グランパレにほど近いシャンゼリゼ大通り沿い。緑に囲まれた気持ちのいいテラスを構えたレストラン。パヴィリオンという名を持つにふさわしいその外観は館のような佇まい。緩やかな円形状に張り出たテラスは大きなパラソルが開いていてプライベート空間を演出しています。
お菓子学校・パティスリー・トレトゥールでも名の知れた「ル・ノートルLe nôtre」のカフェレストラン。パリには何店舗かブティックがあるけれど、ここではできたてのお料理やお菓子が頂けます。伝統を引き継ぐ正統派。日常的にはなかなか利用できないかもしれないけれど、屋外が気持ちいい季節にはちょっと奮発して優雅なテラスランチに来てみてはいかがでしょう?
まるで誰かの邸宅に招かれたようにエントランスをくぐると、天井の高いホールが目の前に広がります。そこは軽いカフェスペースでもあり、又お料理にまつわるグッズのショップにもなっており、お買い物も楽しむこともできます。勿論、ル・ノートルお菓子学校推奨の製菓器具やオリジナルグッズなんかも気になるところ。今日はランチランチ。。。と言い聞かせながらショッピングはまた今度にして店内奥へ。
バーカウンター越しから、又通りかかる全ての人が「ボンジュール」と笑顔で迎えてくれるのがあったかい。作業中の動作をふと止めて、顔を見て迎えてくれること、優しく歓迎されることこそ極上のサービス。気分良くテラス席に着席。店内も明るい日差しがたっぷり注ぐ素敵なフロアなのですが、せっかくですから中庭テラスにてお食事といきましょう。
ナチュラルでありながら、カトラリーや備品などもしっかりしていて清潔感が溢れています。ちょっとリュクスなテラス空間。さて、まず目に留まったのが黒いお皿に乗った白いもの。アミューズ・ブーシュ?え?ラムネ?なんて馬鹿なことを考えてしまいましたが、しばらくするとメニューを持ってきたお兄さん。と同時に本来のアミューズもやってきました。もう片方の手にはティーポット。お水をその白いものに注ぎ始めました。そう、おしぼりだったんです。ちょっとしたサービスが素敵な演出。冷たいお水が注がれ膨れ上がったおしぼりは冷たくてとても気持ちいい。
と、感動しつつ、本物のアミューズを頂きます。カリッと焼き上がった長くて薄いパルメザンのチュイール。アボカドのピュレをたっぷりつけて頂きます。カリカリ、ソリソリとしっかり焼けておりパルメザンがふわりと香るとても香ばしいチュイール。アミューズといえど、きっちりと手をかけて丁寧に作られてるな、と感じました。とても美味しかったです。
パルメザン風味が食欲をそそり待ち遠しいメイン。様々なお惣菜がちょこっとずつ食べられるワンプレートランチ、アシェット・グルマンド「Assiettes Gourmandes」から「Paris – Turin (25ユーロ)」をチョイス。ちなみに他にはアジアなお料理が盛り込まれたParis – Pékin(29ユーロ)やサーモンが主体のノルウェー尽くし Paris – Oslo(27ユーロ)などがあります。スタイリッシュな装いで運ばれてきたプレートは少しずつ色々楽しめて女性好みなランチ。お野菜ベースが嬉しいこのお皿は、左から茄子とクルジェットのグリエにアルティショーとトマトのマリネ。上質なオリーブオイルとオレガノでこんがり焼かれたフルートのグリエ、トロトロ茄子がたまらないキャビア・ド・オーヴェルジーヌをのせて頂くと更に美味しさも倍。ちょこんと可愛く並んだシェーブル・フレは熟成の利いた甘いバルサミコにピーマン・エスプレットをパラリとかけて。そして柔らかい仔牛肉の薄切りをくるくると巻いてソースをあしらったもの。更に黒オリーブなどで和えられたパルメザンたっぷりのペンネサラダ。どのお惣菜にも言えることが、決して斬新でひねりの利いたものではないけれど、一つずつの食材がとても新鮮で美味しいこと。オリーブオイルにせよ、サラダにせよ、野菜にせよ、どれもこれもきちんと美味しく旨みがあるので皿の完成度がぐんと引き立っていること。そしてどれにも下ごしらえの手間を惜しまず、基本に忠実に用意され、仕込まれ、仕上げられている美味しさを感じること。正にお料理教室で学ぶような、基礎の確立がどれにも感じられるお料理でありました。ヘルシーであり、上質なオイルは胃にもたれない、ということも食べ終わってからの美味しさのポイントでした。
そしてもう一品は王道なるステーキを注文。「Filet de Boeuf à la Plancha, sauce béarnaise, courgette farcie de tapenade et frites au couteau (35ユーロ)」。ボリュームはさほどないにしろ、そのカリテで勝負です。カフェのようにドーンとステック&フリット!的なビジュアルではないですけどね。見た目にもクラシカルなプレゼンテーション。付け添えにはトマト・スリーズのグリエにクルジェットのファルシ。これぞ伝統的なフランス料理の基本、的な付け添え。ただ焼いただけ?と思えるトマトかもしれませんが、やはり質良きトマトを丁寧に愛情込めて火に入れられたものはそのひと口で美味しい、と感じます。甘さと酸味、水分のバランス。そしてクルジェットは中にタプナードが包み込まれており丁寧に巻かれています。下処理もきっちり施されたクルジェットはやっぱりそのままで美味しいです。仔牛肉も旨みがしっかり閉じ込められた柔らかい肉質。表面はカリッと香ばしく、中は赤身が残る抜群のキュイッソン。お決まりのベアルネーズソースは何だか味が濃厚でとても美味しかったです。フリットは一本一本包丁でカットして揚げられたもの。野菜もお肉も切り口が命。包丁を入れた瞬間から旨みがどんどん逃げていくものです。拘りは美味しさへの追及ですね。食事の合い間に「大丈夫ですか?」などこまめに声かけてくれるスタッフの気遣いがとても贅沢感を感じます。これがきちんとしたフランス料理の基礎だよね、そう思えるお料理でした。
さて、ル・ノートルなのですからお菓子も頂かねばならないでしょう。デセールメニューに加え、通常のケーキもプレートから選べます。まずはマカロン・アブリコ(10ユーロ)を。今が旬のジューシーなアブリコがたっぷり詰まったマカロン。甘すぎず軽めの味わいでした。皮はわりとしっかり目のねっちりタイプ。爽やかなアブリコと食べるにはとてもいいバランス。フランボワーズソースとアーモンドグリエでデコレーション。パクっといきたいところですが、ソースをかけて丁寧にいただきました。そしてもう一品はパフォーマンスが楽しいショコラのデセール「Métamorphose Chocolat et Framboise (16ユーロ)」。大きなドーム型ショコラに熱々のフランボワーズソースをかけると。。。。溶けたショコラのその中かからはたっぷりのフランボワーズがお目見え。ショコラそのものが美味しかったので、全部平らげてしまいましたが、こちらはかなり濃厚なデセールでした。ドロドロに溶けたショコラと熱々のソース。マリアージュはいいのですが途中で「カ、カフェを。。。!」と言いたくなるところ。大人も子供も楽しめるデセールです。
そして締めはカフェ(シングル3.5ユーロ / ダブル6ユーロ)。最後までサービスが行き届いているところが嬉しいこのカフェのフタ。運んでくれるまでに冷めないよう、埃が入らぬよう細やかな配慮がなされた贅沢尽くし。お供のサブレを先に食べ終わるまでフタは開けずに、でもいいですね。何よりこのサブレが美味しかった!さすがはお菓子学校ル・ノートルなだけに、バターの香りといい、ショコラの味わいといい、食感といい、私が個人的に理想とするサブレでした。おかわりが欲しかったぐらい。
「はぁ~満足。」と何だか心も満たされるレストラン。伝統を重んじるクラッシックなフランス料理は基礎の基礎がキチンとなされ、素材の美味しさを尊重したお皿が頂けるレストランでもあります。心温まる優しいサービス。パリの太陽の光を浴びて、ちょっと贅沢なランチも乙なものです。
Café Lenôtre / Pavillon Elysée【カフェ・ルノートル / パヴィヨン・エリゼ】
10 avenue des Champs Elysées 75008 Paris
Tel : 01 42 65 85 10
営業時間 : 12:00~22:30
定休日 : 無休
メトロ : 13番線Champs-Elysées-Clemenceau
http://www.lenotre.fr




























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