国王がパリを望んだサン・ジェルマン城 Château de Saint-Germain

初めてのパリ > パリ近郊 ,

フランス国立考古学博物館となっているサン・ジェルマン・アン・レーの城パリからセーヌ川を下り、RERのA線で約20分の終着駅、サン・ジェルマン・アン・レー市。パリジャンの遠足には持ってこいの立地条件の、小綺麗なブルジョワな町。ルイ6世から14世の時代まで、国王の主要な居城だったというから、それもそのはず。

RERの駅から地上にでると、目の前にそびえ立つのがサン・ジェルマン城Château de Saint-Germain。
1122年頃、ル・グロ(デブという意味だが、当時は富を象徴し、もちろん太っていた)の異名をもつ、ルイ6世がセーヌ川を望む台地の森にグラン・シャトレと呼ばれる城塞を建設したのが、始まりだ。

ルイ9世はグラン・シャトレのとなりに、プチ・シャトレを建設。居住地の一つとしてこよなく好み、1230年〜1238年にはチャペルも建設した。ゴシック式建築には珍しく、ステンドグラスの上部が丸みを帯びずに長方形であるという特徴を持つ小聖堂だ。
このチャペルは、パリのサント・シャペルの約10年前に建てられており、パリは勿論、その他のサント・シャペルのプロトタイプとなったと言われている。しかし、サント・シャペルと呼ばれる教会はキリストの聖遺物があるというのが定義だが、サン・ジェルマン・アン・レーのサント・シャペルには伝説こそはあるものの、歴史的裏付けはない。しかし、歴史的になかったことが立証できる根拠もあるわけではなく、他のサント・シャペルと似た建築というのは事実な訳である。

サン・ジェルマン城の小聖堂、サント・シャペルの外観 サン・ジェルマン・アン・レーのサント・シャペル

ネッサンス様式のサン・ジェルマン城と一体化したサント・シャペル100年戦争の間、英国によって城は燃やされてしまうが、石造りのこのサント・シャペルだけはこの災難を逃れた。1364年からシャルル5世よって、火災で被害を受けた部分を解体し、グラン・シャトレとプチ・シャトレがあった場所を囲むように城を建設。チャペルはその一部と同化することに。現在残っているグラン・シャトレの一角とは、入口左に残る、天守閣となるダンジョンのみだ。

今日見られるサン・ジェルマン城の形となったのは、その後、フランソワ1世が住み始めてからのこと。1539年に、古くなった城を解体し、シャルル5世によって築かれた基礎の上に、再建築を始める。彼の死後は息子のアンリ2世によって、建設事業は引き継がれ、1559年には55住居、舞踏会室、7チャペルを所有し、8000m2の敷地を占める。
中庭に出ると、色あせた外観とは対照的に、建物は赤いレンガがくっきりと浮き出ており、規則的な柱による空間の構成、円形のモチーフ、シンメトリーな装飾のルネッサンス様式が伺える。
また、アンリ2世は庭園の反対側に新城Château Neufも建設したが、浸水によって古城Château Vieuxとなる元の城に戻り、新城は現在は存在しない。

ル・ノートルによる全長2400mのテラスから望むパリル・ノートルが手がけた庭園はフランス庭園のシンボルでもあるシンメトリー。また、森に沿った全長2,4kmのセーヌ川を望むテラスを建設し、狩猟や舞踏会、コンサートなどが催された。今日も、このテラスからセーヌ川を挟んでパリを望むパノラマが楽しめる。また、時間があれば、テラス脇に広がる森も、是非散策したいもの。

そんな華やかな時代だが、1682年には国王の居住地はヴェルサイユに移され、サン・ジェルマン・アン・レーの一つの時代に幕を閉じることになる。

ヨーロッパ随一のコレクションを誇る国立考古学博物館 国立考古学博物館の6世紀のガラスの器

以後、古城は1862年にナポレオン3世によって、ケルトとガリア・ロマンの古代文明博物館として改装され、世界万博の開催に合わせ、1867年にはフランスの考古学を専門とした唯一の博物館、国立古代文明博物館Musée des Antiquités nationalesとして新装オープンした。現在の博物館の形となったのは、2005年。国立考古学博物館Musée d’archéologie nationaleと改名し、旧石器時代からメロヴィング王朝の時代、5世紀までの3万を超える、ヨーロッパ随一のコレクションを誇る。
コレクションを日々、増大し、研究に取り組むこの博物館ではフランスの人類の発祥、石器、骨器、青銅器、ガラスといった膨大な量のコレクションが閲覧できる。掘り出された骸骨もかなりあり、もしかして誰かさんの祖先!?と戸惑ってしまう。

フランス国王の紋章、サラマンダーが暖炉に見られる 舞踏会室は現在、博物館のフランス以外のコレクションを展示する比較考古学室

城もチャペルも外観だけを取り留め、元来の機能を働くことなく、家具や調度品も考古学コレクションに置き換えられている。500m2もあった舞踏会室は現在、博物館のフランス以外のコレクションを展示する比較考古学室archéologie comparéeとして公開されており、当時の面影を残す、フランス国王の紋章、サラマンダーが暖炉に見られる。

サン・ジェルマン・アン・レー市の中心街の町並みまた、サン・ジェルマン・アン・レーは、作曲家クロード・ドビュッシーの故郷でもある。彼の生家は、今日、観光局となっており、2階は記念館となっているが、残念ながら訪れた日曜日は閉館していた。日曜にサン・ジェルマン・アン・レーを訪ねる場合は、駅から城の反対側に広がる中心街を、まずは散策したい。午前中は、営業しているブティックも多く、活気のある大きな市場も立っている。彩り豊富な町並みからこの町の豊かさが感じられる。
また、モーリス・ドニの旧邸宅を改装したナビ派の美術館、県立モーリス・ドニ美術館『ル・プリゥレ』Musée départemental Maurice Denis « Le Prieuré »もある。

Musée d’archéologie nationale【フランス国立考古学博物館】
Château – Place Charles de Gaulle
78105 Saint-Germain-en-Laye
アクセス : RER A線 Saint-Germain-en-Laye
開館時間 : 9:00〜17:15、5月2日〜9月30日、土日10:00〜18:15
休館日 : 火、一部の祝日
入館料 : 4.5ユーロ、割引3ユーロ
http://www.musee-antiquitesnationales.fr/

Domain National【サン・ジェルマン・アン・レー城の庭園とテラス】
Terrasse et jardins du Château de Saint-Germain
開園時間 : 8:00〜17:00、夏期〜20:00、6、7月〜21:30(日照時間により変更)
入園料 : 無料

Office municipal de Tourisme【サン・ジェルマン・アン・レー市立観光局】
38, rue au pain 78100 Saint-Germain-en-Laye
営業時間 : 9:30〜12:30/14:00〜18:00 (11〜2月は17:30まで)、月、水14:00〜18:00 (11〜2月は17:30まで)、日、祝10:00〜13:00
休業日 : 5/1
http://www.tourisme.fr/office-de-tourisme/saint-germain-en-laye.htm

Musée de Claude Debussy【クロード・ドビュッシー記念館】
38, rue au pain 78100 Saint-Germain-en-Laye
開館時間 : 14:00〜18:00(11〜2月は17:30まで)、土10:00〜12:30/14:00〜18:00
休館日 : 月、日
入園料 : 無料

Musée Départemental Maurice Denis ” Le Prieuré “【県立モーリス・ドニ美術館『ル・プリゥレ』】
2 bis, rue Maurice Denis B.P. 5251
78175 Saint-Germain-en-Laye CEDEX
開館時間 :10:00〜17:30、土日祝〜18:30
休館日 : 月、1/1、5/1、12/25
入館料 : 3.8ユーロ、割引2.2ユーロ
http://www.musee-mauricedenis.fr/

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国王がパリを望んだサン・ジェルマン城 Château de Saint-Germain への1件のコメント

  1. ピンバック: パリ近郊のお散歩サン・ジェルマン・アン・レーの街へ~PartⅠ~ St-Germain-en-Laye | パリ発フランス情報ハヤクー::hayakoo

    [...] 駅を上がるとすぐ目の前に立ちはだかるサン・ジェルマン・アン・レー城。この中は国立考古学博物館となっています(以前の記事をご参考下さい)。又そのすぐ向...

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