家族をつなぐワインと風と Ce qui nous lie

セドリック・クラピッシュの新作。ブルゴーニュのワイン農家の一年の仕事を通じて、家族の繋がりを描く。

ジャンは10年前に故郷のブルゴーニュの実家を離れて、世界中を放浪していた。しかしながら、実父の危篤のため、彼は地元に戻って来たのだ。実家には妹ジュリエットと末っ子の弟ジェレミーがいた。そして、とうとう彼らの実父の死は、葡萄狩りのシーズンの少し前に訪れた。相続税やワイン農家の経営等、彼らの上に数々の問題が降りかかる。彼らが創るワインと共に、長兄ジャン、妹ジュリエット、末っ子ジェレミー、大人になった三人の関係は一年をかけて熟されていく。

2010年に「スパニッシュ・アパートメント(2002)」で当たり役だったロマン・デュリスに父と息子のアイデアを話したのが始まりだった。(しかし、デュリスは今や人気俳優になったので、この撮影にはスケジュールが合わなかった!)まずはブルゴーニュ地方のポマール Pommard で桜の木と葡萄畑がある風景を見つけ、カメラマンは一年の季節の移り変わりを撮るために、毎週通い続けることになった。それがポスターに使われている写真だ。監督は前からの知り合い、俳優マルセル役のジャン=マルク・ルロ Jean-Marc Roulotの葡萄畑で映画のほとんどの部分を撮影することにした。葡萄収穫期には、プロの俳優半分と本物の収穫人を使い撮影した。撮影には丸々1年かかり、さらに公開までに1年かかった。そして、映画のために16個のボーヌ近くのワイン農家の映像を使った。映画で出てくる足を使ってワインを熟する肯定は、今やボルドー地方の小さなワイン農家しかないだろうという。

若者たちは自由に世界中を見て回れるようになった昨今だが、自分たちのアイデンティティは常に生まれ育った土地に根付いているのだ。それを、ワイン造りという昔からの仕事、文化で表した。そして、その仕事を通して、父と息子の関係や、家族の絆を強さ、問題を解決していく姿を描きたかったという。

昔からワイン農家の仕事は、とてもマッチョな職場だったが、現代は若い女性も進出し変化が出てきた。そういう意味でのジェリエットの存在も興味深い。フランスはパリだけではない、地方に住む土地から離れないフランス人によって文化が守られているということも忘れてはならない。

Ce qui nous lie 【ス キ ヌ リエ】
2017年 フランス作品  113分
監督 : セドリック・クラピッシュ Cédric Klapisch
出演 : ピオ・マルマイ Pio Marmai、アナ・ジロルド Ana girordot、フランソワ・シヴィル François Civilほか

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