伝説の純愛物語 Les Amours d’Astrée et de Céladon
巨匠、エリック・ロメールの新作が登場だ。前作『Triple Agent(三重スパイ)』では第二次世界大戦、前々作『L’Anglaise et le duc(グレースと公爵)』ではフランス革命と、ヌーヴェル・ヴァーグ時代とは打って変わって過去を描いてきたロメールだが、この新作では、一気にローマ時代までタイムスリップとなった。
原作は、17世紀の小説家オノレ・デュルフェ Honoré d’Urféによる『アストレ Astrée』。大河小説のパイオニアとも呼ばれるこの作品、全5000ページの超大作である。この作品の映画化は、もともとピエール・ズッカ Pierre Zuccaという、世にあまり知られることがなかった映画監督のプロジェクトであった。ズッカの死後、ロメールがその遺志を引き継ぎ、鮮やかで美しい『Les Amours d’Astrée et de Céladon』に仕上げたのである。
時はローマ時代。フランス中央部には、ローマ支配から離れて暮らす羊飼いの部落があった。若きセラドンは、美しきアストレに恋を打ち明けるものの、アストレは警戒の余りに心を開けない。失意の末に彼は入水自殺を図るが、3人のニンフ(精霊)に助けられる。そのうちの一人レオニドと、そのおじであるドルイド(司祭)の助けを得て、セラドンは女性に変装して、再びアストレの前に姿を現すことになる。セラドンが死んでしまったと信じて、アストレが嘆き悲しんでいることを知らずに・・・。
この作品の最大の魅力は、その「癒しパワー」である。今時まれに見るような神聖な純愛、得もいえずに美しい自然の風景やお城、なんともゆっくりと流れる時間。古典がベースな故に、演劇のような美しいフランス語と、シンプルながら優雅な衣装を身に纏った登場人物たち。総てが、いい意味で「現実離れ」しているのだ。これぞ、映画館の暗闇の中で別世界にトリップする醍醐味というもの。この作品で、日ごろのクサクサやストレスをちょっと忘れてみてはいかが?
Les Amours d’Astrée et de Céladon【アストレとセラドンの恋】
2006年 フランス・イタリア・スペイン作品 109分
監督 : エリック・ロメール Eric Rohmer
出演 : Andy Gillet, Stéphanie de Crayencour, Cécile Cassel
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アストレとセラドンの恋 (仮題)…
監督:エリック・ロメール
(2006年 フランス)
原題:Amours d’Astrée et de Céladon, Les
【物語のはじまり】
羊飼いのセラドンとアストレは恋人同士。しかし浮気を疑うアストレに拒絶されてしまった
セラドンは絶望の上、川に身を投げてしまう。
トラックバック by ゆるり鑑賞 Yururi kansho - 2008-03-22 @ 2:12 pm
台湾でDVDを借りてこの作品を見ました。現代社会で既に忘れられた純愛をテーマにしたこの作品はとてもシンプルでピュアな恋を見せてくれました。主人公達の切ない恋愛物語は恋愛の本質について考えさせられます。美しい大自然と風景は物語を更に彩ります。
コメント by 台湾人 - 2008-04-22 @ 11:04 am