スイスアート最前線を、パリで Centre Culturel Suisse
大都市パリには、様々な国のサントル・キュルチュレル(文化センター)がある。一番大規模なのは、なんといっても我らが日本のそれ「パリ日本文化会館」に間違いないが、各国センターとも、それぞれ趣向を凝らした展示や上映プログラムを提案しており、巡り歩くとなかなか面白い。今回ご紹介するのは、フランスのお隣の国、スイスの文化センターである。
マレ地区のショッピングストリート、フラン・ブルジョワ通りに位置する「サントル・キュルチュレル・スイス(CCS)」は、スイス連邦文化局直属のスイス文化海外プロモーション機関「プロ・ヘルヴェティア」により運営されている施設だ。スイスは、元祖文化大国フランスには及ばないにしても、かなり自国文化活動の振興に力を入れている国で、特にアートとデザイン部門に関しては目覚しい。ここCCSも、そんじょそこらのギャラリーに負けないほど質の高い展示で、パリのアートマニアを魅了している。スイスは時計とチョコレートだけの国、と侮ることなかれ。
現在の展示は、「WORKER, DRONE QUEEN」と銘打たれ、ジュネーヴ在住もしくは出身の、70年代生まれ女性アーティスト4人の作品で構成されている。こういった狭いピンポイントに絞った企画を、国の施設が実施してしまうということにも、小国スイスの芸術振興に対する気概が伺えて興味深い。彼女たちの間には、特に作風につながりがあるわけではない。キーワードとしては、「性別」と「時」は勿論だが、ジュネーヴという「場所」もここではかなり重要なわけである。ビデオ、インスタレーション、イラストと、その表現方法もさまざまだ。
またもうひとつ、とんでもなくユニークな企画「e-flux video rental」も同時開催されている。こちらはスイスではなく、ニューヨークのグループ「e-flux」によるもので、世界中を巡回しているようだ。そういう海外のおもしろいものをキャッチするアンテナも素晴らしい。この企画の内容はずばり、アートビデオ作品の訪問客への無料レンタル。自分で見たい作品を選び、持ち帰って家で好きなときに見ることができるという、今までありそうでなかった展示スタイルだ。VHS再生機を持っていない自分が非常に恨めしい。
展示会場の入り口は、フラン・ブルジョワ通り38番地から少し奥詰まったところにある、のどかな中庭に面している。しかし、スイス国旗の十字をアレンジした看板が表通りに出ているので、迷うことはないだろう。また、ちょっと先の32番地にもCCS関連施設がある。一見お洒落な本屋風だが、実は図書館。貸し出しは行っておらず、館内閲覧のみのサービスだ。特にスイスに関して調査することがあるわけではなくとも、この国らしい清廉な気分に浸れるひと時を過ごせるというだけで、十分に利用価値がある。
Centre Culturel Suisse Paris【スイス文化センター】
32 et 38 rue des Francs-Bourgeois 75003 Paris
メトロ : 1番線St-Paul又は11番線Rambuteau
開館時間 : 13:00〜20:00、木〜22時
休館日 : 月、火
展覧会の入場無料。映画・スペクタクルは有料
http://www.ccsparis.com/
展覧会「WORKER, DRONE QUEEN」および「e-flux video rental」
2007年7月15日まで
入場無料
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