方の城』とも呼ばれている。しかし、その優雅なたたずまいとは裏腹に、ここでは愛憎のドラマが繰り広げられた。
中でも取り分け有名なのが、アンリ2世の寵愛を受けたディアーヌ・ド・ポアティエと、正妻カトリーヌ・ド・メディシスの物語である。永遠の美女と言われたディアーヌは20歳も年上でありながら、アンリ2世の寵愛を一身に受け、この城を与えられる。しかし、彼の死後、正妻カトリーヌは、ディアーヌをここから追い出し、自ら3代目の城主に納まる。
ここの見所は、何と言ってもシェール川に架かる『ギャラリー』。
ディアーヌの掛けたアーチ形の橋の上に、カトリーヌが作らせたこのギャラリーは、全長60m、幅6m、床は白と、スレート色のタイルが張られ、18ある窓からは穏やかなシェールの流れを目にする事が出来る。当時は、舞踏会や、宴の場に利用されたようだ。
また、『フランソワ1世の居室』や、『カトリーヌ・ド・メディシスの居室』など、各部屋に置かれている16~17世紀の絵画、タピスリー、調度品は、どれも素晴らしいものなのでじっくり鑑賞したい。
対照的に、2階隅にある『ルイーズ・ド・ロレーヌの居室』は、夫であったアンリ3世の死後、ここシュノンソーに引きこもり、瞑想と祈りの生活に明け暮れたという部屋である。
個人的に、気に入ったのは、川床部分に作られている『厨房』。
配膳室や、肉の貯蔵室、食料戸棚、使用人用食堂など、さながら、インテリア雑誌の中で見かける”田舎風キッチン”という感じなのである。
最後に、城を挟むようにして、2つのフランス式庭園がある。今日でも、その美しさを競い合うかの様に、マルクの塔側が『カトリーヌ・ド・メディシス庭園』、反対側の広い方が『ディアーヌ・ド・ポアティエ庭園』と名付けられている。
『ブロワ城(Château royal de Blois)』
1598年、宮殿がパリに移されるまでのおよそ100年間は、ブロワがフランス王家の城であった。
その間、しばしば増改築が繰り返された為、4つの異なった建築様式が隣合うユニークな城となる。
入り口は、ルイ12世の騎馬像がはめ込まれたルイ12世棟。ここを抜け、4つの城に囲まれる中庭に出る。
年代順に挙げれば、右端の、見た目も質素な建物がゴシック様式の『中世の城(13世紀)』。
続いて、先程抜けてきた、レンガと石で作られた美しい城、フランボワイヤン様式の『ルイ12世棟(1498~1503)』。
そして、一際目を引くのが、中庭に張り出した8角形の螺旋階段『フランソワ1世の階段』を持つ、ルネッサンス様式の『フランソワ1世棟(1515~1520)』である。この螺旋階段は、16世紀ルネッサンスの傑作に挙げられていて、処々彼の象徴である『火とかげ』が見られる。
最後は、中庭の奥に位置する、クラッシック様式の『ガストン・ドルレアン棟(1635~1638)』である。
ここの見所は、何と言っても『フランソワ1世棟』。
1階には、木彫り羽目板の隠し棚で飾られた『カトリーヌ・ド・メディシスの小部屋』がある。ここに、彼女は毒薬を隠していたとも言われているが、定かではない。
また、2階の『ギーズ公の部屋』も必見。アンリ3世による、ギーズ公暗殺の舞台となった部屋である。壁に掛けられた数々の絵画は、その時の様子をあからさまに物語っている。
このように、ロワールのお城巡りは、フランスの歴史、建築をたどる旅でもある。
今回、紹介した3つの中で、個人的に私が気に入ったお城は、『シュノンソー』だった。
これからの季節、多少肌寒さは感じるでしょう。しかし、是非、この美しいロワールの城々を見に出かけて頂きたい。
【ロワールへのアクセス】
ロワール地方の観光は、ブロワか、トゥールまで行き、そこを起点にするのが便利。
ブロワ(Blois)へは、パリ・オステルリッツ駅から、急行にて、ブロワ駅下車。(所要時間 約1時間半)
トゥール(Tours)へは、パリ・モンパルナス駅から、TGVにて、トゥール駅下車。(所要時間 約1時間10分)
そこからは、公共の列車や、バスを利用。お城巡りのバスツアーもある。
Château de Chambord【シャンボール城】
Château 41250 Chambord
Tel : 02 54 50 40 00
アクセス : ブロワ駅から送迎バスあり (5月15日~9月2日)(所要時間 約40分)。上記以外の季節は、レンタカーを借りるか、バスツアーをお薦め。
開館:
1月2日~3月31日 (9:00~17:15)
4月1日~7月13日 (9:00~18:15)
7月14日~8月19日 (9:00~19:30)
8月20日~9月30日 (9:00~18:15)
10月1日~12月31日 (9:00~17:15)
閉館 : 1月1日、5月1日、12月25日
入館料金 :
一般 8,50ユーロ(9月~6月)、9,50ユーロ(7、8月)
割引 6,50ユーロ(9月~6月)、7,50ユーロ(7、8月)
18歳以下 無料
www.chambord.org
Château de Chenonceau【シュノンソー城】
Château 37150 Chenonceau
Tel : 02 47 23 80 88
アクセス : トゥール駅から、ローカル線でシュノンソー駅下車(所要時間 約30分)
開館 :
2月10日~3月15日 (9:30~18:30)
3月16日~3月30日 (9:30~19:30)
3月31日~5月31日 (9:00~19:30)
9月1日~9月30日 (9:00~20:00)
10月1日~10月27日 (9:00~19:00)
10月28日~11月4日 (9:00~18:30)
11月5日~2月9日 (9:30~17:30)
閉館 : 無休
入館料金 : 一般 9,50ユーロ、割引 7,50ユーロ、18歳以下 無料
www.chenonceau.com
Château Royal de Blois【ブロワ城】
Place du Château 41000 Blois
Tel : 02 54 90 33 33
アクセス :
開館 :
4月1日~9月30日 (9:00~18:30)
10月1日~3月31日 (9:00~12:30 / 13:30~17:30)
閉館 : 1月1日、12月25日
入館料金 : 一般 7ユーロ、学生割引 5ユーロ、6歳~17歳 3ユーロ
www.loiredeschateaux.com
by chiharu on 2007-11-21 [バカンスへ行こう]
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