鬼才・アルチンボルドの展覧会 Arcimboldo

鬼才・アルチンボルドの展覧会 Arcimboldo

ルーブル美術館で、野菜や花の寄せ集めで構成された肖像画にぎょっとされたことがある方も多いだろう。この奇妙なスタイルの持ち主であるミラノ生まれの画家、ジュゼッペ・アルチンボルド Giuseppe Arcimboldo(1526-1593)の特別展示が、リュクサンブール美術館で始まった。
その名の通り、リュクサンブール公園の一角に佇むこの美術館。1615年にマリー・ド・メディシスによって建てられたリュクサンブール宮殿に付随していた、絵画作品収蔵用のギャラリーに由来している。1750年には、フランス初の絵画専門美術館として一般公開が開始された。1884年以降は、リュクサンブール宮殿を議事堂とするフランス元老院(Sénat)により運営され、パリでも人気の美術館の1つとなっている。ただし常設展示はなく、企画展のみである。

 GIUSEPPE ARCIMBOLDO, « L'Eté », 1563, Vienne, Kunsthistorisches Museum, Gemäldegalerie

アルチンボルドは神聖ローマ皇帝フェルディナントI世に招かれてウィーンに移り、宮廷画家となった。あの独特なスタイルが生まれたのは、フェルディナントI世の息子、マクシミリアンII世の治世になり、自由な芸術表現の気風が高まってからのことらしい。今回の展示では、初期のわりと一般的なスタイルの作品も鑑賞することが出来る。
しかしやはり目玉はなんといっても、マニエリスムの金字塔と言われる「寄せ集め」作品の名作の数々。マニエリスムとは、ルネサンスとバロック期の丁度あいま、16世紀の半ば頃に生まれた芸術様式。人間の美を讃えたルネサンスの反動で、グロテスクさや反写実性といった特徴があると一般的には言われている。興味深いことに、今回の展示の解説には、マニエリスムに触れていないこと。企画側の新解釈であろうか。

GIUSEPPE ARCIMBOLDO, « Le Cuisinier, (tableau réversible) », vers 1570, Stockholm, Musée National des Beaux Arts

ルーブル美術館でもお馴染みの、かの有名な『四季』シリーズは、春は花、夏は野菜、秋は果物、冬は枯れ木といったように、四季折々の象徴の組み合わせで人物像が構成されている。このシリーズには何パターンかあり、様々な『四季』が展示されている。
また、『職業』シリーズでは、本で構成された図書館員や食器の帽子をかぶった料理人、『火』シリーズでは髪の毛が焚き火状態の人物と、その豊かな想像力に驚くのと同時に、様々な形が1つになるその精巧なバランスに感心せずにはいられない。アルチンボルドが絵画以外に、楽器、紋章、武器・・・と、様々な緻密なものづくりにも長けていた、というのにも納得してしまう。

アルチンボルドのお膝元のウィーンやイタリアの美術館からやってきた作品が展示の殆どを占め、たくさんの作品が一同に会する貴重な機会となっている。是非、大混雑覚悟で出かけてみよう。

展覧会Arcimboldo (1526-1593)【アルチンボルド】
2008年1月13日まで

Musée du Luxembourg【リュクサンブール美術館】
http://www.museeduluxembourg.fr/
19 rue de Vaugirard 75006 Paris
メトロ : 4番線Saint SulpiceかOdéon、RER B線 Luxembourg
入場料 : 一般11ユーロ、割引9ユーロ
開館 : 月・金・土 10:30-22:00, 火~木 10:30-19:00, 日・祝日 9:00-19:00

by mayu on 2007-09-28 [アート]
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