1961年8月に建設された東ドイツと西ドイツを隔てたベルリンの壁。1989年に崩壊後、ベルリンの空き家はアーチストに占拠され、崩壊から再生という時代を反映した表現が繰り広げられる。無人地帯となった東西の狭間で、崩壊後に内部に残されたまっさらな壁。そこから採取された破片を創造の基盤とし、アルマン、イリヤ・カバコフ、ダニエル・ビュレン、リチャード・ロング、 ソル・ルウィットら世界的に著名な作家が、絵画だけではなく、彫刻や版画などの手法で20世紀の歴史上の鍵となったこの時代に問いかける。
そんな貴重な作品群がパレ・ロワイヤル庭園にて公開されている。
各壁片は440cmx200cmの壁面一単位を4等分した120cmx100cm、10cmの厚みを帯びた塊で、重さは200kgにも及ぶ。45点からなるユニークなこの作品コレクションは『自由のためのアーチスト』と題してフランスの美術品収集家、シルヴェストル・ヴェルジェによって集結された。
システムへの告発、壁の建設への非難、壁の崩壊への称賛、建設や崩壊に直接的に関与せず、壁という物体自身に対する自由な表現といった、大きく分けて4種類の作品が見られるのがこのコレクション。室内ではなく、青空の下での展示ということで、壁というマチエールがさらに効果的に映えて見える。
当庭園で有名なストライプの作品群の改装工事が行われているダニエル・ビュレンの作品はもちろん、ストライプ。歴史的に貴重なこの壁への神聖化を掻き消し、既存のシステムへの意義を打ち出す。
ギリシャ出身のタキスは『危険注意!』と題し、磁石と釘の塊を整然と壁に並べた。同様に、壁に凶器を打ち付けたのはアルマン。タキスの平然と整列された釘に比べて、こちらはランダム。『自己破壊』は四方から草刈り鎌で壁を破壊する。鎌というところに、農民一揆を想起してしまうが、壁を貫いた鎌に、外側からだけではなく、システムがシステム自身の内部から破壊されて行くという様が見られる。
また、アダム・シュタイナーが砕いて壁を閉じ込めた『パンドラの箱』のように、壁の形を失った作品も。
20年を記念し、ベルリンはもちろん、ヨーロッパ各地で欧州の歴史を刻むベルリンの壁崩壊を振り返るイベントが催されている。
尚、このコレクションは、7月にはベルリン、11月にはモスクワへと巡回される。
Mur de Berlin / Artistes pour la Liberté【ベルリンの壁・自由のためのアーチスト展】
会場 : Jardin du Palais Royal 75001 Paris
会期 : 2009年5月6日〜6月1日7:00〜22:00
入場無料
メトロ : 1、7番線Palais Royal – Musée du Louvre
http://www.berlin1989.com/























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