年間300日も太陽が見られるといわれるこの地方。それもそのはず、中心街から外れたアヴィニョンTGV駅に到着したら、ローヌの谷から地中海にかけて吹く強風、ミストラルに見回れた。中心街へ向かうバスは風に吹かれてガタガタと揺れ、様々な花粉が宙をクルクルと舞っている。ミストラルに煽られた雲はあっという間に姿を消し、青空が広がった。
城壁に囲まれた中心街intramurosの入口、アヴィニョン・ソントル中央駅前がTGV駅からの最終点。中心に向かって、メインストリートのCours Jean Jaurèsを進むと、右手に観光局があるので、観光市内地図をもらおう。そのまま、まっすぐ進むと時計台のある市庁舎と劇場がある時計台広場Place de l’horlogeに出る。天気がよければ、カフェのテラスがたくさんでているので、ここで一休みしたい。さらに、北に上ると、アヴィニョンを代表する歴史的建造物、教皇宮殿Palais des Papesだ。お隣のノートルダム・デ・ドン大聖堂Cathédrale Notre-Dame des Domsの上に立
つ金の像も、遠くからも輝いて見える町のシンボルだ。
アヴィニョンといえば、『橋の上で踊ろうよ〜♪』という童謡『アヴィニョンの橋』で世界的に知名度が高い。実際、アヴィニョンの橋なるものは存在せず、題材となっているのは12世紀に建設されたローヌ川にかかるサン・ベネゼ橋Pont Saint Bénézet。向こう岸、ヴィルニューヴ・レ・ザヴィニョンvilleneuve-lez-avignonまで22アーチで900mを繋いだこの石造橋は、リヨンから海へ渡る唯一の道でもあり、橋を渡る商人らから税金を徴収していた。1226年のアルビジョア十字軍の遠征の際に3/4が破壊され、その後、再建のたびにローヌ川の氾濫により破壊が繰り返され、1669年の洪水後、再建はあきらめられた。現在残る、サン・ニコラ礼拝堂と4つのアーチは当時の形を残している。教皇宮殿の裏側にあるドン岩山Rocher des domsに上ると、橋が見下ろせる。
ローマ帝国時代には主要都市の一つであったアヴィニョンだが、多くの遺跡から紀元前3000年から人類の生息が確認されており、この地の歴史は長い。また、教皇宮殿、大司教座の総体、およびアヴィニョン橋を含むアヴィニョン歴史地区はユネスコ世界遺産に指定されている。
演劇祭でも国際的に名高いアヴィニョン。リル・シュル・ラ・ソルグの詩人、ロネ・シャールRené Charらによって企画された教皇宮殿のシャペルで美術展の際に、俳優であり、演出家でもあるジョン・ヴィラールJean Vilarが1947年に教皇宮殿前の広場でや芸演劇公演を提案したのが発端だ。ジャンヌ・モロー、フィリップ・ノワレらが出演した初公演から大成功をおさめ、以来、フランスはもちろん、世界的な地位を得た、国際演劇祭となった。毎年7月に開催されるこの演劇祭の期間、アヴィニョンの人口が倍に膨らむといわれるほどの活気を持ち、町中で演劇が繰り広げられる。
そんなこともあり、中心街を散策するとたくさんの小劇場が見られる。また、町中が舞台といえる、旧市街。車が通れない細い道がたくさんあり、どこを歩いても、絵になる光景だ。カラフルなトロンプルイユ(騙し絵)が描かれた壁も点在し、思わずシャッターを切りまくる。城壁に囲まれているため、迷子になることはないので、方向音痴の人も気ままに、歩き回ろう。また、パリ同様、フィリップ・スタークがデザインしたスコップ型の観光名所案内立て札が町中に見られるので、地図とにらめっこしなくても、チェックポイントを逃すことはない。
垂直なお庭、壁面が緑で覆われているのは、モダンな常設市場Marché des halles。野菜、魚、肉、パンと40数のスタンドが入っており、プロヴァンス地方ならではの味覚が楽しめる。オリーブやタプナードはもちろん、茹でたタラや温野菜にニンニクがたっぷりはいったマヨネーズをつけて食べるアイオリなどを買ってピクニックしてはどうだろう。
観光局の地図に散策コースが提案されているが、おすすめのコースは17〜19世紀にプロヴァンス特産のプリント生地の生産が行われていたタンチュリエ通りrue des teinturiers。ソルグ川の運河沿いに延びる石畳の通りだ。絹の製造などで活躍した水車が当時を偲んでいる。
アヴィニョンの絹事情については、モン・ド・ピエテ博物館Mont de Piétéで。19世紀初頭に栄えた絹産業は中国からの技術を取り入れており、様々な中国製の道具が見られる。絹は今日でいう、金や原油といた不動の価値を持っていったため、絹を持つことによって富みを象徴していた。
また、フランス初の質屋として1610年(パリではその200年後)に始まったモン・ド・ピエテから公共質屋Credit municiapleまでの歩みがたどれる。
歩き疲れたら、コースを外れてコール・サン広場Place des Corps Saintsのとってもキュートなビストロ、ジネットとマルセルGinette & Marcelへ。フランスのレトロ・アンティーク雑貨の博物館ともいえるインテリアに囲まれて、種類豊富なタルティーヌ(3ユーロ〜)を。
Avignon【アヴィニョン】
アクセス: パリ・ギャール・ド・リヨン(Gare de Lyon)駅から2時間40分、TGVにてアヴィニョン(Avignon-TGV)駅下車。中心街へは1時間乗り換え可能なシャトルバス(1,10ユーロ)で。
観光局 : http://www.ot-avignon.fr/
Pont Saint Bénézet【サン・ベネゼ橋】
開館時間 : 9:00〜19:00(季節によって異なる)
入場料 : 夏期4ユーロ 冬期3,5ユーロ(日本語オーディオガイド付き)
Festival d’Avignon【国際演劇祭】
第62回アヴィニョン・フェスティバルの日程 : 2008年7月4日〜26日
http://www.festival-avignon.com/
Marché des halles【常設市場】
Place Pie 84000 AVIGNON
営業時間 : 7:00〜13:00
休業日 : 月
Musée du Mont de Piété【モン・ド・ピエテ】
6, rue Saluces 84000 AVIGNON
開館時間 : 8:30〜11:30、13:30〜17:30
休館日 : 土日
Ginette & Marcel【ジネットとマルセル】
25, Place des Corps Saints 84000 Avignon
Tel : 04 90 85 58 70
営業時間 : 9:00〜24:00




















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