カランクは南仏に見られる、切り立った岩山に囲まれた狭くて深い特有の峡谷だ。
峡谷を囲むプディングと呼ばれる堆積岩の地層は魚介類の化石で形成されている。1億4000万年前はラ・シオタを始めプロヴァンス地方は海底にあったのだ。6万年前の温暖期に海水は涸れ、峡谷が形成された。
地質時代の最終期である第4紀に入り、長期間に渡る氷河期と温暖化の反復により、激しい水位の変化と滝のように降水によって、峡谷はさらに深さを増す。特に、冷たく且つ酸性の雨が石灰岩の浸食に一役買ったとされている。
現在のカランクの表面は乾燥し、小川すらなく、マルセイユのカランク等は夏期には火災が多いため、進入が禁止されている。そんな乾燥した地に生える緑は、海水の蒸発や地下に流れる小川から水分を得てるという。そういった地下水や石灰岩による洞窟、アーチ、彫刻のような様々な形等はカランクの成り立ちから理解できる。
マルセイユの東の海岸線に広がるこのカランクは、海から眺めるクルーズ、そしてハイキングで訪れることができる。後者は各ルートが半日以上かかる本格コースだが、ラ・シオタの町には手軽に訪れることができる小さなカランクが2つ見られる。
一つ目は港とミュジェル公園の間に位置するミュジェルのカランクCalanque du Mugelだ。中心街から造船所を横目にミュジェル公園を目指して歩いてみよう。海岸は砂利浜となっていて、夏の海水浴はもちろん、年間を通して天気の良い日には日光浴を楽しむ人が見られる。目の前の青い地中海に浮かぶのはヴェールト島Ile Verteだ。
カランクの水は地下水が流れ込むということから、夏でも他の海岸より水温が低くなっている。海水浴をされる方はご注意を。
そして、元々は個人所有だったというミュジェル公園。地理的な好環境とミクロ・クリマ(微気候)のお陰で、12ヘクタールの園内に豊富な植物が見られ、ヤシの木から栗の木、そして竹薮まである。園内の小道を上り、最後のちょっとハードな階段を駆け上がれば、高台から青い海が見渡せる。
もう一つのラ・シオタのカランク、フゲロールCalanque de Figuerolles。元々、イチジク畑Figuierが広がっていた地帯だったことに、名前を由来する。鷹の嘴又は犬の頭と呼ばれる岩が目印だ。ラ・シオタのカランクはマルセイユのものとは異なり、黄土色がかった堆積岩から成っている。そのイエロー・オーカーが、この地を描いたジョルジュ・ブラックの野獣派的作品にも至っている。
パーキングから下ると、そこは小さな村のよう。フゲロール独立共和国という名の下、レストラン、ホテルと小さな村を形成しているのだ。共和国のこだわりとして、ホテルの価格は37ユーロ〜とリーズナブル。そして自然を尊重するこだわりから、電気や水道はあるものの、部屋にはテレビや電話などの設備はないという。
地中海に面した温暖な気候のため、年中、ラ・シオタのカランクの美しさを見ることができる。ドライブも良いが、町は小さいため、歩いて十分楽しめるのがラ・シオタのカランクの魅力。歩きやすい靴で出かけよう。
La Ciota【ラ・シオタ】
パリからのアクセス : Gare de LyonよりマルセイユのGare Saint-CharlesまでTGVにて3時間。マルセイユからラ・シオタ駅までは電車で1時間半。または、マルセイユのメトロ2番線のCastellaneからラ・シオタの中心街までバスで40分。
Office municipal du Tourisme【ラ・シオタ観光局】
Bd Anatole France, 13600 La Ciotat
www.tourisme-laciotat.com
Parc du Mugel【ミュジェル公園】
Avenue Des Calanques, Calanque du Mugel, 13600 LA CIOTAT
開園時間 : 8:00〜20:00、10/1〜/31 9:00〜18:00
République Indépendante de Figuerolles【フゲロール独立共和国】
Calanque de Figuerolles 13600 La Ciotat
http://figuerolles.free.fr



























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